介護施設の設備別|修理の依頼先と更新の周期

介護施設の設備別
修理の依頼先と更新の周期

どの設備を、どこへ連絡すればいいか。設備ごとに所管が分かれているため、施設側で判断するのが難しい部分です。18の設備について、依頼先・周期・費用を一覧にしました。

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どこへ連絡すべきか分からない場合、写真を1枚お送りいただければ判断します。

18の設備を、一覧で

介護施設で修繕の対象になる主な設備です。所管が分かれているため、まず一覧で把握してください。

図1|設備別の依頼先・周期・費用
設備依頼先更新周期費用の目安
特殊浴槽メーカーのサービス7〜10年修理3万〜80万円/入替350万〜1,100万円
給湯器・ボイラーガス会社/設備業者10〜15年修理5万〜40万円/更新80万〜400万円
空調(個別方式)設置したメーカー10〜15年修理3万〜25万円/更新20万〜60万円/台
空調(中央方式)空調設備業者/メーカー15〜20年修理15万〜200万円/更新1,500万〜4,000万円
給排水管給排水設備業者15〜20年修理1.5万〜30万円/更新600万〜2,200万円
受水槽・ポンプ給排水設備業者10〜15年修理5万〜40万円/更新50万〜200万円
電気設備・受変電電気工事業者/保安協会20〜30年修理10万〜80万円/更新500万〜1,500万円
照明電気工事業者LED化で10年以上1灯3,000〜1万円
ナースコールメーカー/電気工事業者10〜15年修理3万〜30万円/更新300万〜1,500万円
エレベーター保守会社の緊急番号20〜25年修理5万〜60万円/更新1,000万〜2,500万円
厨房機器厨房機器業者/メーカー10〜15年修理3万〜40万円/更新30万〜300万円
屋上防水防水業者/大規模修繕会社10〜15年部分補修25万〜80万円/全面500万〜3,000万円
外壁塗装業者/大規模修繕会社12〜18年部分8万〜60万円/全面800万〜3,000万円
内装(床・クロス)内装業者8〜12年部分1万〜15万円/1室10万〜40万円
建具(ドア・引戸)建具業者/工務店随時調整5,000〜2万円/交換5万〜20万円
手すり内装業者/工務店随時1万〜5万円/か所
消防設備消防設備業者ヘッド20年ほか点検は法定/更新は規模による
貯水槽清掃業者/登録検査機関随時清掃5万〜20万円/法定検査2万〜5万円

延床3,000平方メートル程度の施設を想定した概算です。建物の構造・仕様・地域により変動します。

この表で分かるのは、依頼先が8種類に分かれているということです。メーカー、ガス会社、設備業者(給排水・電気・空調)、工務店、内装業者、防水業者、消防設備業者、保守会社。

施設側でこの振り分けを毎回判断するのは負担です。当窓口では、お困りの箇所と症状をお伝えいただければ、こちらで振り分けて手配します。

入浴・給湯に関する設備

特殊浴槽

止まると入浴介助が全部飛びます。買い替えの合図は、昇降時の異音・湯温のブレ・頻繁なエラー停止の3つです。

依頼先:メーカーのサービス/更新周期:7〜10年/費用:修理3万〜80万円/入替350万〜1,100万円

給湯器・ボイラー

入浴と厨房の両方に影響します。他の給湯箇所も出ないなら機器側、1か所だけなら配管かストレーナの可能性があります。

依頼先:ガス会社/設備業者/更新周期:10〜15年/費用:修理5万〜40万円/更新80万〜400万円

この2つは、止まったときの影響が最も大きい設備です。入浴介助が止まり、厨房にも影響が出ます。

図2|特殊浴槽の症状と原因
症状考えられる原因復旧の目安
昇降しない・途中で止まるモーター・制御基板・センサー即日〜3週間
湯温が安定しない混合弁・サーモスタット・給湯器即日〜2日
エラー表示が消えない制御基板・センサー1〜5日
湯が出ない・出が悪い給湯器・配管・ストレーナ即日〜2日
異音・振動モーター・軸受・架台1〜7日
漏水している配管・パッキン・本体即日

エラーコードを控えておくと、電話の段階で原因が絞り込めます。

特殊浴槽の法定耐用年数が6年であることは、厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長通達(老計第8号・平成12年3月10日)に基づきます。介護用リフト・認知症徘徊防止用監視装置・特殊浴槽等は、その機器部分について「器具及び備品」の「医療機器」の耐用年数が適用されます。

空調に関する設備

空調(個別方式)

