本文へスキップ
介護施設 修繕の窓口 介護施設専門の営繕・修繕窓口介護施設 修繕の窓口

ご相談実績710施設

アンケート平均4.1(218件)

エリア

業者の探し方・選び方

騒音と粉じんは、時間帯だけでなく
工法と区画でも減らせます

工事が始まると、「うるさい」「ほこりっぽい」という声が、入居者の方からも職員からも上がります。作業の時間を短くするだけでは、工期が延びて、音とほこりのある日がかえって長く続くこともあります。音と粉じんは、どの工法と機械を使うか、工事の場所をどう囲うか、空調をどう扱うかでも大きく変わります。この記事では、音と粉じんが広がる道すじと、それをふさぐ方法、着工の前に誰に何を知らせるかをまとめました。

構成:介護施設 修繕の窓口監修:鈴木貴行(介護施設営繕・修繕専門家)更新:読む時間:約21分

この記事が答える質問介護施設の工事の騒音と粉じんは、どう対策すればいい?入居者がいる中で、音とほこりを減らす方法は?

介護施設の工事の騒音と粉じんは、作業の時間帯を選ぶことに加えて、3つの方法で減らせます。1つ目は、音の出にくい工法と機械を選ぶことです。床やタイルを壊す量を減らし、たたいて壊す作業を、切る・重ねて張る方法に替えます。2つ目は、工事の場所を床から天井まで仕切って区画し、出入口を1か所にして養生することです。3つ目は、空調と換気の通り道をふさぐことです。粉じんと臭いは空調や換気の流れに乗って離れた部屋まで広がるので、区画の吹出口と吸込口を止めて覆い、区画の空気を外へ出します。そのうえで、音の出る日と場所を、着工の前に入居者の方・ご家族・職員・近隣に知らせます。

この記事の結論

  1. 騒音と粉じんは、時間帯・工法と機械・区画と養生・空調と換気の4つで減らす
  2. たたいて壊す作業を減らすと、建物の骨組みを伝わる音の元が小さくなる
  3. 区画は床から天井まで仕切り、出入口を1か所にして、区画の空気を外へ出す
  4. 粉じんと臭いは空調と換気の流れに乗るので、区画の吹出口と吸込口を止めて覆う
  5. 音と粉じんの出る日を工程表に書き入れ、着工の2週間前から相手ごとに知らせる

騒音と粉じんは、4つの方向から減らします

介護施設の工事の騒音と粉じんは、作業の時間帯を選ぶだけでは減りきりません。時間帯に加えて、工法と機械、区画と養生、空調と換気の扱いの4つの方向から減らします。4つは互いに補い合います。時間帯だけで減らそうとすると、1日に作業できる時間が短くなって工期が延び、音とほこりのある日が長く続きます。

騒音と粉じんを減らす4つの方向
方向すること主に減るもの
時間帯食事・入浴・お昼寝の時間を避け、音の出る作業をまとまった時間に寄せる音を聞く人の数
工法と機械たたいて壊す作業を減らし、音と粉じんの少ない機械に替える音と粉じんの元そのもの
区画と養生工事の場所を床から天井まで仕切り、出入口を1か所にする空気を伝わる音と、粉じん
空調と換気区画の吹出口と吸込口を止めて覆い、区画の空気を外へ出す離れた部屋に届く粉じんと臭い
時間帯だけに頼らず、4つを組み合わせる。騒音と粉じんを減らす4つの方向時間帯(聞く人を減らす)工法と機械(元を小さくする)区画と養生(外に出さない)空調と換気(遠くへ運ばせない)
図1 時間帯だけに頼らず、4つを組み合わせる。

4つのうち、ほかの3つの土台になるのは、音と粉じんの元を小さくする「工法と機械」です。元が小さければ、仕切りや時間帯の工夫に頼る部分が少なくなります。反対に、元が大きいまま仕切りだけを厚くしても、建物の骨組みを伝わる音は止まりません。

施設の側で決めることは、主に時間帯と周知です。工法と機械、区画と養生は業者が提案し、施設が選びます。空調と換気は、施設の設備をどう止めるかの話なので、施設と業者で一緒に決めます。誰が何を決めるかを先に分けておくと、打合せが短くて済みます。

