介護施設の給湯器が壊れたときの依頼先は、メーカー(またはその修理窓口)、機器を納めた販売店やガス会社、配管を含めて直す設備業者の3つのどれかです。機器の銘板でメーカーと型番、製造年を確かめ、契約書で保守やリースの相手を確かめると、最初に電話する先が決まります。ガスのにおいがするときは、何より先にガス事業者の緊急の連絡先に電話します。
この記事の結論
- 依頼先は、メーカー・販売店やガス会社・設備業者の3つのどれか
- 最初に見るのは、機器の銘板(メーカー・型番・製造年)
- 保守契約やリースがあれば、その相手が最初の連絡先
- ガスのにおいがするときは、ガス事業者の緊急の連絡先が先
- 壁や床も、材料と施工した業者の記録で頼み先が決まる
依頼先は、3つのどれかです
介護施設の給湯器が壊れたとき、頼む先は大きく3つに分かれます。機器を作ったメーカー(またはメーカーの修理窓口)、機器を納めた販売店やガス会社、配管も含めて直す設備業者です。どこに頼むかで、来てくれる早さ、直せる範囲、かかる費用がそれぞれ変わります。
どこが正しいかは、機器の種類と、施設がどんな契約を結んでいるかで決まります。まず機器の銘板を見て、次に契約書を見る、という2つの順番で確かめると、最初の電話をかける先を間違えずに済みます。
ただし、ガスのにおいがするときは別です。何より先に、ガス事業者の緊急の連絡先に電話し、火気を使わず、換気扇などの電気のスイッチにも触らないようにします。においの確認は、依頼先を考えるより先に行います。
最初に見るのは、銘板です
給湯器の本体には、メーカー名、型番、製造年月、製造番号などが書かれた銘板(ラベル)が貼られています。外に置かれた機器なら側面や前面、屋内の機器なら前のふたの内側などにあることが多いです。
| 項目 | 分かること |
|---|---|
| メーカー名 | メーカーの修理窓口の連絡先 |
| 型番 | 業務用か家庭用か、能力、部品の有無 |
| 製造年月 | 使っている年数、部品の保有期間の目安 |
| 製造番号 | メーカーが機器を特定するときに使う |
| ガスの種類 | 都市ガスかLPガスか(ガス会社の見当) |
銘板は、スマートフォンで写真を撮っておくと、どの依頼先に電話するときにも使えます。メーカーや業者は、型番と製造年が分かると、部品があるか、どのくらいで直せるかの見当をすぐに付けられます。故障してから探すのではなく、平常時に写真を撮って、機器の一覧と一緒に保管しておくと安心です。
古い機器では、銘板が日焼けして読めないこともあります。読めないときは、設置したときの書類や、機器の一覧(台帳)、過去の修理の記録で型番を確かめます。部品の保有期間の考え方は、その日のうちに直るかは、業者の速さより部品で決まりますにまとめています。
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契約書で、決まっていること
銘板の次に見るのは、施設が結んでいる契約です。給湯器には、保守契約が結ばれていたり、ガス会社のリースで使っていたりすることがあります。契約がある場合、その相手が最初の連絡先になるのがふつうです。
| 契約の形 | 最初の連絡先 | 確かめること |
|---|---|---|
| 保守契約がある | 保守契約の会社 | 修理の費用が契約に含まれるか |
| ガス会社のリース・所有 | ガス会社 | 機器の持ち主はどこか |
| メーカーの延長保証 | メーカーの修理窓口 | 保証の期限と対象 |
| 契約がない | 設置した業者か、設備業者 | 過去に誰が工事したか |
とくに注意したいのは、ガス会社が機器を持っている場合です。施設が勝手に別の業者に頼んで修理や交換をすると、契約の上で問題になったり、費用が二重にかかったりすることがあります。機器の持ち主がどこかは、契約書や毎月の請求書で確かめられます。
給湯の方式で、依頼先が変わります
介護施設の給湯の方式は、施設の規模や建てた時期によってさまざまです。方式によって、故障したときに頼む先が変わります。自分の施設がどの方式かを平常時に知っておくと、依頼先を考えやすくなります。