故障の影響がその部屋に限られます。台数が多いため、計画的な更新が必要になります。

依頼先:設置したメーカー/更新周期:10〜15年/費用:修理3万〜25万円/更新20万〜60万円/台

空調(中央方式)

1台の故障で全館が止まります。更新時に個別方式への切替を検討する施設が増えています。

依頼先:空調設備業者/メーカー/更新周期:15〜20年/費用:修理15万〜200万円/更新1,500万〜4,000万円

中央方式か個別方式かで、連絡先も復旧の見込みも変わります。竣工図の空調設備図で系統を確認してください。

図3|方式による違い
方式止まったときの範囲依頼先復旧の目安
中央方式全館または系統単位空調設備業者/メーカー1日〜2週間
個別方式その部屋・その系統のみ設置したメーカー即日〜1週間
ビル用マルチ室外機単位メーカー1日〜10日
ガスヒートポンプ系統単位ガス会社/メーカー1日〜2週間

施設内に複数の方式が混在していることがあります。

業者を呼ぶ前に確認できること

冷えない原因の一定数は、室外機の周囲にあります。吹出口の前に物が置かれている、フィンに綿ぼこりが詰まっている。介護施設では、室外機の前に車椅子や園芸用具を置いてしまう例をよく見ます。

フィルターの目詰まりも、効きが落ちる原因の上位です。清掃で戻ることがあります。

給排水・電気に関する設備

給排水管

赤水と上階の水圧低下が老朽化の合図です。詰まりは厨房と浴室に多く出ます。

依頼先:給排水設備業者/更新周期:15〜20年/費用:修理1.5万〜30万円/更新600万〜2,200万円

受水槽・ポンプ

止まると全館が断水します。有効容量10立方メートル超は年1回の清掃と法定検査が義務です。

依頼先:給排水設備業者/更新周期:10〜15年/費用:修理5万〜40万円/更新50万〜200万円

電気設備・受変電

受変電設備は電気主任技術者の関与が必要な場合があります。保安協会との契約内容を確認してください。

依頼先:電気工事業者/保安協会/更新周期:20〜30年/費用:修理10万〜80万円/更新500万〜1,500万円

照明

24時間点灯する箇所が多く、LED化の効果が出やすい設備です。色温度の見直しで夜間の転倒リスクも下がります。

依頼先:電気工事業者/更新周期:LED化で10年以上/費用:1灯3,000〜1万円

給排水は、漏水と詰まりで呼ぶ先が違うことがあります。どちらも給排水設備業者ですが、高圧洗浄の設備を持っているかで対応できる範囲が変わります。

電気は、照明やコンセント程度であれば電気工事士の資格で対応できます。受変電設備(キュービクル)は電気主任技術者の関与が必要な場合があり、保安協会か電気保安法人との契約を確認してください。

図4|給排水の症状と対処
症状考えられる原因初動
漏水している配管・パッキン・機器止水栓を閉め、階下への影響を確認
排水が遅い・溜まる排水管・グリストラップ他の排水も確認。厨房なら油分の可能性
赤水が出る給水管の老朽化朝一番に出るかを確認。配管更新の検討時期
上階の水圧が低いポンプ・配管の閉塞受水槽とポンプの動作を確認
全館が断水受水槽・ポンプ・本管給水車の手配を並行して進める

漏水は火災保険の水漏れ補償が使える場合があります。修理の前に必ず記録を残してください。

建物・内装に関する設備

屋上防水

膨れや割れが出たら進行しています。太陽光を載せるなら、この改修と同時が有利です。

依頼先:防水業者/大規模修繕会社/更新周期:10〜15年/費用:部分補修25万〜80万円/全面500万〜3,000万円

外壁

シーリングは塗装より劣化が早く、3〜5年で点検、10年前後で打ち替えが目安です。

依頼先:塗装業者/大規模修繕会社/更新周期:12〜18年/費用:部分8万〜60万円/全面800万〜3,000万円

内装(床・クロス)

床は滑り止め・耐薬品・車椅子の耐久性が要ります。居室・廊下・食堂で仕様が変わります。

依頼先:内装業者/更新周期:8〜12年/費用:部分1万〜15万円/1室10万〜40万円

建具(ドア・引戸)

