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法定点検

12条点検は4つに分かれ、
防火設備の検査は別に受けます

建物の定期報告のお知らせが届いたものの、何を誰に頼めばよいのか分からない。エレベーターの検査は毎年受けているのに、防火設備の検査は聞いたことがない。介護施設の12条点検では、こうした抜けが起きがちです。この記事では、4つの区分の頻度と資格者、介護施設が対象になる条件、受け忘れやすい防火設備の検査、お知らせが届いてからの段取りをまとめます。

構成:介護施設 修繕の窓口監修:鈴木貴行(介護施設営繕・修繕専門家)更新:読む時間:約19分

この記事が答える質問介護施設の12条点検とは?防火設備の検査も受けなければいけない?

介護施設の12条点検(建築基準法第12条の定期報告)は、建物の調査、建築設備の検査、防火設備の検査、昇降機の検査の4つに分かれます。建物の調査は特定行政庁が決めた周期(3年ごとや毎年)で、3つの検査は毎年の報告が一般的です。特養や有料老人ホームのように高齢の方が泊まる施設は、その用途が3階以上にある、2階のその用途が300㎡以上などで建物の調査の対象になります。防火設備は、その用途の床面積が200㎡を超えると検査の対象です。防火設備の検査は平成28年に独立した区分になったため、受け忘れが起きやすい所です。

この記事の結論

  1. 12条点検は、建物・建築設備・防火設備・昇降機の4つに分かれる
  2. 建物の調査の周期は自治体が決める(3年ごとや毎年)。3つの検査は毎年が一般的
  3. 高齢の方が泊まる施設は、階と床面積で建物の調査の対象になる
  4. 防火設備は、その用途の床面積が200㎡を超えると検査の対象になる
  5. 消防設備の点検とは法律も報告先も別。4つの期限を1枚の表にする

12条点検は、建物・建築設備・防火設備・昇降機の4つです

12条点検は、建築基準法第12条にもとづく建物の定期報告のことです。資格を持つ人が建物や設備を調べ、その結果を特定行政庁(都道府県か、建築主事を置く市など)に報告します。中身は4つの区分に分かれていて、区分ごとに見るもの、周期、資格者が違います。

12条点検の4つの区分
区分見るもの報告の周期調査・検査をする人
建物の調査敷地、外壁、屋上、避難の通り道、防火区画など特定行政庁が決める(3年ごとや毎年)一級・二級建築士、特定建築物調査員
建築設備の検査機械の換気、排煙の設備、非常用の照明など毎年が一般的一級・二級建築士、建築設備検査員
防火設備の検査火災のときに閉まる防火扉や防火シャッターなど毎年が一般的一級・二級建築士、防火設備検査員
昇降機の検査エレベーター、小荷物専用昇降機など毎年が一般的一級・二級建築士、昇降機等検査員
4つは別々に調べて報告し、資格者も周期も違う。12条点検の4つの区分建物の調査外壁・避難・防火区画建築設備の検査換気・排煙・非常照明防火設備の検査感知器で閉まる扉など昇降機の検査エレベーターなど
図1 4つは別々に調べて報告し、資格者も周期も違う。

4つは、同じ建物でも別々に調査・検査をして、別々に報告します。1社にまとめて頼めることもあります。ただ、エレベーターは保守の会社、防火設備は防火設備の会社と、頼み先が分かれていることもあります。

報告書の受付を、特定行政庁の代わりに指定の機関が行っている地域もあります。お知らせがどこから届いたかを見ておくと、問い合わせ先がすぐに分かります。

防火設備の検査は、平成28年から独立した検査です

平成28年6月から、防火設備は独立した検査の区分になり、防火設備検査員という資格もできました。それより前に開設した施設では、建物の調査とエレベーターの検査だけを続けていて、防火設備の検査が抜けていることがあります。

検査の対象は、ふだんは開いていて、火災のときに感知器の信号などで閉まる設備です。防火扉、防火シャッター、耐火クロススクリーン、ドレンチャーなどが当たります。ダクトの中で閉まる防火ダンパーは、この検査からは外れます。

