給食や清掃は外注するのに営繕が施設に残るのは、3つの理由からです。①給食は食数、清掃は面積と回数で仕事の量が先に決まりますが、営繕は故障がいつ・どこで・何件出るかが読めません。②給排水・電気・空調・建具と分野が分かれ、資格や登録も違うので、1社で終わりません。③事務長や介護職員の兼務の中にあり、仕事として書き出されていません。外に出すときは、清掃委託の仕様書と同じ並びで書きます。量の読める仕事(巡回・受付・記録)は回数と時間で、読めない修理は単価と承認の金額で書きます。そのうえで年1回の評価の場を決め、受付から段階的に移します。
この記事の結論
- 給食と清掃は量が先に決まるので、仕様書に書いて外に出せた
- 営繕が残る理由は、量が読めない・分野が分かれる・仕事として書き出されていない、の3つ
- 清掃委託の仕様書の並び(場所・回数・時間・報告・確かめる担当)は、営繕にも使える
- 件数の読めない修理は、単価と承認の金額の線で書く
- 年1回の評価の場を決め、受付と記録から段階的に移す
営繕が施設に残るのには、3つの理由があります
給食や清掃を外の会社に任せている施設でも、営繕は施設の中に残っていることがよくあります。営繕だけが外に出ないのは、担当者の好みや慣れのせいではありません。営繕の仕事そのものに、外に出しにくい3つの性質があるからです。
| 理由 | 給食・清掃では | 営繕では | 外に出すときの手当て |
|---|---|---|---|
| 1. 量と時期が読めない | 食数や、面積と回数で、量が先に決まる | 故障がいつ・どこで・何件出るかが読めない | 量の読める仕事と、読めない修理を分けて書く |
| 2. 分野が分かれ、1社で終わらない | 1つの会社が、厨房や館内で仕事を終えられる | 給排水・電気・空調・建具などに分かれ、資格や登録も別 | 受付と手配を1か所にまとめ、施工は分野ごとに頼む |
| 3. 仕事として書き出されていない | 作業の表があり、確かめる職員も決まっている | 事務長や職員の兼務の中にあり、件数も時間も記録がない | 1年分の修理の記録から、件数と時間を書き出す |
1つ目の理由は、仕事の量です。給食は定員と1日3食で、清掃は面積と回数で、1年分の仕事の量を前もって数えられます。営繕は、ある月には水漏れが5件続き、次の月は1件もない、ということが起きます。量が読めないと、外の会社は月ごとの料金を決めにくく、施設も何にいくら払うのかを決めにくくなります。
2つ目の理由は、分野の広さです。蛇口の修理は水道、照明は電気、エアコンは空調と、頼む先が分かれます。電気の工事には電気工事士の資格、水道の工事には水道局の指定、と資格や登録も分野ごとに違います。1社に任せても、その会社がさらに分野ごとの会社に頼むことになり、外に出したのに電話の数が減らない、ということが起きます。
分野ごとに頼み先を探す手間は、事務長の時間を大きく取ります。特殊浴槽の不具合で窓口をお使いになった事務長からは、次の声をいただいています。
何より助かったのは、私自身が一から業者を探して何社にも電話をする必要がなかったことです。
ご利用者の声 東京都内・介護施設/事務長
取材にもとづき掲載しています(施設名は非公開)。内容はご本人の申告によるもので、個人の感想です。
3つ目の理由は、仕事として書き出されていないことです。給食や清掃には、担当の部署と作業の表があります。営繕は、事務長が電話を受け、介護職員が業者を案内し、施設長が費用を決める、というように、何人もの兼務の中に散らばっています。1年に何件の修理があり、誰が何時間使ったのかが分からないままでは、外に任せる範囲を書けません。誰が何時間使っているかの測り方は営繕担当者が足りないときは、増やす前に時間を測りますにまとめています。
給食と清掃は、量と基準が先に決まる仕事です
給食と清掃が外に出しやすいのは、仕事の量と仕上がりの基準を、契約の前に書けるからです。何を、どれだけ、いつ、どの出来ばえで行うかが紙に書ければ、外の会社は料金を出せますし、施設はできたかどうかを確かめられます。営繕と並べてみると、違いがはっきりします。