引き戸のソフトクローズと指挟み防止の需要が高くなっています。月1回の巡回でまとめられます。

依頼先:建具業者/工務店/更新周期:随時/費用:調整5,000〜2万円/交換5万〜20万円

手すり

緩みは下地が効いていないことが多くあります。高さ・太さ・連続性に基準があります。

依頼先:内装業者/工務店/更新周期:随時/費用:1万〜5万円/か所

建物と内装は、足場の要否で判断が変わります。足場が必要な外装は、複数の工事を同じ年に寄せたほうが仮設費が1回で済みます。

図5|部位別の更新周期
建具・手すり随時
内装(床・クロス)8〜12年
屋上防水10〜15年
外壁12〜18年

建物の構造・立地・使用状況により前後します。積雪地域は屋根と雨樋、沿岸部は金属部が早く進みます。

建具と手すりには決まった周期がありません。使用の頻度と入居者の状態で変わるためです。月1回の巡回でまとめて調整する運用が効率的です。

防災・法定に関する設備

消防設備

法定点検と報告が義務です。増設・移設では所轄への届出が必要になります。

依頼先:消防設備業者/更新周期:ヘッド20年ほか/費用:点検は法定/更新は規模による

貯水槽

有効容量10立方メートル超は簡易専用水道に該当し、年1回の清掃と検査が義務になります。

依頼先:清掃業者/登録検査機関/更新周期:随時/費用:清掃5万〜20万円/法定検査2万〜5万円

この2つは、修繕というより法定の義務です。期限があるため、長期修繕計画とは別に管理する必要があります。

図6|法定の点検と報告
対象頻度報告先
消防用設備等の点検機器点検6か月・総合点検1年所轄の消防署(特定防火対象物は1年ごと)
簡易専用水道の清掃年1回
簡易専用水道の検査年1回登録検査機関
建築物の定期報告自治体による(1〜3年)特定行政庁
昇降機の定期検査年1回特定行政庁

施設種別と規模により、対象と頻度が異なります。所轄の窓口でご確認ください。

消防設備の増設・移設では、所轄の消防署への届出が必要になります。内装の変更で感知器の位置が変わる場合も対象です。改修の前に確認してください。

修理か、買い替えかの判断

設備ごとに、修理で延命できる期間と、入替が合理的になる時期があります。判断の材料をお伝えします。

図10|買い替えを検討する目安
設備検討に入る年数修理費の目安買い替えのサイン
特殊浴槽7年以上100万円超異音・湯温のブレ・頻繁なエラー停止
給湯器10年以上本体価格の3割超出湯量の低下・エラーの頻発
空調(個別)10年以上本体価格の3割超冷媒漏れの繰り返し・圧縮機の異音
空調(中央)15年以上200万円超系統ごとの不調・熱源機の能力低下
受水槽ポンプ10年以上本体価格の5割超異音・振動・起動不良
エレベーター20年以上部品の生産終了制御盤の部品供給が終わっているか

年数と修理費の両方を見ます。年に2回以上止まっている設備は、年数にかかわらず入替の見積を取る価値があります。

もう一つの判断材料が、部品の供給です。メーカーの部品保有期間を過ぎていると、次に壊れたときに直せません。エレベーターの制御盤や、古い機種の基板で起きやすくなります。

結論年に2回以上止まっている設備は、年数にかかわらず入替の見積を取ってください。

理由故障の間隔が縮んでいるのは、部品全体が寿命に近づいているサインだからです。

具体例ある施設では、特殊浴槽の修理を1年で3回繰り返していました。合計で85万円かかっており、入替を検討したほうが早い状態でした。

まとめ修理を重ねるより、総額で比べてください。

入替を検討する場合

実売価格は定価の7割から8割です。1,000万円級の機種では半額程度になることもあります。撤去と産業廃棄物としての処分に30万円から50万円が別途かかるため、この2つを見積に含めてもらってください。

また、機器の入替では浴室側の改修が必要になることがあります。搬入経路の確保、床の補強、給排水の位置の変更。見積に含まれているかを確認してください。

止まったときの、設備別の代替手段

修理の手配と並行して、当日の代わりを決めてください。復旧を待つ判断が、結果的にいちばん傷が深くなります。

図7|設備別の代替手段
止まった設備当日の代替手配の目安費用の目安
特殊浴槽・給湯訪問入浴、個浴への振替、清拭即日〜翌日1回12,000〜18,000円/人
空調(夏)スポットクーラー、居室の移動即日〜翌日1台1万円前後/日
空調(冬)電気ストーブ、毛布の追加即日購入5,000円〜/台
受水槽・ポンプ給水車、飲料水の確保半日〜1日要見積
厨房機器給食委託業者への一時切替即日〜1日契約による
ナースコール職員の巡回を増やす即日人員の調整
エレベーター1階での対応、通院予定の調整代替不可

