介護施設の消防設備は、消防法で、機器点検を6か月ごと、総合点検を1年ごとに行うと決まっています。1年に1回は機器点検と総合点検をあわせて行えば、点検の日は年2回で済みます。介護施設は特定防火対象物に当たるため、点検の結果は1年に1回、所轄の消防署に報告します。延べ面積1,000㎡以上の施設は、消防設備士か消防設備点検資格者が点検します。廊下の幅は、特養と老健で1.8m以上(両側に居室がある中廊下は2.7m以上)が基準で、特養は手すりの内側で測ります。
この記事の結論
- 機器点検は6か月ごと、総合点検は1年ごと。点検の日は年2回になる
- 介護施設は特定防火対象物で、報告は1年に1回、所轄の消防署へ
- 延べ面積1,000㎡以上は、消防設備士か消防設備点検資格者が点検する
- 報告書の不備は、届いたら一覧にして、直す月を決める
- 廊下の幅は特養・老健で1.8m以上(中廊下2.7m以上)。特養は手すりの内側で測る
消防設備の点検は、6か月ごとの機器点検と1年ごとの総合点検です
介護施設の消防用設備は、消防法で、決まった期間ごとに点検することになっています。点検には2つの種類があります。6か月ごとに行う機器点検と、1年ごとに行う総合点検です。
| 点検 | 頻度 | 中身 |
|---|---|---|
| 機器点検 | 6か月ごと | 機器の置き場所、傷み、表示を外から見る。簡単な操作で働くかを確かめる |
| 総合点検 | 1年ごと | 設備の全部か一部を実際に動かし、全体として働くかを確かめる |
2つの点検は、別々の日に行うものではありません。6か月ごとの機器点検のうち1回を、総合点検とあわせて行えば、点検の日は年2回で済みます。たとえば、春に機器点検、秋に機器点検と総合点検、という組み方です。
機器点検で見るのは、消火器が決まった場所にあるか、誘導灯が点いているか、感知器に傷みや塗料の付着がないか、といったことです。総合点検では、たとえば感知器を試験の器具で働かせます。受信機に表示が出てベルが鳴るか、火災通報装置まで信号が届くかを、つなげて確かめます。
点検の月は、施設が点検の会社と相談して決めます。入浴の多い曜日や行事の多い月を避け、毎年同じ月にしておくと、職員も入居者の方も予定を立てやすくなります。年度の途中で点検の会社を替えるときは、前の点検から6か月を空けすぎないように日程を組みます。
点検の結果は、1年に1回、所轄の消防署に報告します
点検の結果は、建物の関係者(所有者・管理者・占有者)が、所轄の消防署に報告します。報告の頻度は建物の用途で分かれ、特定防火対象物は1年に1回、それ以外は3年に1回です。介護施設は、入所でも通所でも、消防法の区分で6項(特定防火対象物)に当たるため、報告は1年に1回です。
| 施設の種類 | 消防法の区分(主なもの) | 報告の頻度 |
|---|---|---|
| 特養・老健・グループホーム、要介護の方が主に入る有料老人ホーム | 6項ロ(自分で避難することが難しい方が主に入る施設) | 1年に1回 |
| デイサービス、そのほかの有料老人ホーム | 6項ハ | 1年に1回 |
| 介護施設と店舗・住宅などが同じ建物に入る | 16項イ(特定の用途を含む複合用途) | 1年に1回 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 介護の提供のしかたなどで、6項か共同住宅(5項ロ) | 6項なら1年に1回、共同住宅なら3年に1回 |
サービス付き高齢者向け住宅は、6項として扱われることも、共同住宅として扱われることもあります。入居者の方の状態や、介護や食事の提供のしかたで変わります。自分の建物がどちらに当たるかは、所轄の消防署で確かめられます。法人の中で施設の種類が違う建物を持っているときは、建物ごとに区分と報告の頻度を一覧にしておくと、報告の出し忘れを防げます。
報告書は、点検の会社が決まった様式で作り、施設の名前で消防署に出します。窓口に持っていくほか、郵送や電子申請で受け付ける消防本部もあります。点検の会社が提出を代わりにすることもあるので、契約のときに確かめておきます。出す前に、施設の控えを1部とっておきます。
報告をしないままにしたり、点検をしていないのに報告したりすることには、罰則があります。報告が出ているかどうかは、消防の立入検査で確かめられることもあります。
相談・見積は無料|お断り可・理由は不要
設備が止まったら、