| 方式 | よく見る施設 | 主な依頼先 |
|---|---|---|
| ガス給湯器(1台) | 小規模な施設、グループホーム | メーカー、ガス会社 |
| 業務用給湯器(複数台をつないだもの) | 中規模以上の施設 | メーカー、ガス会社、設備業者 |
| ボイラーと貯湯槽 | 大きな施設、古い施設 | ボイラーの保守会社、設備業者 |
| 電気の給湯機(ヒートポンプ等) | オール電化の施設 | メーカー、電気設備の業者 |
| 中央式(建物全体に配る) | 大きな施設 | 設備業者、保守会社 |
複数台をつないだ業務用給湯器では、1台が止まってもほかの台でお湯が出ることがあります。どの台が止まったか、全体の量が足りているかを確かめてから連絡すると、急ぎの度合いを伝えやすくなります。業務用給湯器の更新の頼み先の比べ方は、業務用給湯器の交換は、どこまで替えるかで頼み先が決まりますにまとめています。
止まったときの、最初の30分
給湯器が止まったとき、最初の30分でしておくことを決めておくと、職員が迷わずに動けます。業者を呼ぶ前に、施設でできる確認と記録があります。
- 安全を確かめるガスのにおい、水漏れ、焦げたにおいがないかを確かめます。異常があれば、ガス事業者や業者に連絡します。
- 止まった範囲を見る全館で出ないのか、一部のフロアか、1台だけかを確かめます。
- エラー表示を書き留めるリモコンに出ている数字と、止まった時刻を書き留め、写真を撮ります。
- リセットを1回だけ試す取扱説明書に沿って、電源を入れ直すなどのリセットを1回だけ試します。
- 入浴の予定を見直す直るまでの入浴を、清拭やほかの系統の利用に切り替えます。
リセットを何度も繰り返すと、機器を傷めたり、安全のための停止を外してしまったりすることがあります。1回試して直らなければ、それ以上は触らずに業者に任せます。休日に止まったときの回し方は、給湯器が壊れて、お湯が出ない。最初に確かめる4つのことにまとめています。
エラー表示は、4つに分けて考えます
給湯器のリモコンに出るエラーの数字は、メーカーや機種によって意味が違います。正確な意味は取扱説明書やメーカーの資料で確かめますが、大まかに4つに分けて考えると、依頼先と急ぎの度合いの見当が付けやすくなります。
| 分け方 | 主な原因の例 | 動き方 |
|---|---|---|
| ① 使い方・一時的なもの | 湯の使いすぎ、一時的な停電のあと | リセットを1回試す |
| ② 燃焼・排気の不具合 | 点火しない、炎が消える、排気の詰まり | メーカーかガス会社に連絡 |
| ③ 水・凍結の不具合 | 水が通らない、凍結、水漏れ | 設備業者かメーカーに連絡 |
| ④ 電気・基板の不具合 | 基板の故障、センサーの故障 | メーカーに連絡。部品の手配が要ることも |
燃焼や排気の不具合は、一酸化炭素が出るおそれもあるため、自分たちで直そうとせず、必ず専門の業者に任せます。排気口の前に物が置かれていないか、雪や落ち葉で塞がれていないかは、平常時にも確かめておきます。
修理か交換かは、年数と部品で決まります
業者が来て原因が分かると、修理するか、交換するかを決めることになります。判断の材料は、使っている年数、部品があるかどうか、これまでの修理の回数とかかった費用の3つです。
| 材料 | 修理に傾く | 交換に傾く |
|---|---|---|
| 使っている年数 | 設置からまだ年数が浅い | 設置から10年前後を超えている |
| 部品 | 部品がすぐ手に入る | 部品の保有期間が過ぎている |
| これまでの修理 | 初めての故障 | 同じ機器で修理が重なっている |
| 止まったときの影響 | 予備の台がある | 1台しかなく、止まると入浴が回らない |