訪問入浴とスポットクーラーは、平時に2社の連絡先を控えておくと手配が速くなります。

エレベーターだけは代替がききません。2階以上の入居者の移動手段がなくなるため、食事・入浴・通院の予定を組み替える必要が出ます。

図8|平時に控えておく連絡先

印刷してお使いいただけます。チェックの状態は保存されません。

どこへ連絡すべきか分からないとき

設備の種類が分からない、保守契約があるかも分からない。この状態でも構いません。

図9|判断がつかないときの手順
  1. 写真を撮る全体、症状、銘板の3枚。銘板は側面か背面、操作盤の裏にあります。
  2. LINEで送る文章は不要です。写真だけで機種を特定できることがあります。
  3. 当窓口で振り分ける機種とメーカー、保守契約の有無を確認し、連絡先を判断します。
  4. 手配と代替を同時に進める修理の手配と並行して、当日の代わりもご案内します。

銘板が読めない場合も、写真をお送りください。別の方法で特定します。

ある特養の施設長は、日曜の朝に特殊浴槽が止まったとき、30分かけて過去の請求書をめくっていたそうです。前年に点検に来た会社の名前は覚えていたものの、日曜で電話がつながらなかったためです。

今思えば、そこで先に振り替えを決めるべきでした。

連絡先を探す30分の間、現場は止まったままです。その30分で、当日の入浴をどうするかを決めていれば、その後の負担が変わっていました。

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どこへ連絡すべきか分からない場合、写真を1枚お送りいただければ判断します。

よくある質問

設備が壊れたとき、どこに連絡すればいいですか

設備の種類で分かれます。特殊浴槽とナースコールはメーカー、給湯はガス会社か設備業者、空調はメーカーか空調設備業者、給排水は給排水設備業者です。判断がつかない場合、写真を送っていただければ振り分けます。

保守契約があるか分かりません

契約書を探していただくか、過去の請求書に点検の項目がないかをご確認ください。分からない場合もご連絡ください。メーカーに問い合わせれば、契約の有無が確認できることがあります。

設備の更新周期を教えてください

特殊浴槽7〜10年、給湯器10〜15年、空調は個別方式10〜15年・中央方式15〜20年、給排水管15〜20年、屋上防水10〜15年、外壁12〜18年が目安です。建物の立地と使用状況により前後します。

周期を過ぎていますが、まだ動いています

動いていれば、すぐに更新する必要はありません。判断の目安は、止まったときに代替が効くかどうかです。エレベーターや受水槽のように代替がきかない設備は、周期を過ぎた時点で検討に入る価値があります。

空調が中央方式か個別方式か分かりません

屋上や敷地に大きな熱源機が1台あり、各室に吹出口があるのが中央方式です。各室の外壁に室外機が付いているのが個別方式です。竣工図の空調設備図を見ると系統が分かります。

業者を呼ぶ前に確認できることはありますか

分電盤のブレーカー、室外機の周囲(物が置かれていないか、フィンの詰まり)、フィルターの目詰まり、ドレンの排水口。この4つは施設内で確認でき、これで直ることがあります。

受変電設備は誰に頼めばいいですか

電気工事業者ですが、電気主任技術者の関与が必要な場合があります。保安協会または電気保安法人との契約があるはずなので、まずその契約先にご確認ください。

法定点検の対象になる設備は何ですか

消防用設備等(機器点検6か月・総合点検1年)、簡易専用水道(有効容量10立方メートル超は年1回の清掃と検査)、昇降機(年1回)、建築物の定期報告(自治体により1〜3年)です。施設種別と規模により異なります。

設備が止まったとき、代替手段はありますか

特殊浴槽と給湯は訪問入浴、夏の空調はスポットクーラー、受水槽は給水車、厨房は給食委託業者への一時切替があります。エレベーターだけは代替がききません。

複数の設備が同時に不調です

まとめてご相談ください。現地で確認したうえで、安全・被害の拡大・法令の期限の3つで優先順位をつけてご提案します。予算の上限をお伝えいただければ、その範囲で組み立てます。

まとめ

介護施設の設備は、依頼先が8種類に分かれています。施設側で毎回判断するのは負担なので、窓口でまとめて振り分けます。

周期を過ぎても動いている設備は多くあります。判断の目安は、止まったときに代替が効くかどうかです。

修理の手配と並行して、当日の代わりを決めてください。復旧を待つ判断が、結果的にいちばん傷が深くなります。

設備の不具合のご相談

設備の種類と症状、いつからかをご記入ください。種類が分からない場合も構いません。写真をLINEでお送りいただければ、その場で機種を特定できることがあります。

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    お困りの箇所が複数ある場合も、まとめてお書きください。優先順位からご相談します。