防火設備の検査で見るもの
防火設備介護施設での例検査の区分
感知器で閉まる防火扉廊下の途中や階段の入口で、ふだんは開いている扉防火設備の検査
防火シャッター階段やエレベーターの前、厨房の受け渡し口防火設備の検査
耐火クロススクリーン布のような幕が下りてくる防火の仕切り防火設備の検査
ドレンチャー水の幕で火が広がるのを防ぐ設備防火設備の検査
常に閉まっている防火戸階段室の重い扉で、ふだんから閉めておくもの建物の調査で見る
防火ダンパーダクトの中で、火の熱で閉まる板防火設備の検査の対象外

対象になる建物は、まず、建物の調査の対象の建物です。病院や有床診療所、高齢の方などが泊まる施設(就寝用福祉施設)も、その用途の床面積が200㎡を超えると対象です。建物の調査より小さい建物まで対象になるため、建物の調査は要らない施設でも、防火設備の検査だけは要ることがあります。

ふだん開いていて火災のときに閉まる扉やシャッターが、防火設備の検査の対象。防火戸の2つの種類と、見る検査常に閉まっている扉感知器で閉まる扉ふだんから閉めておく建物の調査で見るふだんは開いている防火設備の検査で見る扉の前に物を置くと、どちらも閉まらない
図2 ふだん開いていて火災のときに閉まる扉やシャッターが、防火設備の検査の対象。

検査では、実際に扉やシャッターを閉めます。きちんと閉まるか、感知器と連動して動くか、部品に傷みがないかを確かめます。

相談・見積は無料|お断り可・理由は不要

介護施設が対象になるかは、用途と規模と自治体で決まります

建物の調査の対象になるかは、建物の用途と規模で決まります。国の基準では、病院、有床診療所、高齢の方などが泊まる施設は、次の場合に対象になります。その用途の部分(100㎡を超えるもの)が3階以上か地階にある場合と、2階のその用途の床面積が300㎡以上の場合です。

建物の調査の対象でなくても、防火設備の検査だけ要ることがある。建物の調査の対象になるか(国の基準)泊まる用途が3階以上・地階にあるか2階のその用途が300㎡以上かどれかに当たる建物の調査の対象(周期は自治体が決める)どれにも当たらない国の基準では対象外(自治体の上乗せを確かめる)
図3 建物の調査の対象でなくても、防火設備の検査だけ要ることがある。
高齢の方が泊まる施設が、対象になる主な条件(国の基準)
区分対象になる主な条件
建物の調査その用途の部分(100㎡を超えるもの)が3階以上か地階にある。または、2階のその用途の床面積が300㎡以上
防火設備の検査建物の調査の対象の建物。または、その用途の床面積が200㎡を超える建物
建築設備の検査建物の調査の対象の建物にある、機械の換気・排煙・非常用の照明など
昇降機の検査エレベーターなど。小荷物専用昇降機の扱いは自治体で違う

泊まる施設には、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホームが入ります。ショートステイ(小規模多機能型居宅介護などを含む)や、宿泊サービスのあるデイサービスも入ります。グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、介護老人保健施設の扱いは、特定行政庁の資料で確かめます。

自治体によって違うところもあります。たとえば建物の調査の周期は、3年ごとの自治体(福井市など)もあれば、毎年の自治体(鎌倉市など)もあります。国の基準より対象を広げている自治体もあるため、最後は施設のある特定行政庁の資料で確かめます。

消防設備の点検とは、法律も報告先も別です

12条点検は、消防設備の点検と混同されやすい点検です。どちらも火災に備える点検ですが、もとになる法律も、見るものも、報告先も違います。

12条点検と、ほかの法定の点検の違い
点検法律見るもの周期と結果の出し先
12条点検建築基準法建物、建築設備、防火設備、昇降機区分ごとに毎年〜3年ごと。特定行政庁に報告
消防設備の点検消防法消火器、火災報知器、スプリンクラー、誘導灯など機器点検6か月・総合点検1年。所轄の消防署に報告
受水槽の検査水道法(有効容量10㎥を超えるもの)受水槽の管理の状態と、給水栓の水1年以内ごとに1回。結果の扱いは自治体で確かめる

迷いやすいのは、非常用の照明と誘導灯です。見た目は似ていますが、もとの法律が違います。非常用の照明は建築基準法の設備で、12条の建築設備の検査で見ます。誘導灯は消防法の設備で、消防設備の点検で見ます。防火扉を閉める感知器と、火災報知器の感知器も、別の系統になっていることがあります。どの機器をどちらの点検で見るのかを、それぞれの会社に確かめておきます。