音は、空気と建物の骨組みの2つの道で伝わります

工事の音は、空気を伝わる音と、建物の骨組み(柱・はり・床・壁のコンクリート)を伝わる音の2つの道で広がります。空気を伝わる音は、扉や仕切りで弱められます。骨組みを伝わる音は、仕切りでは止まらず、上下の階や離れた居室まで届きます。どちらの音かで、減らし方が変わります。

骨組みを伝わる音は、工法と時間帯で減らす。音の2つの伝わり方空気を伝わる音骨組みを伝わる音電動のこぎりや掃除機扉・仕切りで弱まる離れると小さくなるはつり・穴あけ・打ち込み仕切りでは止まらない上下の階まで届く「たたく」作業が、骨組みを伝わる音の元になる
図2 骨組みを伝わる音は、工法と時間帯で減らす。
  1. 空気を伝わる音材料を切る、機械を回す、台車を押す音です。扉を閉める、仕切りを二重にする、機械を居室から離して置くと弱まります。
  2. 骨組みを伝わる音はつり、穴あけ、アンカーや釘の打ち込みの音です。たたく作業を切る作業に替えるか、音の出る日と時間を絞ります。
  3. 床を伝わる振動床をはがす機械や重い台車、資材を置く衝撃です。台車の車輪を柔らかいものにし、床に板を敷き、資材を静かに置きます。

骨組みを伝わる音は、工事の場所から遠い部屋に「どこから聞こえるのか分からない音」として届くことがあります。音の元が見えないと、不安を感じる入居者の方もいます。音の大きい作業の日には、工事の場所から離れた階の居室にも、どの音がいつまで続くかを伝えておきます。

穴あけが1か所だけでも、コンクリートにドリルを当てる音は骨組みを伝わります。手すりの取り付けのような小さな工事でも、穴の数と1か所あたりの時間を先に聞いておくと、知らせる範囲を決められます。

相談・見積は無料|お断り可・理由は不要

工法と機械を替えると、音と粉じんの元が小さくなります

音と粉じんを元から小さくするには、壊す量を減らす工法と、たたく作業の少ない機械を選びます。同じ工事でも、工法と機械の選び方で、大きな音の出る日数が変わります。どれを使えるかは建物の造りと工事の中身で決まるので、見積の前に業者に候補を出してもらいます。

音と粉じんを減らす工法と機械
作業音と粉じんが大きい方法減らす方法気をつけること
床の張り替え古い床を下地ごと壊して撤去する下地が傷んでいなければ、古い床の上に重ねて張る重ねた分の段差と、扉の下のすき間
壁の改修古い壁を壊して作り直す古い壁の上に、新しい板やパネルを張る部屋が少し狭くなる。手すりの付け直し
浴室やトイレのタイルはつりで、たたいて割りながら外す切れ目を入れて大きく外す。上から改修用のシートを張る下地の傷みと、防水をやり直すかどうか
コンクリートの穴あけ打撃のあるドリルで、乾いたまま削る水を使うコアドリルや、集じん機をつないだドリル水を受ける養生と、下の階への水漏れ
コンクリートを壊すブレーカーでたたいて壊す切断する工法や、挟んで砕く工法使える場所と費用。業者に候補を聞く
材料の加工現場で切る・削る工場や作業場で加工してから持ち込む寸法を前もって正確に測っておく
発電機・空気圧縮機古い型の機械を、建物のすぐ近くで回す国が指定する低騒音型の機械を、居室から離して置く置き場所と、排気の向き

表の「減らす方法」は、どれも壊す量やたたく回数を減らす方向です。たとえば床の張り替えを重ね張りにすると、撤去の音と粉じんが大きく減ります。そのかわり、段差や扉の下のすき間など、使い勝手が変わる点があります。音が減るかどうかと、工事のあとの使いやすさの両方を見て選びます。

発電機や空気圧縮機には、国が指定する低騒音型の機械があります(低騒音型・低振動型建設機械の指定の制度)。指定を受けた機械には、標識が付いているものがあります。外で機械を回す工事では、指定の機械を使うかと、居室の窓からどれだけ離して置くかを、見積の段階で聞いておきます。

工具の選び方でも、音と粉じんは変わります。充電式の工具なら、空気圧縮機を回さずに済みます。電動工具に集じん機をつなぐと、削った粉が空気に舞う前に吸い取れます。釘を打ち込む機械の代わりにビスで留めると、打ち込みの大きな音が減ります。