写真1枚から相談できます。
点検をする人は、延べ面積1,000㎡で分かれます
消防設備の点検を誰がするかは、建物の大きさで決まります。延べ面積が1,000㎡以上の介護施設は、消防設備士か消防設備点検資格者という資格を持つ人に点検させます。1,000㎡未満でも、地階や3階以上に施設があり、地上に通じる階段が1つしかない建物などは、同じく資格を持つ人が点検します。
それ以外の小さな施設は、施設の関係者が自ら点検することも、法令の上では認められています。ただし、点検には試験の器具と設備の知識が要り、報告書の様式も決まっています。資格を持つ人のいる点検の会社に頼めば、不備の見つけ方から直し方の相談までが一度に済みます。
2つの資格は、できることが違います。消防設備士には甲種と乙種があり、甲種は工事・整備・点検を、乙種は整備と点検をします。消防設備点検資格者は点検を専門にする資格で、工事や整備はしません。点検資格者の会社に点検を頼んでいる施設は、不備を直すときに、工事のできる別の業者が要ることがあります。
消防設備士の免状は、扱える設備の種類ごとに分かれています。スプリンクラーと火災報知器では種類が違います。1社で施設の設備を全部見られるか、一部をほかの会社に頼んでいるかを確かめておきます。2社に分かれているときは、点検の日をそろえると、ベルを鳴らす日が1日で済みます。
点検の対象は、施設にある消防用設備のすべてです
点検の対象は、建物に付いている消防用設備のすべてです。介護施設には、次のような設備があります。どれが付いているかは、施設の規模や建てた時期、入居者の方の状態で変わります。
| 設備 | 何をするものか | 点検で見ること(例) |
|---|---|---|
| 消火器 | 初めの火を消す | 置き場所、圧力の表示、本体の傷みやさび、製造年 |
| 屋内消火栓 | ホースで水をかける | 扉の前の物、ホースとノズルの傷み、ポンプが動くか |
| スプリンクラー | 火の熱で開き、水をまく | ヘッドの傷みや塗料、周りの物、ポンプと弁 |
| 自動火災報知設備 | 煙や熱を感じて知らせる | 感知器の傷み、受信機の表示、ベルの鳴り方 |
| 火災通報装置 | 消防に自動で通報する | 火災報知器と連動するか、消防につながるか |
| 非常警報・非常放送 | 建物の中に一斉に知らせる | 音や放送が居室まで届くか |
| 誘導灯 | 逃げる方向を示す | 点いているか、停電のときに点くか |
| 避難器具 | 窓やベランダから逃げる | 周りの物、取り付けの金具のさびやゆるみ |
火災報知器が鳴ったときの受信機の見方や止め方、スプリンクラーと火災通報装置の設置の決まりは火災報知器が鳴りやまない。受信機の表示から、止め方が決まりますにまとめています。この記事では、点検と報告の段取りと、点検で見つかる不備の直し方を中心に扱います。
火災のときに閉まる防火戸や防火シャッターは、消防用設備ではなく、建築基準法の防火設備です。こちらは消防設備の点検とは別に、建物の定期報告の一つとして検査を受けます。定期報告の4つの区分と、受け忘れやすい防火設備の検査は12条点検は4つに分かれ、防火設備の検査は別に受けますにまとめています。
点検の日は、入居者の方の暮らしに合わせて段取りします
点検の日には、ベルや非常放送が鳴り、点検の担当者が居室に入って感知器を試します。入居者の方にとっては、知らない人の出入りと大きな音が重なる日です。施設の側で段取りをしておくと、点検が早く終わり、入居者の方の不安も小さくなります。
| いつ | 施設がすること |
|---|---|
| 2週間前まで | 点検の会社と、日時、居室に入る順番、ベルを鳴らす時間帯を決める |
| 1週間前まで | 入居者の方とご家族、職員に、点検の日と音が鳴ることを知らせる |
| 前日 | 消火器や消火栓、避難器具の前に物がないかを見回る |
| 当日の朝 | 火災通報装置を試すときの、消防への連絡のしかたを点検の会社と確かめる |
| 点検の最中 | 職員が居室に付き添い、入居者の方に声をかける |
| 終わったとき | 受信機のスイッチが元の位置に戻ったかを、点検の会社と一緒に確かめる |
認知症のある方が多いフロアでは、ベルの音で落ち着かなくなる方もいます。ベルを鳴らす試験はフロアごとに短く区切り、職員がそばにいる時間帯に合わせてもらいます。入浴や食事の時間に重ならないよう、居室に入る順番も先に決めておきます。