業務用の給湯器は、使い方にもよりますが、設置から10年前後で交換を考え始めることが多い機器です。年数がたった機器で高い修理費がかかるなら、交換の見積もあわせて取って比べます。至急で交換したいときの段取りは、至急で交換したいとき、納期を決めているのは3つですにまとめています。
モデルケース:依頼先を間違えて、1日遅れた施設
モデルケース:定員30名のグループホーム
ガス会社のリースの給湯器を、別の業者に頼んでしまった
変わったこと(結果)
給湯器の銘板と契約を1枚の紙にまとめてから、次に給湯器が止まったときは、夜勤の職員が紙を見てガス会社に電話し、その日の午後に直りました。前の故障のときは、直るまでに丸1日以上かかっていました。
背景と、困っていたこと
前の故障のとき、職員がいつもの設備業者に電話をしました。業者が来て調べたところ、機器はガス会社のリースで、業者が勝手に部品を替えることができないと分かりました。そこからガス会社に連絡し直し、来てもらうまでに1日かかりました。
その後に決めたこと
施設は、給湯器、空調、厨房の主な機器について、銘板の写真、機器の持ち主、契約の相手と連絡先を1枚にまとめ、事務室と夜勤の詰所に置くことにしました。
このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。
壁や床の修繕も、同じ考え方です
給湯器と同じように、壁や床の修繕も、何でできているかと、誰が施工したかの記録があると、頼み先が決めやすくなります。介護施設の壁や床は、車椅子や台車がぶつかる、水がかかる、手すりの取り付けで穴が開く、といった傷み方をします。
| 傷み | 主な頼み先 | 確かめること |
|---|---|---|
| 壁のクロスのはがれ・汚れ | 内装の業者 | クロスの品番、ほかの部屋と合わせるか |
| 腰壁・コーナーの傷 | 内装の業者、工務店 | 保護材を付けるか |
| 壁の穴・下地の傷み | 工務店 | 下地の材料、手すりの下地があるか |
| 床のめくれ・はがれ | 内装の業者 | 床材の品番、張り替えの範囲 |
| 床の沈み・きしみ | 工務店 | 下地の傷み、水漏れの跡がないか |
床が沈む、きしむ、といった症状は、床材だけでなく下地や、床下の配管からの水漏れが原因のこともあります。表面だけを張り替えても直らないことがあるため、まず原因を確かめてから頼む先を決めます。床の張り替えを頼むときの段取りは、床が剥がれた・段差ができた。まず、つまずかない手当てをに、扉や手すりの修理の頼み先はドアや手すりの不具合は、6つの部品のどれかですにまとめています。
壁と床は、材料の記録が役に立ちます
壁や床の修繕で困るのは、同じ材料が見つからないことです。部分的に直すとき、色や柄が合わないと、そこだけ目立ってしまいます。新しく建てたときや、改修したときの材料の品番が分かっていると、同じものか、近いものを選べます。
- 品番を集める竣工図や改修の書類から、壁のクロスと床材の品番を書き出します。
- 場所ごとに分ける居室、廊下、浴室、食堂など、場所ごとに使っている材料をまとめます。
- 予備を残す改修のときに余った材料があれば、場所と品番を書いて保管します。
- 施工した業者を書くどの業者が施工したか、連絡先も一緒に書いておきます。
品番の一覧があると、業者に見積を頼むときにも話が早くなります。同じ材料がもう作られていないときも、業者が近い色や柄を探しやすくなります。
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依頼先の一覧を、1枚にまとめる
給湯器の銘板と契約、壁や床の材料の記録がそろったら、設備と建物の主な部分ごとに、依頼先を1枚の一覧にまとめます。故障したとき、職員がこの1枚を見れば、最初の電話をかける先が分かる形にしておくのが目標です。
| 対象 | 最初の連絡先 | 手元に置くもの |
|---|---|---|
| 給湯器 | 契約の相手、またはメーカー | 銘板の写真、契約書の写し |
| 空調 | 保守の会社、または空調の業者 | 室外機の銘板の写真 |
| 壁・床 | 内装の業者、工務店 | 材料の品番の一覧 |