| 物差し | 給食 | 清掃 | 営繕 |
|---|---|---|---|
| 量の決まり方 | 定員と1日3食で決まる | 面積と回数で決まる | 故障の件数で、あとから決まる |
| 時間帯 | 毎日、決まった時刻 | 毎日、決まった時間の枠 | 故障しだいで、夜間や休日もある |
| 仕上がりの基準 | 献立と衛生の決まり | 場所ごとの仕上がり | 工事ごとに違う |
| 受け持つ会社 | 1社 | 1社 | 分野ごとに別の会社 |
| 施設に残ること | 献立の確かめと、最終の責任 | 仕上がりの確かめ | 気づくこと、判断、費用の承認 |
外に任せても、施設の責任がなくなるわけではありません。給食を委託していても、食事の事故が起きたときの最終的な責任は施設にあると、自治体の指導の資料でも説明されています。そのため施設の栄養士が、委託先の献立や衛生の決まりを確かめています。営繕も同じで、外に任せるのは作業と手配です。建物の責任と費用の判断は、施設に残ります。
ここで目を向けたいのは、給食や清掃の委託で、施設がすでに「外に任せて、施設が確かめる」形を持っていることです。仕様書、日々の記録、月ごとの報告、確かめる担当、定期の評価。この形は、営繕の外注にもそのまま持ち込めます。
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営繕の仕事にも、回数で書ける部分があります
営繕は量が読めない、と言っても、営繕の仕事のすべてが読めないわけではありません。巡回の点検や修理の受付、記録と報告は、月に何回、何時間と前もって数えられます。読めないのは、故障の修理そのものです。分けてみると、仕様書に書ける部分が思ったより多いことが分かります。
| 仕事 | 回数や時間で書けるか | 仕様書での書き方 |
|---|---|---|
| 巡回の点検 | 書ける(月に何回) | 回数・1回の時間・見る場所の一覧 |
| 修理の受付 | 書ける(受付の時間) | 受付の時間と方法、受付簿の様式 |
| 記録と報告 | 書ける(毎月) | 報告の頻度と様式 |
| 法定点検の立ち会い | 書ける(年の予定) | 点検の種類と、立ち会う日の数 |
| 設備の更新 | 計画で書ける(年に数件) | 計画の下書きまでを任せ、工事は見積で |
| 小さな修理 | 件数は書けない | 単価表と、1件の上限の金額 |
| 急ぎの故障 | 書けない | 連絡の順番と、着くまでの目安 |
量の読める仕事は、清掃の仕様書と同じように回数と時間で書けます。読めない修理は、回数の代わりに「1件いくらで、いくらまでなら施設に聞かずに直してよいか」を書きます。料金の決め方を、読める仕事と読めない修理で分けるのです。定額にできる範囲とできない範囲の考え方は営繕の定額契約は、読める仕事だけを定額にしますにまとめています。
自分の施設の1年分の修理の記録を、この表の7つに振り分けてみると、外に出せる仕事の量が見えてきます。記録が残っていない場合は、過去の請求書を12か月分さかのぼり、件数と分野だけでも書き出します。
委託と請負は、約束しているものが違います
給食や清掃の委託と、修理の工事では、契約で約束しているものが違います。民法では、請負は仕事を完成させることを約束する契約です。委任や準委任は、事務や作業を行うことを約束する契約です。給食や清掃の委託は、決まった作業を続けて行うことに払う形が多く、修理の工事は、直すという結果に払う形です。
- 受付・巡回・記録は、委託の形決まった作業を、決まった回数行うことに払います。量が読めるので、月ごとの料金にしやすい仕事です。
- 修理は、請負の形直すという結果に払います。工事ごとに見積を取り、仕上がりと保証を確かめます。
- 営繕の外注は、2つが混ざる1つの契約の中に、委託の部分と、工事の請負の部分が入ることが多くなります。