消防設備の点検の頻度と報告の決まりは消防設備の点検は年2回、消防署への報告は年1回ですにまとめています。受水槽の清掃と検査の決まりは受水槽は有効容量10㎥を超えると、清掃と検査が1年以内ごとの義務ですにあります。

建物の調査では、外壁と避難の通り道を見ます

建物の調査では、敷地から屋上まで、建物の傷みと、火災のときに逃げられるかを見ます。介護施設では、日々の暮らしの中で置いた物が、避難の通り道や防火戸の前をふさいでいないかが、よく見られる所です。

建物の調査で見る主な所
見る所介護施設で見られやすいこと
敷地と地盤擁壁のひび、地盤の沈み、避難の通路の物
外壁タイルやモルタルの浮きやはがれ、ひび、窓まわりの傷み
屋上と屋根防水の傷み、手すりや設備の架台のさび
建物の中防火区画の壁や床の穴、天井の傷み、常に閉まっている防火戸の状態
避難の施設廊下や階段の物、非常口の扉の開け閉め

外壁がタイル張り(湿式)、石張り(湿式)、モルタルの建物には、外壁の全面を調べる決まりがあります。竣工や外壁の改修、前回の全面の調査から10年を超えて、最初の調査のときです。足場などを使ってテストハンマーでたたく方法のほか、赤外線で調べる方法(ドローンを使うものを含む)などがあります。歩行者の安全を守る手当てをしている場合や、外壁の改修が近いうちに確実に予定されている場合は、見送れることがあります。

全面の調査は、足場や機材の費用がかかります。開設から10年を過ぎた施設は、次の調査で全面の調査が要るかを、調査をする人に早めに確かめます。外壁の改修や大規模修繕の時期と合わせられれば、足場を一度で済ませられます。外壁の目地のシーリングの傷みと直し方はシーリングの劣化は4段階。段階で、直し方と急ぎ方が変わりますにまとめています。外壁の塗装と補修の費用の目安は屋上防水と外壁塗装は、総額より年あたりの費用で比べますにあります。

建築設備の検査では、換気・排煙・非常用の照明を見ます

建築設備の検査では、火災のときや停電のときに働く設備と、空気を入れ替える設備を見ます。対象になる設備の範囲は、特定行政庁で少しずつ違います。

建築設備の検査で見る主な設備
設備介護施設での例見ること
機械の換気窓のない部屋や厨房、浴室の換気扇、給気と排気の機械風の量、動き、取り付けの傷み
排煙の設備排煙機、排煙口煙を出す機械が動くか、排煙口が開くか
非常用の照明廊下や階段などの非常用の照明停電のときに点くか、明るさ、バッテリー

非常用の照明では、バッテリーが古くなって、停電のときに点かないという不具合が見つかることがあります。器具の交換は電気の業者に頼めます。換気の不具合は、厨房や浴室の湿気、においの苦情と結び付いていることがあります。検査の結果は、日ごろの困りごとと照らし合わせて読みます。

中央の機械で空調をまとめて動かす施設では、空調の設備も検査の対象に入れている自治体があります。どの設備が対象かは、前回の報告書に、どの設備の検査の結果が付いているかを見ると分かります。

昇降機の検査は、保守の点検とは別に毎年受けます

エレベーターは、保守の会社が月ごとなどに行う点検とは別に、年に1回、法定の検査を受けて報告します。保守の契約を結んでいれば検査も済んでいる、とは限りません。保守の会社が法定の検査も受け持っているかを、契約書で確かめます。

配膳や洗濯物を運ぶ小荷物専用昇降機も、検査の対象になることがあります。床の高さで出し入れするフロアタイプだけを対象にする自治体と、テーブルの高さのものまで含める自治体があります。

エレベーターが止まったときの連絡先と、2階以上で暮らす入居者の方の生活の支え方はエレベーターが止まった。閉じ込めの連絡先と、2階以上の生活にまとめています。法定の検査で更新を勧められた部品は、止まったときの部品の取り寄せの日数にも関わるので、修繕の計画に早めに入れます。