法令の基準は、敷地の境界で測る決まりです

工事の音には、騒音規制法の決まりがあります。くい打ち、さく岩機、一定以上の大きさの空気圧縮機や重機などを使う作業は「特定建設作業」とされます。指定された地域では、敷地の境界で85デシベルを超えてはいけません。工事をする会社(元請業者)は、作業を始める日の7日前までに市区町村に届け出ます。

ここで知っておきたいのは、この基準が敷地の境界、つまり近隣との境で測るものだということです。建物の中で暮らす入居者の方の居室の音は、この基準の外にあります。法令を守っていても、居室の中では大きな音に感じられることがあります。入居者の方への音の配慮は、施設と業者の決めごとで作ります。

法令の決まりと、施設で決めること
項目法令の決まり(特定建設作業)施設で決めること
対象の作業くい打ち・さく岩機・一定以上の空気圧縮機や重機などを使う作業小さな工具の作業も含めて、音の出る作業を書き出す
音の大きさ敷地の境界で85デシベル以下居室や食堂の中で、どの作業をどれだけ続けてよいか
時間と曜日地域の区分ごとに、夜間と日曜・休日の作業を制限食事・入浴・お昼寝の時間を避ける
届出と周知工事をする会社が、作業の7日前までに市区町村へ届け出る施設の中への周知を、着工の2週間前までに始める

夜間や日曜・休日に制限される作業と、その時間帯の区分は、夜間工事を考えるときに大きく関わります。夜間・早朝の工事の制約と、日中で済ませる工夫は夜間工事はできますが、夜にしかできない工程だけに絞りますにまとめています。都道府県や市の条例で、対象の作業や時間がさらに決まっていることもあるので、細かな点は自治体で確かめます。

粉じんは、区画と出入口と床で止めます

粉じんを工事の場所の外に出さないためには、工事の場所を床から天井まで仕切って区画し、人と物の出入口を1か所に絞ります。粉じんは、仕切りの上のすき間、人の靴や台車の車輪、空気の流れに乗って外へ出ます。どれか1つでも開いていると、そこから広がります。

5つの道を、1つずつふさぐ。粉じんが区画の外へ出る5つの道仕切りのすき間天井との取り合い・配管の穴人の出入り靴の裏と作業着に付いて出る台車と資材車輪と、運び出すごみ袋から空調と換気吸込口から吸われ、ほかの部屋へ昇降路と階段空気ごと、上下の階へ動く
図3 5つの道を、1つずつふさぐ。
粉じんを止める区画と養生
すること中身確かめ方
床から天井まで仕切る天井の上まで届く仕切りにし、つなぎ目と上下をテープでふさぐ仕切りの上と下に、すき間の光が見えないか
出入口を1か所にするファスナー付きのシートや扉で、使わないときは閉じておく作業中に開けたままになっていないか
前室を設ける出入口の手前に小さな仕切りの部屋を作り、作業着のほこりを払う前室の床にほこりがたまっていないか
粘着マットを敷く出入口の外の床に、靴の裏のほこりを取るマットを敷くマットの汚れ具合と、張り替えの間隔
区画の空気を外へ出すフィルター付きの集じん機などで区画の空気を外へ出し、周りより気圧を低くする出入口のシートが、区画の内側へ吸い込まれているか
ごみを包んで運ぶごみは区画の中で袋に入れて口を閉じ、決めた経路で運び出す運び出しの経路の床と手すりに、ほこりがないか

区画の中の空気を、フィルターを通して外へ出し続けると、区画の気圧が周りより少し低くなります。そうすると、すき間があっても空気は外から区画の中へ流れ込み、粉じんが外へ漏れにくくなります。病院の改修工事でも使われる考え方です。窓のない場所では、排気をどこへ出すかを業者と決めます。

古い建物の床や天井、外壁の塗膜には、石綿(アスベスト)を含む建材が使われていることがあります。石綿の粉じんは、ふつうの区画と養生とは別の決まりで扱います。改修の前の石綿の事前調査と、誰が調べるかは大規模修繕は着工の2年前に動き出し、石綿の調査は設計の段階で済ませますにまとめています。

仕切りと養生を厚くするほど、仮設と養生の費用は上がります。入居者の方がいる中の工事では、仮設・養生・時間帯の割増が総額の2割〜4割になることがあります。その中身と確かめ方は仮設・養生・割増の割合は、施設が渡す条件で変わりますにまとめています。