夜勤の職員には、点検があったこと、どこで不備が見つかったかを引き継ぎます。点検のあとに受信機の表示がいつもと違うときは、その日のうちに点検の会社に連絡します。
点検で見つかりやすい不備と、直し方
点検の報告書には、基準に合っていない所が「不備」として書かれます。介護施設で見つかりやすいのは、設備そのものの傷みだけでなく、暮らし方や改修で生まれたずれです。
| 不備 | 起きやすい場面 | 直し方 |
|---|---|---|
| 消火器・消火栓の前に物がある | 車いすやリネンのカートの置き場所が足りない | 置き場所を決め、床に線を引く |
| 誘導灯が点かない・停電で点かない | ランプやバッテリーが古くなった | 点検の会社に交換を頼む |
| 感知器のない部屋がある | 間仕切りを足した、倉庫を居室や休憩室に変えた | 感知器を足す工事。届出が要ることもある |
| スプリンクラーのヘッドの近くに物がある | 棚やカーテンレールを足した | 物を動かす。動かせなければ設備の業者に相談 |
| ベルや放送が聞こえにくい | 居室の扉を閉めると音が届かない | 音の大きさを直す、ベルやスピーカーを足す |
| 火災通報装置が消防につながらない | 電話の回線や機器を替えた | 回線の工事のあと、通報の試験をする |
| 受信機の予備のバッテリーが弱い | 取り付けてから年数がたった | 点検の会社に交換を頼む |
物が置かれているという不備は、直すのにお金はかかりませんが、くり返しやすい不備です。置き場所が足りないことが原因なら、片づけを呼びかけるより、置き場所そのものを作るほうが続きます。
間仕切りや部屋の使い方を変える工事では、感知器やスプリンクラーのヘッドが足りなくなることがあります。工事の前に、消防設備の業者と所轄の消防署に相談します。消防用設備の工事には、着工や設置の届出が要るものがあります。
誘導灯や感知器、受信機を取り替える時期は、報告書の所見と機器の製造年で考えます。税の上の法定耐用年数(消火・排煙・災害報知の設備は8年)は、取り替えの時期とは別の年数です。耐用年数と減価償却の読み方は建物附属設備の耐用年数は、設備の区分で決まりますにまとめています。
報告書が届いてから、消防署に出すまで
点検が終わると、点検の会社から報告書が届きます。報告書は、消防署に出す前に施設の側で一度読みます。不備が書かれた報告書を出すことはできますが、消防本部によっては、直す予定を書いた書類をあわせて求められることがあるからです。
一覧には、不備の場所、中身、直す方法、頼む先、見積の金額、直す予定の月を書きます。すぐに直せるものと、予算を取ってから進めるものに分けると、施設長への説明が短く済みます。直すのに日数がかかるものは、いつまでに直すかを決めて、一覧に書いておきます。
控えは、消防用設備の設置の届出の書類や、これまでの点検の報告書と一緒に、1冊に綴じておきます。運営指導や消防の立入検査で求められたときに、すぐに出せます。運営指導で建物と設備について見られる記録は運営指導の建物・設備は、届け出と記録と実態を見られますにまとめています。
施設に機器台帳があるなら、「法定点検」の列に、点検の月、報告を出した日、不備の件数を書き足します。台帳の作り方は機器台帳は、竣工図と現地と保守の会社の3つで作りますにあります。
廊下の幅は、施設の種類ごとに基準があります
介護施設の廊下の幅は、施設の種類ごとの基準で決まっています。特別養護老人ホームと介護老人保健施設は、廊下の幅が1.8m以上、両側に居室がある中廊下は2.7m以上です。有料老人ホームは、国の指針で、介護居室のある区域の廊下を1.8m以上(中廊下は2.7m以上)としています。
| 施設の種類 | 廊下の幅(中廊下) | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 1.8m以上(2.7m以上) | 自治体の条例と担当課 |
| 介護老人保健施設 | 1.8m以上(2.7m以上) | 自治体の条例と担当課 |
| 有料老人ホーム(介護居室のある区域) | 1.8m以上(2.7m以上)。全室が18㎡以上の個室で便所と洗面があれば1.4m以上(1.8m以上) | 都道府県などの指導指針 |