受け忘れが起きやすい場面

12条点検の受け忘れは、制度をまったく知らないことより、区分の一部が抜けることで起きがちです。とくに次の場面で抜けが起きます。

12条点検の受け忘れが起きやすい場面
場面起きること防ぎ方
防火設備だけ頼み先が違う建物の調査と昇降機は受けたが、防火設備が抜ける4つの区分ごとに、頼み先と期限を1枚の表にする
建物の調査の対象ではない防火設備の検査も要らないと思い込むその用途の床面積が200㎡を超えるかを確かめる
建物を借りている持ち主と施設の両方が、相手が出すと思っている賃貸借の契約で、報告する人と費用の分担を確かめる
担当の交代お知らせを受け取った人が辞め、引き継がれないお知らせと前回の報告書を、決まった棚に綴じる
増築や用途の変更面積や用途が変わり、新しく対象になる工事の前に、対象が変わるかを建築士に確かめる
建てて間もない最初の報告の時期が分からない検査済証の日から、最初の報告の年を確かめる

お知らせが届かない区分もあります。たとえば、建物の調査のお知らせは届いても、防火設備の検査は施設の側から動かないと気づけないことがあります。お知らせを待たずに、4つの区分の期限を施設の予定表に入れておきます。

機器台帳がある施設は、防火扉・防火シャッター・エレベーターの行に、法定の検査の区分と前回の報告の日を書き足します。台帳の作り方は機器台帳は、竣工図と現地と保守の会社の3つで作りますにあります。

お知らせが届いたら、すること

特定行政庁や受付の機関からお知らせが届いたら、まず、どの区分のお知らせで、いつまでに報告するのかを確かめます。期限の2〜3か月前から動くと、調査や検査の日程を、施設の都合に合わせて選べます。

期限の2〜3か月前から動くと、日程を選べる。お知らせが届いてから、報告まで1. 区分と期限を確かめる2. 書類をそろえる(検査済証・竣工図・前回の報告書)3. 調査者・検査者に見積を頼む4. 当日の段取りを決める(扉を動かす時間と入居者の方の動き)5. 報告書を出し、指摘を直す
図4 期限の2〜3か月前から動くと、日程を選べる。
お知らせが届いたら、そろえる書類
書類使い道ないときの探し先
確認済証・検査済証建てたときに法に合っていたかを確かめる特定行政庁の台帳の記載事項の証明
竣工図防火区画と防火設備の場所を確かめる設計事務所、施工した会社、法人本部
前回の報告書前回の指摘と、直したかどうか前回の調査をした会社
防火設備の一覧扉とシャッターの数と場所前回の検査の報告書、設備の会社

防火設備の検査の日には、防火シャッターや防火扉を実際に閉めます。シャッターが下りる場所は、検査の間だけ通れなくなり、音も出ます。入居者の方の移動や食事の配膳と重ならない時間を選び、シャッターの下に人が入らないよう、職員が近くに立ちます。

居室のある階で扉を閉めるときは、認知症のある方が驚かないよう、前もって声をかけます。検査が終わったら、扉とシャッターがすべて元の位置に戻ったかを、検査をした人と一緒に確かめます。

報告書の指摘は、次の報告までに直します

報告書には、基準に合っていない所が「要是正」などとして書かれます。直さないままにすると、次の報告でも同じ指摘が続きます。防火設備の不具合は、火災のときに入居者の方の安全に直結するので、早めに直します。

12条点検で書かれやすい指摘と、直し方
指摘直し方頼む先
防火戸の前に物がある・ストッパーで開けている物をどけ、置き場所を決める。開けておきたい扉は、感知器で閉まる仕組みにできるかを相談施設、建築の業者
防火シャッターが下まで閉まらない下の物をどける。部品の交換や調整防火設備の会社
防火戸がきちんと閉まらないドアクローザーや金具の調整・交換建具の業者、防火設備の会社
外壁のタイルの浮き浮いた部分の補修と、落ちないための手当て外壁の補修の業者
防火区画の穴(配管が通った所)決まった材料でふさぐ設備の業者、建築の業者
非常用の照明が点かないバッテリーや器具の交換電気の業者

防火戸の閉まりが悪いときは、ドアクローザーや蝶番など、扉の部品のどれが原因かで頼み先が変わります。扉の不具合の見分け方はドアや手すりの不具合は、6つの部品のどれかですにまとめています。防火戸を兼ねた自動ドアの不具合は自動ドアが開かない・閉まらない。職員が確かめる順番がありますにあります。