空調と換気の流れに乗ると、離れた部屋まで広がります

粉じんと臭いがいちばん遠くまで運ばれる道は、空調と換気の空気の流れです。工事の区画の吸込口から吸われた空気は、空調の方式によっては、ダクトを通ってほかの部屋や階に吹き出されます。工事の場所から遠い部屋でほこりや臭いがするときは、まず空調と換気の流れを疑います。

空調の方式で、止める単位と覆う場所が変わる。工事の区画の空調は、どう止めるか施設の空調は、中央方式(ダクトで送る)か中央方式ダクトの系統ごとに考える区画の口を止めて覆う個別方式区画の室内機を止める吸込口と吹出口を覆う
図4 空調の方式で、止める単位と覆う場所が変わる。
空調と換気を通じた粉じんの広がりと、止め方
設備広がり方工事中の扱い
個別方式の空調(室内機)区画の中の室内機が粉じんを吸い、フィルターと機械の中にためる区画の室内機を止めて吸込口と吹出口を覆う。工事のあとにフィルターを掃除する
中央方式の空調(ダクト)区画の吸込口から吸われた空気が、ダクトでほかの部屋に送られるダクトの系統を設備の業者と確かめ、区画の吹出口と吸込口を止めて覆う
換気扇・換気の機械給気と排気の向きによって、区画の空気が廊下へ押し出される区画の給気を止め、排気は外へ出すものだけを使う
廊下と居室の気圧の差廊下の側の気圧が低いと、区画の空気が廊下へ流れる区画の空気を外へ出し、区画の側の気圧を低く保つ
煙の感知器粉じんを煙と見分けられず、鳴ることがある覆うかどうかを防火管理者と消防設備の業者と決め、覆った時間を記録する

中央方式の空調は、1台の機械から何本ものダクトで、複数の部屋に空気を送ります。工事の区画の吸込口が別の部屋の系統とつながっていることもあるので、ダクトの系統は図面と設備の業者で確かめます。空調の中央方式と個別方式の違いは空調の中央方式と個別方式は、止まる範囲と温度の合わせ方が違いますで説明しています。

空調を止めると、夏と冬は区画の中と周りの温度が変わります。区画の空調だけを止め、周りの居室と廊下は動かしたままにできるかを、先に確かめます。工事の場所の空気の流れは、感染症への備えとも重なる話です。感染症への備えの改修は感染症対策の改修は、動線・換気・個室・手洗いの順に考えますにまとめています。

煙の感知器を覆うと、その間はその場所の火災を感知できません。覆うかどうか、覆う間に何をするかは、防火管理者と消防設備の業者に相談して決めます。所轄の消防署への連絡が要るかも、あわせて確かめます。火災報知器が鳴ったときの確かめ方と止め方は火災報知器が鳴りやまない。受信機の表示から、止め方が決まりますにまとめています。

臭いも、粉じんと同じ道で広がります

塗料や接着剤、防水の材料の臭いも、空調と換気の流れや、仕切りのすき間を通って広がります。粉じんを止める区画と空気の流れの工夫は、そのまま臭いにも効きます。そのうえで、臭いの少ない材料を選ぶことと、臭いの出る作業の日を決めることの2つを足します。

臭いの元と、減らし方
臭いの元出る作業減らし方
塗料壁・天井・建具・鉄部の塗装水性の塗料を選ぶ。乾くまでの時間を見込んで、居室に戻る日を決める
接着剤床材や壁紙の張り替え臭いの少ない接着剤や、接着剤を減らせる工法を業者に聞く
防水の材料屋上やベランダの防水工法で臭いが違う。屋上に近い居室の窓と給気口を閉める時間を決める
シーリング材外壁や窓まわりの目地の打ち替え作業の場所に近い居室の窓を閉める。作業の日を知らせる
切断や溶接金物の切断、配管の溶接火花と焦げの臭いが出る。感知器と換気の扱いを先に決める

外の工事の臭いは、窓や外壁の給気口から入ってきます。外壁や屋上の工事では、作業の場所に近い居室の窓を閉めてもらう時間帯と、給気口をふさぐかどうかを決めます。屋上防水と外壁塗装の工法ごとの費用の目安は屋上防水と外壁塗装は、総額より年あたりの費用で比べますにまとめています。

臭いの感じ方は人によって違い、少しの臭いで気分が悪くなる方もいます。臭いの出る作業は、入居者の方が食堂や居室で長く過ごす時間を避けて行います。作業のあとには、区画の空気を外へ出す時間をとってから、仕切りを開けます。