| 扉・手すり | 工務店、建具の業者 | 部品の写真 |
一覧は、年に一度、電話番号や担当者が変わっていないかを確かめて、確かめた日付を書き入れておきます。機器を交換したり、改修したりしたときも、その都度書き直します。
平常時にしておくこと
平常時にしておくこと
- 給湯器の銘板の写真を撮り、メーカー・型番・製造年を書き出す
- 給湯器の契約(保守・リース・保証)の相手と連絡先を確かめる
- ガスのにおいがしたときの連絡先を、職員が分かる場所に貼る
- 壁のクロスと床材の品番を、場所ごとに一覧にする
- 設備と建物の主な部分ごとに、最初の連絡先を1枚にまとめる
給湯が休日に止まったときの回し方は給湯器が壊れて、お湯が出ない。最初に確かめる4つのこと、業務用給湯器の更新の頼み先は業務用給湯器の交換は、どこまで替えるかで頼み先が決まりますにまとめています。
銘板が読めない、契約の相手が分からない、どこに頼めばよいか決められない、というときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。銘板やエラー表示の写真をお送りいただければ、頼み先の候補をお返しします。
よくある質問
介護施設の給湯器が壊れたら、どこに頼めばよいですか
メーカー(またはその修理窓口)、機器を納めた販売店やガス会社、配管を含めて直す設備業者の3つのどれかです。機器の銘板と、施設の契約書を見ると、最初に連絡する先が決まります。
ガスのにおいがするときは、どうすればよいですか
何より先に、ガス事業者の緊急の連絡先に電話します。火気を使わず、換気扇などの電気のスイッチにも触らず、窓を開けて換気します。
給湯器の銘板は、どこに貼られていますか
屋外の機器なら本体の側面や前面、屋内の機器なら前のふたの内側などにあることが多いです。メーカー名、型番、製造年月、製造番号が書かれています。
ガス会社のリースの給湯器を、別の業者に直してもらえますか
機器の持ち主がガス会社の場合、勝手に別の業者に修理や交換を頼むと、契約の上で問題になることがあります。まずガス会社に連絡します。
エラー表示が出たら、リセットしてよいですか
取扱説明書に沿って、1回だけ試します。何度も繰り返すと、機器を傷めたり、安全のための停止を外してしまったりすることがあるため、直らなければ業者に任せます。
給湯器は、何年で交換を考えますか
業務用の給湯器は、使い方にもよりますが、設置から10年前後で交換を考え始めることが多い機器です。部品の保有期間や修理の回数もあわせて判断します。
修理と交換、どちらがよいか迷っています
使っている年数、部品があるか、これまでの修理の回数と費用、止まったときの影響で判断します。年数がたった機器で修理費が高いなら、交換の見積もあわせて取って比べます。
複数台の給湯器の1台だけが止まりました
ほかの台でお湯が出ているかと、全体の量が足りているかを確かめてから連絡すると、急ぎの度合いを伝えやすくなります。足りない場合は、入浴の時間をずらすなどで回します。
壁や床の修繕は、どこに頼めばよいですか
クロスや床材の張り替えは内装の業者、壁の穴や下地、床の沈みは工務店が主な頼み先です。床の沈みやきしみは、下地や水漏れが原因のこともあるため、原因を確かめてから頼みます。
部分的に直すと、色や柄が合いません
新しく建てたときや改修したときの材料の品番が分かると、同じものか近いものを選べます。竣工図や改修の書類から、場所ごとの品番を書き出しておくと役に立ちます。
手すりの周りの壁が傷んでいます
手すりの取り付けで穴が開いたり、下地が傷んだりしていることがあります。手すりのぐらつきも含めて、工務店か建具の業者に見てもらいます。
依頼先の一覧は、何を書けばよいですか
設備と建物の主な部分ごとに、最初の連絡先、契約の相手、手元に置く書類(銘板の写真、契約書の写し、材料の品番)を書きます。年に一度、連絡先が変わっていないか確かめます。
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