土日祝に来てくれる業者は、止まってから探すと見つかりにくく、費用も高くなりがちです。平日のうちに、止まると困る設備ごとに、休日の連絡先、来られる範囲と到着の目安、割増の金額、部品の手配、保守契約の中身の5つを確かめ、連絡の流れを1枚にまとめておきます。
この記事の結論
- 休日の業者は、止まってから探すより平日に決めておく
- 確かめるのは「連絡先」「到着の目安」「割増」「部品」「保守契約」の5つ
- 連絡の流れを1枚にして、夜勤や休日の職員がすぐ使えるようにする
- 休日の割増は、出張費と作業費に上乗せされることが多い
- 「来週になります」と言われたら、待つ間の回し方を先に決める
なぜ、平日に決めておくのか
介護施設の設備は、土日祝も休まず動いています。給湯も空調もナースコールも、24時間、入居者の方の生活を支えているからです。ところが、修理を頼む業者の多くは、土日祝は休みか、受付だけで、人を出せる数が少なくなります。
休日に止まってから慌てて業者を探すと、いつもの業者は連絡がつかない、ネットで見つけた業者は介護施設に慣れていない、費用の見当がつかない、といったことが重なります。平日のうちに、休日に来てくれる業者を決めておくと、止まったときに迷わず電話でき、費用も前もって分かります。休日の職員の負担も、ぐっと軽くなります。
休日に決めておく業者は、すべての設備で1社ずつでなくても構いません。止まると入居者の方の生活に響く設備から順に、少なくとも1社、できれば2社を決めておきます。まずは1つの設備から始めても十分です。
休日に止まって困るのは、どの設備か
休日の備えは、止まったときに入居者の方への影響が大きい設備から順に考えます。施設によって違いますが、多くの介護施設で休日の備えの優先が高いのは、次の設備です。
| 設備 | 止まると起きること | 急ぎの度合い |
|---|---|---|
| 給湯 | 入浴、清拭、洗面、厨房の洗いもの | 高い(給湯器が壊れて、お湯が出ない。最初に確かめる4つのこと) |
| 空調 | 夏は熱中症、冬は低体温の心配 | 季節によって最も高い |
| ナースコール | 入居者の方の呼び出しが届かない | 高い |
| 給水・排水 | トイレ、入浴、食事が回らない | 高い(水道は指定工事店、空調はフロンの登録で、頼む業者を選びます) |
| 特殊浴槽 | 入浴の予定が組めない | 中くらい。清拭で代わる |
| エレベーター | 上の階の方の移動ができない | 中〜高い |
季節によっても、優先は変わります。夏と冬は空調、冬は給湯と凍結のおそれのある水道管が、とくに大切になります。年末年始やお盆、大型連休の前は、業者の休みも長くなるため、連休に入る前の平日に、止まると困る設備の調子を確かめておくと安心です。
この順に、設備ごとに休日の連絡先を決めていきます。優先の高い設備は、2社目まで決めておくと、1社目が来られないときにも慌てずに済みます。2社目は、1社目と違う会社で、施設から近いところを選ぶのが基本です。
相談・見積は無料|お断り可・理由は不要
設備が止まったら、
写真1枚から相談できます。
休日に来てくれる業者の種類
休日に来てくれる業者には、いくつかの種類があります。それぞれ、休日の受付の仕方と、実際に来られる範囲や早さが違います。
| 業者の種類 | 休日の受付 | 向いていること |
|---|---|---|
| 機器メーカーの修理窓口 | 休日も受付があることが多い。出動は地域による | 機種ごとの専用の部品が要る修理 |
| 保守契約の会社 | 契約の中身による。休日の対応が入っていることも | 契約している機器の故障 |
| 地域の設備業者 | 休日は担当者の携帯につながることも | 給排水、空調、電気の幅広い修理 |
| 24時間の駆けつけの業者 | 休日も受付・出動 | 水まわりや鍵などの応急の修理 |
| 修繕の窓口 | フォームやLINEで受付。手配は業者による | 頼み先が分からないときの切り分けと手配 |
保守契約の会社やメーカーの修理窓口は、休日の受付はしていても、実際に人を出せるのは翌日以降、という場合もあります。受付があることと、その日のうちに来てもらえることは別のことです。受付の電話がつながったら、「今日来られるか」「何時ごろになるか」を、必ず聞いてください。
24時間の駆けつけの業者は、休日でも来てくれる心強さがある一方、介護施設の業務用の機器には慣れていないことや、費用が高くなることもあります。業務用の給湯器や空調、特殊浴槽、ナースコールといった機器は、メーカーの修理窓口か、保守契約の会社、ふだん付き合いのある設備業者を休日の連絡先に決めておくのが基本です。