| グループホーム・デイサービス | 運営の基準に廊下の幅の数字はない | 建築基準法と自治体の指導 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 登録の基準に、廊下の幅の確保などのバリアフリーの決まりがある | 登録の窓口(都道府県など) |
ユニット型の施設などには、これより狭い幅を認める例外があります。廊下の一部を広げて、入居者の方や職員の行き来に支障がないと認められる場合です。数字と条件は自治体の条例で少しずつ違うので、改修の前に、施設の指定や届出の担当課で確かめます。
建築基準法にも、居室の多い階の廊下の幅の決まりがあります。施設の種類ごとの基準と建築基準法の決まりの、両方に合う幅にします。グループホームやデイサービスのように、運営の基準に数字がない施設もあります。それでも、車いすどうしがすれ違えるかどうかは、暮らしやすさと避難のしやすさに直結します。
手すりを付けたあとの有効な幅を、先に測ります
特別養護老人ホームの廊下の幅は、平成14年(2002年)の改定から、手すりから測ることになっています。測るのは内法(内側どうしの寸法)です。壁から壁までが1.8mあっても、両側に手すりを付けると、手すりの間は1.8mより狭くなります。
たとえば、手すりが壁から10cm出ていれば、両側で20cm狭くなります。壁から壁まで1.8mの廊下は、手すりの間で1.6mです。新しく手すりを足すときや、太い手すりに替えるときは、付ける前に手すりの出っ張りを測り、基準を下回らないかを確かめます。
| 測る所 | 測り方 | 分かること |
|---|---|---|
| 壁から壁まで | 廊下の何か所かで、壁の面どうしを測る | 今の廊下の幅 |
| 手すりの出っ張り | 壁の面から、手すりのいちばん外側まで | 手すりを付けたあとの幅 |
| 柱や消火栓の箱の出っ張り | 壁から出ている物の奥行き | 廊下のいちばん狭い所 |
| 扉を開けたときの幅 | 居室の扉を開けたとき、廊下に出る分 | 車いすがすれ違えるか |
平成14年より前に建てた施設は、建てたときの測り方で認められていることがあります。古い施設で手すりを足すときは、今の測り方で見るのか、建てたときの基準で見るのかを、改修の前に担当課に確かめます。手すりの高さや段差の決まりなど、バリアフリーの改修の基準はバリアフリー改修は、介護保険・バリアフリー法・建築基準法で決まりますにまとめています。
廊下の改修で、消防設備と一緒に確かめること
廊下の改修は、手すりの付け替え、床の張り替え、壁の補修など、入居者の方の暮らしを止めずに進めたい工事です。そのときに消防設備に関わる所を見落とすと、次の点検で不備になります。
| 改修 | 確かめること | 相談する先 |
|---|---|---|
| 手すりを足す・付け替える | 有効な幅、消火栓や消火器の箱の扉が開くか | 工事の業者、施設の担当課 |
| 壁に掲示板や棚を付ける | 誘導灯や避難の表示が隠れないか | 消防設備の業者 |
| 床を張り替える | 工事の粉じんで感知器が働かないか | 工事の業者と消防設備の業者 |
| 照明を替える | 誘導灯や非常用の照明に手を加えないか | 電気の業者 |
| 防火戸の近くを直す | 防火戸が閉まる所に物や段差ができないか | 工事の業者、建物の検査の資格者 |
とくに見落としやすいのは、手すりと消火栓の箱の関係です。手すりを消火栓の箱の前まで通すと、扉が開き切らなくなることがあります。手すりは箱の手前で切り、箱の前は空けておきます。
手すりのぐらつきや扉の不具合のような小さな修理の頼み方はドアや手すりの不具合は、6つの部品のどれかですにまとめています。廊下の工事を入居者の方が暮らしながら進めるときの、音と粉じんの抑え方は騒音と粉じんは、時間帯だけでなく工法と区画でも減らせますにあります。
モデルケース:点検の不備が3回続けて同じだった老健
モデルケース:定員100名の介護老人保健施設
点検の不備が、1年で12件から2件に減った
変わったこと(結果)
報告書が届いてから2週間以内に不備を一覧にし、直す月を決めるようにしました。すると、1年後の点検で書かれた不備は12件から2件に減りました。消防署への報告も、点検から2か月ほどかかっていたのが、2週間以内に出せるようになりました。
背景と、困っていたこと
この施設では、点検は毎年受けていましたが、報告書は届くとそのまま棚にしまわれていました。誘導灯のバッテリーの劣化と、倉庫を休憩室に変えた部屋に感知器がないことは、3回続けて同じ不備として書かれていました。事務長は、直すのにいくらかかるのか、誰に頼めばよいのかが分からず、後回しにしていました。