着工の前に、誰に何を知らせるかを決めます

音と粉じんの対策をしても、ゼロにはなりません。だからこそ、どんな音と粉じんが、いつ、どこで出るかを、着工の前に知らせておきます。知らせる相手は、入居者の方、ご家族、職員、近隣の4つです。相手ごとに、知りたいことと伝え方が違います。

着工の前の周知
相手知らせること時期と伝え方
入居者の方工事の場所、音の出る日と時間、通れなくなる場所1〜2週間前に職員から口頭で。前日にもう一度
ご家族工事の期間と場所、面会への影響、居室の移動があるか2週間前までに文書で。居室を移る方のご家族には個別に
職員音と粉じんの出る日、空調を止める区画、工事を止める合図2週間前に各フロアへ。夜勤の職員には申し送りで
近隣工事の期間、外で音の出る日と時間、工事の車の出入り1〜2週間前に、業者と一緒にあいさつと文書
「音の出る日」を工程表に先に書き入れると、知らせる中身が決まる。着工までの周知の段取り1. 音と粉じんの出る日を工程表に書き入れる2. 職員とご家族へ知らせる(着工の2週間前)3. 入居者の方と近隣へ知らせる(着工の1〜2週間前)4. 前日にもう一度伝える(翌日の音の時間と場所)
図5 「音の出る日」を工程表に先に書き入れると、知らせる中身が決まる。

知らせる中身の土台になるのは、業者が作る工程表です。工程表に「音の大きい日」「粉じんの出る日」「臭いの出る日」を書き入れてもらうと、知らせる日と相手が決まります。入居者の方が暮らしたまま進める工事の工程表の組み方は居ながら工事の工程表は、工事と暮らしの予定を重ねて作りますにまとめています。

認知症のある入居者の方には、文書のお知らせが伝わりにくいことがあります。工事の日の過ごし方や、知らない人の出入りへの配慮は認知症のある方への配慮は、工事の段取りで変化を小さくすることですにまとめています。音に敏感な方が利用する障害福祉の施設での工夫は福祉施設の修繕は、利用者の特性で仕様が変わりますで書いています。

工事の間は、区画の外を毎日確かめます

対策は、決めただけでは続きません。工事の間は、区画の外にほこりが出ていないか、音の大きい作業が決めた時間を超えていないかを、毎日確かめます。確かめるのは、施設の担当者と、業者の現場の責任者の2人です。作業の終わりに10分ほど、決まった場所を一緒に回ると、見落としが減ります。

毎日、作業の終わりに確かめること
場所見ること気づいたときにすること
区画の出入口シートが閉じているか、粘着マットが汚れていないかマットを張り替え、出入口の閉め方を職人に伝え直す
区画の外の手すりと窓台湿らせた白い布で拭いて、ほこりが付かないか仕切りのすき間を探し、翌日の作業の前にふさぐ
運び出しの経路床と壁に、ほこりや材料のくずが落ちていないか経路を掃除し、ごみ袋の口の閉め方を見直す
区画の外の吹出口吹出口のまわりに、ほこりの筋が付いていないか設備の業者と、ダクトの系統と覆い方を見直す
音の時間決めた時間の外に、音の大きい作業がなかったか職人に時間を伝え直し、翌日の作業の順番を入れ替える

音の大きさを数字で残したいときは、簡易な騒音計で、工事の場所に近い居室の中を測る方法があります。工事の前の静かなときと作業中の音を、同じ場所で測っておくと、業者と話すときの材料になります。

作業を止める基準も、先に決めておきます。たとえば「区画の外の手すりにほこりが付いていたら、粉じんの出る作業はその日はやめて、仕切りを直す」と決めます。基準が決まっていれば、現場の職員が迷わずに業者に伝えられます。止めたときの費用の扱いは、契約の前に業者と話しておきます。

モデルケース:浴室とトイレの床を直した特別養護老人ホーム

モデルケース:定員90名の特別養護老人ホーム(従来型)

音の大きい日が8日から3日に減り、区画の外のほこりの報告も減った

変わったこと(結果)

1階の一般浴室と、隣のトイレの床を直す工事で、工法と区画を見直しました。大きな音の出る日は、最初の工程表の8日から3日に減りました。3週間の工事の間に、職員から「ほこりが出ている」と上がった報告は2件でした。前の年の廊下の工事では、十数件ありました。煙の感知器が工事のほこりで鳴ったことは、一度もありませんでした。