外壁や防火区画のように費用の要る指摘は、翌年度の予算に入れて直す時期を決めます。特定行政庁から改善の予定を聞かれたときは、その時期を答えられるようにしておきます。予算の組み方は修繕の予算は、前の年の秋から3つの区分で組みますにあります。

モデルケース:防火設備の検査を受けていなかった有料老人ホーム

モデルケース:定員60名の介護付有料老人ホーム(5階建て)

4つの報告が、毎年期限内にそろうようになった

変わったこと(結果)

防火設備の検査を初めて受け、閉まり切らない防火シャッター2か所と、閉まりの悪い防火扉3か所を、2か月で直しました。4つの区分の期限を1枚の表にし、期限の3か月前に頼む流れにしたことで、翌年からは4つの報告が期限内にそろうようになりました。

背景と、困っていたこと

このホームは平成28年より前に開設し、建物の調査とエレベーターの検査は毎年受けていました。防火設備の検査は受けておらず、前の担当者は「消防の点検で見ている」と考えていました。新しく着任した事務長が前回の報告書を読み、防火設備の欄がないことに気づきました。

決めたこと

事務長は特定行政庁に問い合わせ、対象であることを確かめたうえで、防火設備検査員のいる会社に検査を頼みました。迷ったのは、指摘が多く出たら費用がかさむのでは、という点でした。決め手は、火災のときに閉まらない扉が残るほうが入居者の方の安全に関わる、という施設長の判断でした。

進めてみて分かったこと

閉まり切らなかったシャッターのうち1か所は、下にリネンのカートを置いていたことが原因で、置き場所を変えるだけで直りました。もう1か所と防火扉3か所は部品の傷みで、交換と調整で直りました。

このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。

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建物を借りている施設は、誰が報告するかを確かめます

12条点検の報告は、建物の所有者が行い、所有者と管理者が違う場合は管理者が行う決まりです。介護施設には、土地と建物を持ち主から借りて運営している施設もあります。この場合、施設を運営する法人が管理者に当たるかどうかで、報告を手配する人が変わります。

賃貸借の契約書で、建物の管理を誰がするか、定期報告の手配と費用を誰が持つか、指摘された所の修繕を誰が負担するかを確かめます。契約に書かれていないときは、持ち主と話し合って、文書で取り決めておきます。外壁の全面の調査のように費用の大きいものほど、分担を先に決めておくと、指摘が出たあとに話がこじれません。

法人で複数の施設を持っているときは、施設ごとに、持ち主か借りているか、報告する人、4つの区分の期限を本部で一覧にします。担当が替わっても、本部の一覧を見れば抜けに気づけます。

平常時にしておくこと

平常時にしておくこと

  • 4つの区分(建物・建築設備・防火設備・昇降機)の期限と頼み先を1枚の表にする
  • 防火設備の検査の対象か(その用途の床面積が200㎡を超えるか)を確かめる
  • 防火扉と防火シャッターの前と下に、物を置かない
  • 検査済証・竣工図・前回の報告書を、決まった棚に綴じる
  • 開設や外壁の改修から10年が近づいたら、外壁の全面の調査の時期を確かめる
  • 建物を借りているときは、報告と修繕の分担を文書にする

大規模修繕の前に建物の状態を調べる進め方は大規模修繕は着工の2年前に動き出し、石綿の調査は設計の段階で済ませますにまとめています。運営指導で見られる建物と設備の記録は運営指導の建物・設備は、届け出と記録と実態を見られますにあります。

12条点検で指摘された所をどこに頼めばよいか分からない、防火設備の不具合をまとめて直したい。そんなときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。報告書の指摘の欄の写真を送っていただければ、直す工事に合う業者から最大3社の見積をそろえます。調査や検査そのもの、特定行政庁への報告の手続きは、資格を持つ調査者・検査者に頼みます。

よくある質問

介護施設の12条点検とは、何をする点検ですか

建築基準法第12条にもとづく建物の定期報告のことです。建物の調査、建築設備の検査、防火設備の検査、昇降機の検査の4つがあり、資格を持つ人が調べた結果を特定行政庁に報告します。