平日のうちに確かめる、5つのこと
休日の連絡先として業者を決めるときは、平日のうちに、次の5つを確かめておきます。どれも電話一本で聞ける内容ですが、聞いておくかどうかで、休日に止まったときの動きと費用が大きく変わります。
- 休日の連絡先と受付時間休日に電話する番号はどこか、何時から何時まで受け付けているか、留守番電話のときはどうするか。
- 来られる範囲と到着の目安施設まで休日に来られるか、連絡からどのくらいで着くか。
- 休日の割増の金額出張費や作業費に、休日・時間外でいくら上乗せされるか。
- 部品の手配休日に部品を手配できるか、よく使う部品を車に積んでいるか。
- 保守契約の中身保守契約に休日の対応が入っているか、入っていない場合の費用。
聞いた中身は、業者ごとに、聞いた日付と相手の名前と一緒に書き留めておきます。業者の体制は変わることがあるため、年に一度、たとえば保守の点検の日などに、同じことを聞き直しておくと安心です。担当者が替わったときも、聞き直すよい機会です。
休日の割増は、仕組みを知っておく
休日や夜間に業者に来てもらうと、平日の昼より費用が高くなるのがふつうです。多くは、出張費と作業費に、休日・時間外の割増が上乗せされます。部品そのものの代金は、休日でも同じことが多くあります。
| 項目 | 平日の昼 | 休日・時間外 |
|---|---|---|
| 出張費 | ふつうの金額 | 割増が上乗せされることが多い |
| 作業費 | 作業の時間や内容に応じた金額 | 割増が上乗せされることが多い |
| 部品代 | 部品の金額 | 多くは同じ |
| 部品の取り寄せ | 平日に手配 | 休日は手配できず、翌平日になることも |
割増の金額は業者によって違います。平日のうちに聞いておけば、休日に呼ぶか、翌日まで待つかを、費用も考えて決められます。休日に来てもらっても、部品の取り寄せになれば直るのは平日になるため、その場で直る見込みがあるかを電話の段階で聞いておくことが大切です。
休日に見積もなしに作業を始め、あとで高い金額を求められる、という相談も見られます。休日に初めての業者を呼ぶときは、作業の前に、おおよその金額を確かめてから頼むようにします。金額を聞いた職員の名前と時刻も、記録に残しておきます。
休日の連絡の流れを、1枚にする
平日に決めた業者と確かめた中身は、1枚の紙にまとめて、夜勤や休日の職員がすぐに見られる場所に置きます。休日は、ふだん業者とやり取りしている事務長や営繕の担当者がいないことが多いからです。
| 欄 | 書く中身 |
|---|---|
| 設備 | 給湯、空調、ナースコール、給排水など |
| 休日の連絡先 | 1社目と2社目の電話番号、受付時間 |
| 伝えること | 施設名、住所、設備の場所、症状、銘板の写真 |
| 判断する人 | 業者を呼ぶかを決める人の連絡先(施設長・事務長) |
| 費用の目安 | 休日の割増を含めた、おおよその金額 |
紙の内容は、新しく入った職員や、派遣の職員にも分かる言葉で書きます。「給湯器」「ボイラー」など、施設の中で呼び方がそろっていない設備は、置き場所や見た目も書き添えておくと、迷わずに済みます。業者に伝える施設の住所と入口、駐車場所も、紙の上のほうに書いておきます。
業者を呼ぶかどうかを、休日にその場にいる職員だけで決めるのは負担が大きいものです。費用のかかる判断は、施設長か事務長に電話で相談してから決める、と紙に書いておきます。ただし、水が止まらない、電気に危険があるといったときは、まず業者に連絡してよいことにしておきます。
業者が来るまでの、応急の手当て
休日は、業者が来るまでに時間がかかることがあります。その間にできる手当てを、設備ごとに前もって決めておくと、休日の少ない人数の職員でも慌てずに動けます。
| 設備 | 手当て |
|---|---|
| 給湯 | ほかの系統の給湯を使う、入浴を清拭に切り替える |
| 空調 | 室温を測って記録し、扇風機や暖房器具を置く、部屋を移る |
| ナースコール | 見回りの回数を増やす、代わりの呼び出しの機器を置く |
| 給排水 | 止水栓を閉める、使えるトイレを案内する |
| 特殊浴槽 | ほかの浴槽での入浴、清拭に切り替える |