営繕を外に出すときは、契約書のどこが委託で、どこが工事なのかを分けて読みます。分けておかないと、巡回の料金に修理も含まれていると思っていた、という行き違いが起きます。修繕管理を外に任せるときの契約の形と、責任の分かれ方は修繕管理の代行は、誰の名前で発注するかで責任が変わりますに書いています。
ほかの委託で使っている形は、営繕にも持ち込めます
給食や清掃の委託を続けてきた施設は、外に任せた仕事を確かめる道具を、すでにいくつも持っています。営繕の外注を一から考えるより、今ある道具を営繕に置き換えるほうが早く、職員も慣れた形で動けます。
| 形 | 給食・清掃の委託での例 | 営繕での使い方 |
|---|---|---|
| 仕様書 | 献立の基準、場所ごとの清掃の回数 | 巡回の回数、受付の時間、報告の様式 |
| 日々の記録 | 作業日誌、検食の記録 | 修理の受付簿と、作業の前後の写真 |
| 月ごとの報告 | 月報、業務の完了の通知 | 修理の一覧と、分野ごとの費用 |
| 確かめる担当 | 栄養士、清掃の仕上がりを見る職員 | 事務長か指名した職員と、その代わりの人 |
| 定期の評価 | 嗜好の調べ、仕上がりの点検 | 年1回の評価の会議 |
| 切り替えの期間 | 新しい会社への引き継ぎの期間 | いつもの業者を残したまま、受付から試す |
6つの中で、営繕にいちばん欠けやすいのは「確かめる担当」です。給食には栄養士がいて、清掃には仕上がりを見る職員がいます。営繕では、外に任せたとたんに誰も確かめなくなることがあります。外に任せる前に、確かめる担当とその代わりの人の名前を、仕様書に書いておきます。
外注にはデメリットもあります。手数料がかかる、建物の知識が外に集まる、職員の気づきが減る、といったことです。どれも契約の前に手を打てることで、その打ち方は営繕は外注してかまいません。デメリットは契約の前に手を打てますにまとめています。
清掃委託の仕様書を、営繕の仕様書の下敷きにします
営繕の仕様書を一から書くのは大変です。そこで、手元にある清掃の委託の仕様書を開きます。国の庁舎の清掃の仕様書の例を見ると、国土交通省が監修した建築保全業務共通仕様書に沿って作られています。中には、場所と回数の表、作業の時間、報告、確かめる担当、受託者の責任が並んでいます。施設の清掃の仕様書にも、同じような項目があるかを見てみます。この並びに、営繕の中身を入れていきます。
| 清掃の仕様書の項目 | 営繕の仕様書に書くこと(例) |
|---|---|
| 履行の場所 | 対象の建物と設備の一覧。保守の契約がある設備は外す |
| 業務の種類 | 受付・巡回・小さな修理・手配・記録のうち、任せるもの |
| 作業の内容と周期 | 巡回は月2回・1回3時間。見る場所の一覧を付ける |
| 作業の時間 | 受付は平日9時〜17時。作業は食事と入浴の時間を避ける |
| 報告 | 作業ごとに写真付きの記録、月ごとに修理の一覧と費用 |
| 確かめる担当 | 施設の確かめる担当(事務長)と、その代わりの人 |
| 受託者の責任 | 作業する人の名簿、鍵と個人情報の扱い、損害の賠償 |
清掃の仕様書には、毎日の清掃と、年に数回の床の洗浄のような定期の清掃が、分けて書かれていることがあります。営繕でも、毎月の巡回と受付は「日々の仕事」、法定点検の立ち会いや更新の計画は「定期の仕事」と分けると、読みやすくなります。
清掃と営繕で違うのは、修理の部分です。清掃の仕様書には、回数で書けない仕事はほとんどありません。営繕の仕様書では、次の節のように、修理を単価と承認の金額で書く欄を足します。清掃の委託費の決まり方と、施設管理の契約に修理が含まれているかの読み方はビルメンテナンスの委託費と、修理の費用は分けて見ますで書いています。
件数の読めない修理は、単価と承認の金額で書きます
修理は、件数が読めないので、回数では書けません。代わりに、1件ごとの値段の決め方と、施設に聞かずに直してよい上限を書きます。こうしておくと、外の会社は小さな修理をその場で直せ、施設は大きな出費だけを判断できます。