決めたこと
施設は、報告書を受け取る人を事務長から営繕の担当の職員に替え、届いたら2週間以内に不備を一覧にすることにしました。誘導灯は点検の会社に、感知器は消防設備の工事ができる業者に見積を頼みました。迷ったのは、感知器を足す工事をするか、休憩室を倉庫に戻すかでした。職員の休憩の場所を残すことを決め手に、工事を選びました。
進めてみて分かったこと
不備12件のうち8件は、消火器や消火栓の前に物が置かれているといった、お金のかからないものでした。置き場所を決めて床に線を引いたことで、次の点検では同じ指摘がなくなりました。残った2件は予算の要る工事で、翌年度の予算の一覧に移しました。
このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。
相談・見積は無料|同じ条件で最大3社
このお問い合わせ1本で、
最大3社の見積がそろいます。
点検の契約で、確かめておくこと
消防設備の点検は、点検の会社と年間の契約を結んで頼むと、点検の月を毎年決めておけます。契約を結ぶときや見直すときは、点検の範囲だけでなく、報告と不備のあとの動きまで確かめておきます。
| 確かめること | 確かめ方の例 |
|---|---|
| 点検の範囲 | すべての消防用設備が入っているか。スプリンクラーや火災通報装置は別の会社か |
| 報告の代行 | 消防署への報告書の提出まで頼めるか |
| 不備の見積 | 不備を直す見積を、点検のあといつまでに出してもらえるか |
| 小さな交換 | 誘導灯のランプや消火器の交換を、点検の日に頼めるか。費用は別か |
| 急ぎの対応 | 火災報知器が鳴りやまないときや故障のとき、夜間や休日に来てもらえるか |
| 立ち会いと日程 | 居室に入る時間帯と、ベルを鳴らす時間の決め方 |
点検と修理は、別の仕事として扱われることがあります。点検の契約に修理が含まれているとは限らないため、不備を直すときの頼み先と費用の出し方を、先に聞いておきます。点検・保守・修繕の違いはメンテナンス業者と修繕業者は、別のものですにまとめています。
防災の設備は、給排水や空調とは別の分野で、得意な業者が違います。設備の分野ごとの業者の探し方は設備修理に強い業者は、分野ごとに別の会社ですにあります。
平常時にしておくこと
平常時にしておくこと
- 点検の月を毎年同じ月に決め、年間の予定に入れる
- 報告書を受け取る人と、不備を一覧にする期限を決める
- 消火器・消火栓・避難器具の前の、物の置き場所を決める
- 間仕切りや部屋の使い方を変える前に、消防設備の業者に相談する
- 廊下に手すりを足す前に、手すりの内側で幅を測る
- 報告書の控えと届出の書類を、1冊に綴じておく
点検で指摘された不備をどこに頼めばよいか分からない、廊下の改修と一緒に直したい。そんなときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。報告書の不備の欄の写真を送っていただければ、直す工事に合う業者から、最大3社の見積をそろえます。点検そのものは、今の点検の会社との契約のまま続けられます。消防署への報告や点検の日程の相談は、今の点検の会社に直接頼むほうが早く進みます。
よくある質問
介護施設の消防設備点検は、年に何回ありますか
年2回です。機器点検を6か月ごと、総合点検を1年ごとに行い、2回のうち1回は両方をあわせて行うので、点検の日は年2回になります。
機器点検と総合点検は、何が違いますか
機器点検は、機器の置き場所や傷みを外から見て、簡単な操作で働くかを確かめる点検です。総合点検は、設備の全部か一部を実際に動かし、感知器から受信機、ベルや通報までが、つながって働くかを確かめます。
消防設備の点検結果は、どこに報告しますか
所轄の消防署に報告します。介護施設は特定防火対象物に当たるため、報告は1年に1回です。報告書は点検の会社が作り、提出を代わりにすることもあります。
デイサービスだけの事業所も、毎年の報告が要りますか
要ります。デイサービスも消防法の区分で6項(特定防火対象物)に当たるため、報告は1年に1回です。ほかの用途と同じ建物に入っている場合は、建物の区分を所轄の消防署で確かめます。
サービス付き高齢者向け住宅の点検の報告は、何年ごとですか