背景と、困っていたこと

この施設は鉄筋コンクリート造の3階建てで、築27年です。前の年に2階の廊下の床を直したとき、ほこりが食堂まで広がり、煙の感知器が2回鳴りました。はつりの音が3階まで響き、お昼寝の時間に目を覚ます入居者の方もいました。事務長は、今回の浴室の工事で同じことを繰り返したくないと考えていました。

決めたこと

業者2社に、音と粉じんの対策を含めた工法の提案を頼みました。選んだ業者の提案で、床のタイルは切れ目を入れて大きく外し、はつる量を減らしました。浴室とトイレは天井まで仕切り、出入口を1か所にして前室と粘着マットを置きました。区画の空気はフィルターを通して窓から外へ出し、浴室の換気扇は排気だけを使いました。音の大きい作業は、入浴とお昼寝のない平日の午前10時から11時半に寄せました。費用は最初の案より1割ほど上がり、事務長は迷いました。音の大きい日が半分以下になることが、決め手になりました。

進めてみて分かったこと

はつる量を減らした分、タイルを外す日数は1日延びました。それでも、音の大きい日が減ったことで、職員が入居者の方に説明する回数は減りました。毎日の作業の終わりには、施設の担当者と現場の責任者が10分ほど区画の外を一緒に回りました。見つかったすき間は、その日のうちにふさぎました。

このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。

相談・見積は無料|同じ条件で最大3社

このお問い合わせ1本で、
最大3社の見積がそろいます。

見積の前に、業者に聞くこと

音と粉じんの対策は、業者によって考え方と経験に差が出ます。見積を頼むときに、次のことを聞いておくと、対策の中身と費用を比べられます。答えが具体的かどうかで、入居者の方がいる中の工事に慣れているかも見えてきます。

音と粉じんについて、業者に聞くこと
聞くこと聞き方の例答えで見るところ
いちばん大きな音いちばん大きな音が出る作業は何で、何日・何時間ですか作業の名前と日数が、工程表と合っているか
たたく作業を減らす工夫はつりや打ち込みを減らす工法は、ほかにありますか工法の候補と、費用と日数の差を示せるか
区画の作り方仕切りは天井まで届きますか。出入口はどこですか間取り図に、仕切りと出入口を書いて示せるか
空調と換気区画の空調と換気は、どう止めて、どう覆いますかダクトの系統を確かめる手順を話せるか
掃除掃除はいつ、誰が、どの範囲までしますか区画の外の掃除の範囲と回数が決まっているか
止めるとき施設から作業を止めてほしいと伝えたら、どうなりますか止めたときの連絡の流れと、費用の扱いを話せるか

答えが「大丈夫です」「いつもやっています」だけで、作業の名前や日数が出てこないときは、もう一歩聞きます。2社以上に同じことを聞くと、答えの具体さの差がはっきりします。入居者の方がいる中の工事の実績を、段取りの説明で確かめる方法は実績は、居ながら工事の段取りを見せてもらって確かめますにまとめています。

次の工事に備えて、平常時に整えておくこと

音と粉じんに備えて、平常時にしておくこと

  • 空調のダクトの系統と、換気扇の向きを図面で確かめておく
  • 煙の感知器の位置と、消防設備の業者の連絡先を一覧にしておく
  • 工事のときに閉められる区画と、ごみの運び出しの経路を間取り図に書いておく
  • 音や臭いで体調を崩しやすい方を、職員の間で共有しておく
  • 前の工事で出たほこりや音の苦情を、場所と作業ごとに書き残しておく

空調や換気の機器を一覧にする台帳の作り方は機器台帳は、竣工図と現地と保守の会社の3つで作りますにまとめています。

音と粉じんの対策まで含めて、同じ条件で見積を比べたいときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。24時間受け付けています(お電話の受付はありません)。工事の場所と、施設で決めた時間帯や区画の条件をお送りいただければ、1回のご依頼で最大3社の見積をそろえられます。相談と見積は無料で、お断りもできます。音の大きさや粉じんの量を測って報告する仕事は、測定を専門にする会社の領域で、窓口では代われません。