| 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|
| 単価 | 出張1回の費用、1時間あたりの作業の費用、部品は実費 |
| 承認の金額 | 1件3万円までは事後の報告でよく、超えるときは見積を出して承認を取る |
| 急ぎの区分 | 当日・3日以内・次の巡回の3つに分け、それぞれ着くまでの目安を書く |
| 分野の外の作業 | 資格の要る作業は、手配と立ち会いまでを受け持つ |
| 年の上限 | 修理の合計が年の予算の8割に届いたら、施設と相談する |
承認の金額は、施設の規模と予算で決めます。たとえば、建具の調整や照明の交換(当窓口の目安で5,000円〜3万円)までは事後の報告にします。水漏れの修理(1万5,000円〜8万円)より大きなものは見積を取る、という線の引き方です。線が低すぎると、外に任せた意味が薄れます。高すぎると、思わぬ出費になります。
単価の形には、時間ごと、出来高、定額、実費精算などがあり、形によって見積の読み方が変わります。営繕を外に任せるときの費用の相場と、料金の形ごとの見え方は営繕の外注費は、4つの料金の形で見え方が変わりますにまとめています。
評価の場を、年1回つくります
給食の委託では、嗜好の調べや定期の打合せで、委託先の仕事を見直す場があります。清掃でも、仕上がりの点検や月報で、出来ばえを確かめています。営繕の外注でも、同じように評価の場を決めておきます。目安は、毎月の報告を読むことに加えて、年に1回、数字を並べて話し合う会議を開くことです。
| 見る数字 | 取り方 | 見直しにつなげる例 |
|---|---|---|
| 受付から着手までの日数 | 受付簿の日付から平均を出す | 急ぎの区分の分け方を見直す |
| 着手から完了までの日数 | 完了の報告の日付から出す | 部品の取り寄せが多い分野を分けて頼む |
| 件数と分野 | 月報の一覧を分野ごとに数える | 巡回の回数と見る場所を見直す |
| 単価表との差 | 請求書と単価表を突き合わせる | 単価表を改める |
| 報告の届き方 | 報告が期限に遅れた件数を数える | 報告の期限と様式を書き直す |
| 職員の困りごと | 年1回、職員に5問ほど聞き取る | 受付の方法と連絡の流れを見直す |
評価の会議は、給食や清掃の評価と同じ月に開くと、施設の側の準備が1回で済みます。出る人は、施設の確かめる担当、事務長か施設長、外の会社の担当者です。1時間ほどで、6つの数字と、次の1年で変えることを決めます。
評価の結果は、契約の更新につなげます。数字がよければ任せる範囲を広げ、悪ければ範囲や単価を見直します。評価の場がないまま何年もたつと、外に任せた仕事が見えなくなり、契約の更新が「いつもどおり」で決まってしまいます。
受付と記録から、段階的に移します
給食の委託先を替えるときは、献立や衛生の決まりを引き継ぐ期間を置きます。営繕でも、いっぺんに全部を外に出すより、量の読める仕事から順に移すほうが、行き違いが少なくなります。いつもの業者は残したまま、外に出す範囲を少しずつ広げます。
| 段階 | 外に移す仕事 | 次へ進む目安 |
|---|---|---|
| 1. 最初の3か月 | 受付と記録 | 受付の漏れがなく、月報が期限に届く |
| 2. 4〜6か月目 | 巡回と小さな修理 | 請求が単価表どおりで、着手までの日数が縮む |
| 3. 7か月目から | 分野ごとの手配と、更新の計画の下書き | 評価の会議で、範囲を広げると決める |
| 施設に残す | 気づくこと、判断、費用の承認 | ― |
段階ごとに、次へ進む目安を先に決めておくと、「なんとなく広げる」ことがなくなります。目安に届かないときは、その段階にとどまって、受付の方法や報告の様式を直します。