業者が来るまでの間は、止まった時刻、室温、代わりにしたこと、入居者の方の様子を記録しておきます。業者が来たときに症状を正確に伝えられるだけでなく、あとで施設長や本部に報告するときの材料にもなります。夏や冬に空調が止まったときは、室温の記録がとくに大切です。
応急の手当ては、入居者の方の安全を守るためのもので、職員が設備を直すためのものではありません。機器のカバーを開ける、配線を触る、といった作業は、資格のある業者に任せてください。
「来週になります」と言われたら
休日に連絡がついても、「人が出せないので来週になります」「部品の取り寄せで、届くのは週明けです」と言われることがあります。そのときは、まず待つ間の回し方を先に決め、そのうえで、ほかの業者にも聞くかどうかを考えます。
- 待つ間の回し方を決める入浴、空調、給湯などを、代わりの方法で回します。
- 2社目に聞く1枚の紙の2社目に連絡し、早く来られるかを聞きます。
- 見通しを伝える入居者の方とご家族、職員に、いつ頃直る見込みかを伝えます。
- 平日の最初に動く週明けの朝いちばんに、業者と部品の手配を確かめます。
部品待ちで日数がかかるときの考え方はその日のうちに直るかは、業者の速さより部品で決まります、至急で入れ替えたいときは至急で交換したいとき、納期を決めているのは3つですにまとめています。夜間の連絡の受け方と体制の組み方は、夜間の設備トラブル、電話は誰の携帯に鳴っていますかにまとめています。
モデルケース:連休の初日に給湯器が止まった施設
モデルケース:定員50名の介護付有料老人ホーム
連休の初日に給湯器が止まり、1枚の紙で2社目に連絡した
変わったこと(結果)
連休の初日の朝、業務用給湯器の1台が止まりました。夜勤明けの職員が、休日の連絡の流れの紙を見て1社目に電話すると、出動は連休明けになるとの返事でした。紙に書いてあった2社目の設備業者に電話すると、その日の午後に来てくれ、部品を車に積んでいたため、その日のうちに直りました。
背景と、困っていたこと
この施設では、前の年の年末に空調が止まり、いつもの業者に連絡がつかず、職員がネットで探した業者に高い費用を払ったことがありました。その反省から、事務長が平日のうちに業者に5つのことを確かめ、設備ごとに2社ずつ書いた紙をつくっていました。
その後に決めたこと
施設は、紙を夜勤の詰所と事務室に貼り、年に一度、保守の点検の日に業者の体制を聞き直すことにしました。
このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。
相談・見積は無料|同じ条件で最大3社
このお問い合わせ1本で、
最大3社の見積がそろいます。
保守契約に、休日の対応を入れる
止まると困る設備の保守契約に、休日の対応を入れておく方法もあります。保守契約の中身は会社によって大きく違い、休日の出動が含まれているもの、休日は別の費用になるもの、休日は受付だけのもの、と分かれます。
| 項目 | 確かめる中身 |
|---|---|
| 休日の受付 | 受付の時間と連絡先 |
| 休日の出動 | 契約に含まれるか、別の費用か |
| 到着の目安 | 連絡からどのくらいで来られるか |
| 部品の扱い | 部品代は契約に含まれるか、休日に手配できるか |
休日の出動が契約に含まれていても、到着までの時間が決められていないこともあります。「休日も対応」とだけ書かれた契約は、実際にどのくらいで来られるのかを、契約の前に聞いておきます。
保守契約に休日の対応を入れると、月々の費用は上がりますが、休日に止まったときの費用と手間が読みやすくなります。設備の台数や年数、止まったときの影響を考えて、どの設備に休日の対応を入れるかを決めます。特殊浴槽の保守契約の考え方は、特殊浴槽の点検の回数は、使う回数と台数と年数で決めますにまとめています。
平日のうちに、しておくこと
平日のうちにしておくこと
- 止まると困る設備を、影響の大きい順に並べる
- 設備ごとに、休日の連絡先を1社目・2社目まで決める
- 業者ごとに5つ(連絡先・到着の目安・割増・部品・保守契約)を確かめる
- 1枚の紙にまとめ、夜勤や休日の職員が見られる場所に置く
- 業者を呼ぶかを決める人と、その連絡先を紙に書く
- 年に一度、業者の体制を聞き直す
給湯が休日に止まったときの回し方は給湯器が壊れて、お湯が出ない。最初に確かめる4つのこと、水道のトラブルの頼み先は水道は指定工事店、空調はフロンの登録で、頼む業者を選びますにまとめています。