12条点検は、何年ごとに受けますか

建物の調査は特定行政庁が決めた周期で、3年ごとの自治体も、毎年の自治体もあります。建築設備・防火設備・昇降機の検査は、毎年の報告が一般的です。

防火設備の検査は、いつから必要になったのですか

平成28年6月から、防火設備が独立した検査の区分になりました。それより前に開設した施設では、検査を受けていないことに気づかないままのことがあります。

建物の調査の対象でなくても、防火設備の検査は要りますか

要ることがあります。病院や、高齢の方などが泊まる施設は、その用途の床面積が200㎡を超えると、建物の調査の対象でなくても防火設備の検査の対象になります。

防火設備の検査では、どの扉を見るのですか

ふだんは開いていて、火災のときに感知器の信号などで閉まる防火扉や防火シャッター、耐火クロススクリーン、ドレンチャーです。ふだんから閉まっている防火戸は建物の調査で見て、防火ダンパーはこの検査の対象外です。

くわしく:ドアや手すりの不具合は、6つの部品のどれかです

グループホームやデイサービスも、12条点検の対象ですか

用途と規模、特定行政庁の決まりで変わります。グループホームは泊まる用途としての扱いを、デイサービスは宿泊サービスがあるかどうかを確かめます。どちらも、特定行政庁の資料か建築士に確かめるのが確かです。

12条点検は、誰に頼めばよいですか

一級・二級建築士か、国の資格を持つ調査員・検査員に頼みます。区分ごとに資格が分かれているので、防火設備は防火設備検査員のいる会社、エレベーターは保守の会社など、頼み先が分かれることがあります。

くわしく:エレベーターが止まった。閉じ込めの連絡先と、2階以上の生活

外壁の全面打診は、いつ必要になりますか

タイル張りやモルタルの外壁は、竣工や外壁の改修、前回の全面の調査から10年を超えて最初の調査で、全面を調べる決まりがあります。テストハンマーでたたく方法のほか、赤外線で調べる方法もあるので、外壁の改修の時期と合わせて考えます。

くわしく:シーリングの劣化は4段階。段階で、直し方と急ぎ方が変わります

非常用の照明と誘導灯は、同じ点検で見ますか

別の点検です。非常用の照明は建築基準法の設備で12条の建築設備の検査で見て、誘導灯は消防法の設備で消防設備の点検で見ます。

くわしく:消防設備の点検は年2回、消防署への報告は年1回です

建物を借りて運営している場合、12条点検の報告は誰がしますか

建物の所有者が報告し、所有者と管理者が違う場合は管理者が報告する決まりです。賃貸借の契約で、誰が管理者に当たるか、費用と修繕の分担を確かめておきます。

12条点検の指摘は、次の報告までに直さないといけませんか

次の報告までに直すのが目安で、防火設備の不具合は火災のときの安全に関わるので、さらに早めに直します。費用の要る工事は直す時期を決め、特定行政庁から改善の予定を聞かれたときに答えられるようにしておきます。

くわしく:修繕の予算は、前の年の秋から3つの区分で組みます

12条点検の報告を出し忘れていたと気づいたら、どうすればよいですか

特定行政庁の担当の窓口に連絡し、対象の区分と出し方を確かめたうえで、調査や検査を受けて報告します。気づいた時点で動くほうが、指摘された所の手当ても早く進みます。

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法定の点検と確かめることの一覧はチェックリスト、頼み先の一覧は設備別の頼み先、ご相談の流れはご相談の流れにまとめています。

監修者

鈴木貴行|介護施設営繕・修繕専門家

  • 30年以上営繕・設備管理の経験
  • 1,000施設超関わった介護・高齢者施設
  • 3,000件超修繕・設備改善の案件

介護施設の営繕・設備管理に30年以上携わり、1,000施設を超える介護・高齢者施設の現場に関わってきました。介護施設の建物の定期報告(12条点検)の4つの区分と、防火設備の検査の受け方、報告書の指摘の直し方を監修しています。

経験した施設
特別養護老人ホーム有料老人ホームグループホームデイサービスサービス付き高齢者向け住宅
専門分野
給排水空調電気・照明トイレ・浴室床・壁扉・建具ナースコール

制度や基準、費用の目安は変わることがあります。手続きや工事の前に、最新の資料と、現地を確かめた見積でご確認ください。

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