外注へ移す具体的な手順は、棚卸しから1件の試しまでを12週間で進める形で修繕の外注は、12週間を4つの段に分けて移しますにまとめています。営繕の仕事のうち、外に出せる段階と施設に残る段階の分け方は営繕を丸ごと外注しても、施設に残る仕事がありますで書いています。
外に出したあとに起きやすいことと、防ぎ方
仕様書を作って外に出しても、始めてから出てくるずれがあります。よくあるものは次のとおりです。どれも、仕様書と評価の場を少し直すことで防げます。
| 起きやすいこと | 防ぎ方 |
|---|---|
| 仕様書に書いていない仕事が、施設に戻ってくる | 戻ってきた仕事を3か月分書き留め、次の改定で仕様書に足す |
| 職員が、外の会社を通さずに業者へ直接頼む | 受付の窓口を1つにし、直接頼んでよい場面だけを決めておく |
| 小さな修理の請求が、少しずつ増える | 月報の件数と単価表を、毎月突き合わせる |
| 評価の会議が、報告を聞くだけで終わる | 6つの数字を前もって配り、変えることを1つ決める |
| 外の担当者が替わり、建物の事情が伝わらない | 機器の一覧と修理の記録を、施設のものとして持つ |
施設に戻ってきやすいのは、法定点検の立ち会い、鍵の開け閉め、入居者の方やご家族への説明です。こうした仕事は、仕様書に「施設が行う」と書いておけば、戻ってきたとは感じません。誰が行うかが書かれていない仕事が、あとで行き違いのもとになります。
建物の知識が外の担当者だけに集まらないよう、業者の連絡先と頼んだ記録は、施設の台帳に残します。台帳の作り方は修理業者を毎回探す手間は、業者台帳で消せますにまとめています。
相談・見積は無料|同じ条件で最大3社
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モデルケース:清掃の仕様書を下敷きに、営繕の受付と巡回を外に出した介護老人保健施設
モデルケース:定員100名の介護老人保健施設
事務長が修理の連絡にかける時間が、月30時間ほどから8時間ほどに
変わったこと(結果)
清掃の委託の仕様書を下敷きに営繕の仕様書を作り、修理の受付と記録、月2回の巡回を外の会社に任せました。半年後、事務長が修理の連絡と業者探しにかける時間は、月30時間ほどから8時間ほどに減りました。修理の受付から作業に入るまでの日数は、平均5日から2日になりました。1年後の評価の会議で数字を確かめ、設備の修理の手配まで任せる範囲を広げました。
背景と、困っていたこと
この老健では、給食と清掃を10年以上前から外の会社に任せていました。営繕は事務長と介護職員の兼務で、修理は年に180件ほど出ていました。法人の会議で「なぜ営繕だけ外に出さないのか」と聞かれ、事務長は答えに詰まりました。以前に一度、営繕を丸ごと任せる見積を取ったものの、月額に何が含まれるのかが分からず、見送っていました。
決めたこと
事務長は清掃の仕様書を開き、同じ並びで営繕の仕様書を書きました。巡回は月2回・1回3時間、受付は平日9時〜17時、夜間は保守の契約先へ、と書きました。修理は単価表にし、1件3万円を超えるものは見積を出して事務長が承認する、と決めました。評価の会議は、給食と清掃の評価と同じ3月に置きました。最初の3か月は受付と記録だけを任せ、いつもの設備業者との付き合いは続けました。
進めてみて分かったこと
迷ったのは、介護職員の「直接頼んだほうが早い」という声でした。職員はリーダーに伝え、リーダーが外の受付に送る流れにしたところ、2か月目から直接頼む電話はほとんどなくなりました。仕様書に書いていなかった法定点検の立ち会いは、初めのうち施設に残りました。1年目の改定で仕様書に足し、立ち会いも任せる範囲に入れました。
このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。
外に出す前に、確かめておくこと
外に出す前に、確かめておくこと
- 給食と清掃の委託の仕様書と、評価の記録を手元にそろえる
- 1年分の修理の件数・分野・時間帯を書き出す