建物の扱いで変わります。介護や食事の提供のしかたなどで6項として扱われれば1年に1回、共同住宅として扱われれば3年に1回です。どちらに当たるかは、所轄の消防署で確かめます。
小さなグループホームは、施設の職員が点検してもよいですか
延べ面積1,000㎡未満で、階段の数などの例外に当たらなければ、法令の上では施設の関係者が自ら点検できます。ただ、試験の器具と報告書の様式が要るため、資格を持つ人のいる点検の会社に頼むほうが確かです。
点検で不備と書かれたら、いつまでに直せばよいですか
消防用設備は、いつでも働く状態に保つ決まりなので、できるだけ早く直します。工事に日数や予算が要るものは、直す予定の月を決めて記録し、所轄の消防署に相談します。
点検の日、入居者の方にはどんな影響がありますか
ベルや非常放送が鳴り、点検の担当者が居室に入って感知器を試します。事前に入居者の方とご家族に知らせ、点検の最中は職員が付き添うと、不安を小さくできます。
防火戸や防火シャッターも、消防設備の点検で見てもらえますか
防火戸や防火シャッターは建築基準法の防火設備で、消防設備の点検とは別に、建物の定期報告の検査を受けます。受け忘れやすい検査なので、報告の時期を確かめておきます。
介護施設の廊下の幅は、何メートル必要ですか
特別養護老人ホームと介護老人保健施設は1.8m以上、両側に居室がある中廊下は2.7m以上です。有料老人ホームは国の指針で同じ数字が示され、全室が18㎡以上の個室で便所と洗面がある場合は1.4m以上(中廊下1.8m以上)です。
廊下の両側に手すりを付けると、幅が足りなくなりますか
足りなくなることがあります。特別養護老人ホームの廊下の幅は手すりの内側で測るため、壁から壁まで1.8mぎりぎりの廊下に手すりを足すと、基準を下回ります。付ける前に手すりの出っ張りを測り、担当課に相談します。
間仕切りを足す工事のあと、消防設備も変える必要がありますか
変えることがあります。部屋が増えると、感知器やスプリンクラーのヘッドが届かない場所ができるためです。工事の前に消防設備の業者と所轄の消防署に相談します。
あわせて読みたい記事
- 火災報知器が鳴りやまない。受信機の表示から、止め方が決まります介護施設の自動火災報知設備が鳴ったときに、火災かどうかを確かめる手順、受信機の音響停止と復旧の操作、火災通報装置と連動している施設の消防への連絡、誤作動の原因と減らし方、設置と点検の決まりをまとめました。
- 12条点検は4つに分かれ、防火設備の検査は別に受けます介護施設の建物の定期報告(12条点検)は、建物の調査・建築設備・防火設備・昇降機の4つに分かれ、頻度と資格者が違います。平成28年から独立した検査になった防火設備の対象と見る所、消防設備の点検との違い、お知らせが届いたらすること、指摘の直し方をまとめました。
- 運営指導の建物・設備は、届け出と記録と実態を見られます介護施設の運営指導(以前の実地指導)で建物・設備について見られるのは、届け出た平面図と実態が合っているか、非常災害の対策と訓練、設備の衛生の管理、業務継続計画(BCP)の記録です。見られる記録の一覧、指摘されやすいことと直し方、BCPの自然災害編で設備について決めることをまとめました。
- スプリンクラーが誤作動。止める順番が決まっています介護施設のスプリンクラーが誤作動したときに、火災でないことを確かめてから、制御弁を閉め、次にポンプを止める順番と、その理由をまとめました。消防への連絡、水損への対応、止めている間の備え、誤作動が起きやすい場面と防ぎ方も。
- バリアフリー改修は、介護保険・バリアフリー法・建築基準法で決まります介護施設のバリアフリー改修の基準は、介護保険の設備の基準、バリアフリー法、建築基準法の3つの重なりで決まります。施設の種類ごとの居室の面積、スロープの勾配(1/12以下)や出入口の幅(80cm以上)、改修で今の基準に合わせる必要があるかの見分け方を、国の基準をもとに整理しました。
- メンテナンス業者と修繕業者は、別のものです介護施設のメンテナンス業者を探すときは、頼みたいのが点検か、保守か、修繕かを先に分けます。エレベーター・空調・消防設備・受変電設備・特殊浴槽など設備ごとの頼み先と、部品交換込みか点検のみかで変わる保守契約の形、契約の一覧の作り方をまとめました。
法定の点検と確かめることの一覧はチェックリスト、頼み先の一覧は設備別の頼み先、ご相談の流れはご相談の流れにまとめています。