休日の備えは、平日の30分ほどで形にできます。どこに頼めばよいか分からない設備がある、2社目が見つからない、といったときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。設備と地域に合わせて、頼み先の候補をお返しします。
よくある質問
土日祝に設備が壊れたら、どこに電話すればよいですか
平日のうちに決めておいた休日の連絡先に電話します。決めていない場合は、機器のメーカーの修理窓口、保守契約の会社、ふだん付き合いのある設備業者の順に連絡してみてください。
休日の修理は、どのくらい高くなりますか
多くは、出張費と作業費に休日・時間外の割増が上乗せされます。部品代は同じことが多くあります。金額は業者によって違うため、平日のうちに聞いておきます。
休日に業者を呼んでも、直らないことはありますか
部品の取り寄せが要るときは、休日に来てもらっても直るのは平日になることがあります。電話の段階で、その場で直る見込みがあるかを聞いておくと判断しやすくなります。
ネットで見つけた業者を休日に呼んでも大丈夫ですか
休日に初めての業者を呼ぶときは、作業の前におおよその金額を確かめてから頼みます。見積なしに作業を始め、あとで高い金額を求められる相談も見られます。
平日のうちに、業者に何を確かめればよいですか
休日の連絡先と受付時間、来られる範囲と到着の目安、休日の割増の金額、部品の手配、保守契約の中身の5つです。
休日の連絡先は、何社決めておけばよいですか
止まると困る設備は、1社目と2社目の2社を決めておくと安心です。1社目が来られないときに、すぐ2社目に連絡できます。
休日の連絡の流れは、どこに置けばよいですか
夜勤や休日の職員がすぐに見られる場所、たとえば夜勤の詰所と事務室に貼っておきます。休日は、ふだん業者とやり取りする人がいないことが多いからです。
業者を呼ぶかどうかは、誰が決めますか
費用のかかる判断は、施設長か事務長に電話で相談してから決める、と決めておく施設が多くあります。水が止まらない、電気に危険があるといったときは、まず業者に連絡してよいことにしておきます。
「来週になります」と言われました
待つ間の回し方を先に決め、2社目に早く来られるかを聞きます。入居者の方とご家族、職員に見通しを伝え、週明けの朝いちばんに業者と部品の手配を確かめます。
保守契約に、休日の対応を入れられますか
保守契約の中身は会社によって違い、休日の出動が含まれるもの、別の費用になるもの、受付だけのものがあります。契約の前に確かめ、止まると困る設備に入れるかを考えます。
休日の給湯が止まったら、入浴はどうすればよいですか
ほかの系統の給湯を使う、入浴を清拭に切り替える、といった形で回します。仮設の給湯器を借りられることもあります。
夜間の設備トラブルも、同じように備えられますか
考え方は同じですが、夜間は連絡の受け方と、誰が判断するかの決め方がより大切になります。夜間の体制の組み方は別の記事にまとめています。
あわせて読みたい記事
- 給湯器が壊れて、お湯が出ない。最初に確かめる4つのこと介護施設の給湯器が壊れてお湯が出ないときに、最初に確かめる4つ(ガス・電源・給水・エラー)、業務用給湯器の連絡先、休日や夜間の動き方、お湯が使えない間の入浴と衛生、修理か交換かの決め方をまとめました。
- その日のうちに直るかは、業者の速さより部品で決まります介護施設の設備が故障したとき、その日のうちに直るかを決める部品の在庫と保有期間、業者に聞く3つの質問、銘板で確かめること、待つ間の設備ごとの回し方、修理を待つか入れ替えるかの考え方をまとめました。
- 至急で交換したいとき、納期を決めているのは3つです介護施設で給湯器や空調、特殊浴槽を至急で交換したいとき、納期を決める3つ(機器の在庫・工事の日程・施設の決裁)、仮設の機器で本設までつなぐ方法、緊急時の決裁と契約の考え方、交換の当日の流れをまとめました。
- 夜間の設備トラブル、電話は誰の携帯に鳴っていますか介護施設の夜間の設備トラブルで、事務長や施設長の携帯に電話が集まる形を変える方法をまとめました。
- 水道は指定工事店、空調はフロンの登録で、頼む業者を選びます介護施設の水道トラブルは、水道局が指定した工事店に頼むのが基本です。
- 特殊浴槽の点検の回数は、使う回数と台数と年数で決めます介護施設の特殊浴槽の保守契約は、使う回数と台数、年数で点検の回数を決めます。
設備が止まったときの全体の手順は設備が止まった方へ、頼み先の一覧は設備別の頼み先、ご相談の流れはご相談の流れにまとめています。