- 量の読める仕事と、読めない修理を分ける
- 修理の単価と、承認の金額の線を決める
- 確かめる担当と、年1回の評価の月を決める
外注か内製かを、資格・件数・金額・急ぎ・知識の5つの条件で分ける考え方は営繕の外注と内製は、5つの条件で分かれますにあります。
営繕のどこまでを外に出せるか、仕様書の書き方で迷う、というときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。受付は24時間で、お電話の受付はありません。業者を探すたびに何社にも電話をしている施設なら、1回のご依頼で最大3社の見積をそろえる使い方もできます。今の頼み方で困っていない施設も、仕様書の形に書き出すだけで、営繕の仕事の量が見えてきます。
よくある質問
給食や清掃は外注しているのに、営繕だけ外注しないのはなぜですか
営繕の仕事に、外に出しにくい3つの性質があるからです。故障の件数や時期が読めないこと、分野が分かれて1社で終わらないこと、兼務の中にあって仕事として書き出されていないことです。量の読める仕事から仕様書に書けば、外に出せます。
営繕の仕事にも、仕様書は作れますか
作れます。巡回・受付・記録など量の読める仕事は、回数と時間で書けます。件数の読めない修理は、単価と、施設に聞かずに直してよい金額の上限で書きます。
清掃委託の仕様書を、営繕の外注に流用できますか
並びはそのまま使えます。場所、業務の種類と回数、作業の時間、報告、確かめる担当、受託者の責任の順に、営繕の中身を入れます。清掃にはない、修理の単価と承認の金額の欄だけを足します。
件数の読めない修理は、委託の契約にどう書けばよいですか
回数の代わりに、1件ごとの値段の決め方と、承認の金額の線を書きます。出張1回の費用、1時間あたりの作業の費用、部品は実費とし、一定の金額を超えるときは見積を出して承認を取る、という形です。
営繕の外注は、委託契約と工事の請負契約のどちらになりますか
多くは2つが混ざります。受付・巡回・記録は作業を行うことに払う委託の形で、修理の工事は直すという結果に払う請負の形です。契約書のどこが委託で、どこが工事かを分けて読みます。
営繕の委託先は、どのくらいの間隔で評価すればよいですか
毎月の報告を読むことに加えて、年に1回、数字を並べて話し合う会議を開くのが目安です。給食や清掃の評価と同じ月にすると、施設の準備が1回で済みます。
営繕の委託先を評価するとき、何の数字を見ればよいですか
受付から着手までの日数、完了までの日数、件数と分野、単価表との差、報告の届き方、職員の困りごとの6つです。前の年と比べ、次の1年で変えることを1つ決めます。
営繕を外に出しても、施設に責任は残りますか
残ります。外に任せるのは作業と手配で、建物の責任と費用の判断は施設が持ちます。給食を委託していても、食事の最終的な責任が施設にあるのと同じ考え方です。
給食の委託先を替えたときの経験は、営繕の外注に生かせますか
生かせます。引き継ぎの期間を置く、仕様書を先に渡す、確かめる担当を決める、という進め方は営繕でも同じです。いつもの業者を残したまま、受付から試すと行き違いが減ります。
営繕の外注は、どの仕事から始めればよいですか
量の読める受付と記録から始めます。3か月ほどで受付の漏れがなくなり、報告が期限に届くようになったら、巡回と小さな修理へ広げます。
法人の本部に営繕の外注を提案するとき、何を示せばよいですか
1年分の修理の件数と分野、職員がかけている時間、外に出す仕事と施設に残す仕事の線、評価の方法の4つを示します。給食や清掃の委託と同じ形で確かめられることを添えると、伝わりやすくなります。
営繕を外に出すと、今の業者との付き合いはなくなりますか
なくす必要はありません。最初は受付と記録だけを外に出し、修理はいつもの業者に頼み続ける形もとれます。外の会社が手配する先に、今の業者を入れてもらうこともできます。
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