よくある質問

介護施設の工事で、音を小さくする方法はありますか

あります。壊す量を減らす工法と、たたく作業の少ない機械を選ぶと、音の元が小さくなります。そのうえで、音の出る作業を食事・入浴・お昼寝の時間から外し、まとまった時間に寄せます。

工事の粉じんが、工事をしていない階まで広がるのはなぜですか

空調のダクトや換気の流れ、エレベーターの昇降路や階段を通って、空気ごと運ばれるからです。人の靴や台車にも付いて広がります。区画の吹出口と吸込口を止めて覆い、区画の空気を外へ出すと、広がりにくくなります。

くわしく:空調の中央方式と個別方式は、止まる範囲と温度の合わせ方が違います

工事の仕切りは、ブルーシートを垂らすだけで足りますか

足りないことが多いです。粉じんは仕切りの上や下のすき間から出るので、床から天井まで届く仕切りにして、つなぎ目をテープでふさぎます。出入口は1か所にして、使わないときは閉じておきます。

工事の間、施設の空調は止めなければいけませんか

工事の区画の空調は止めて、吹出口と吸込口を覆うのが基本です。周りの居室と廊下の空調は動かしたままにできるかを、設備の業者と確かめます。中央方式の空調では、ダクトの系統ごとに考えます。

工事のほこりで、煙の感知器が鳴ることはありますか

あります。煙の感知器は、粉じんを煙と見分けられないことがあります。覆うかどうかは防火管理者と消防設備の業者と決め、覆うのは作業の時間だけにして、その間は区画を見回ります。

くわしく:火災報知器が鳴りやまない。受信機の表示から、止め方が決まります

騒音規制法の基準を守っていれば、入居者の方への配慮は足りていますか

足りるとは限りません。特定建設作業の基準は、敷地の境界で85デシベル以下という、近隣との境で測る決まりです。建物の中の居室の音は、施設と業者の決めごとで抑えます。

はつりの音は、防音シートで止められますか

止めきれません。はつりの音は建物の骨組みを伝わるので、上下の階や離れた居室まで届きます。切れ目を入れて大きく外す、上から重ねて張るなど、はつる量を減らす工法を業者に聞きます。

塗料や接着剤のにおいを、少なくする方法はありますか

あります。水性の塗料や臭いの少ない接着剤を選び、臭いの出る作業の日を決めて、作業のあとに区画の空気を外へ出す時間をとります。外の工事では、近くの居室の窓と給気口を閉める時間も決めます。

古い施設の改修で、石綿の粉じんが心配です

建材を壊す・削る・はがす改修の前には、石綿の事前調査が要ります。石綿を含む建材が見つかったときは、ふつうの養生とは別の決まりで、湿らせる・囲うなどの対策をとります。

くわしく:大規模修繕は着工の2年前に動き出し、石綿の調査は設計の段階で済ませます

音や粉じんの対策をすると、工事の費用は上がりますか

上がることがあります。天井まで届く仕切り、前室、集じん機、毎日の掃除は、仮設と養生の費用に入ります。入居者の方がいる中の工事では、仮設・養生・時間帯の割増が総額の2割〜4割になることがあります。

くわしく:仮設・養生・割増の割合は、施設が渡す条件で変わります

手すりを付けるような小さな工事でも、粉じんの対策は要りますか

要ります。コンクリートに穴をあけると細かな粉が出て、音も骨組みを伝わります。集じん機をつないだドリルを使い、作業の前に近くの入居者の方に声をかけ、作業のあとは手すりと床を拭きます。

音の出る作業を夜に回せば、入居者の方の負担は減りますか

減るとは限りません。夜は入居者の方が眠っている時間で、音は昼より目立ちます。くい打ちやさく岩機などの作業は、法令で夜間にできない地域が多く、職員の数も夜は少なくなります。

くわしく:夜間工事はできますが、夜にしかできない工程だけに絞ります

あわせて読みたい記事

頼み先の選び方の全体は業者の探し方、頼み先の一覧は設備別の頼み先、ご相談の流れはご相談の流れにまとめています。

監修者

鈴木貴行|介護施設営繕・修繕専門家

  • 30年以上営繕・設備管理の経験
  • 1,000施設超関わった介護・高齢者施設
  • 3,000件超修繕・設備改善の案件

介護施設の営繕・設備管理に30年以上携わり、1,000施設を超える介護・高齢者施設の現場に関わってきました。介護施設の工事で、騒音と粉じんを、工法と機械・区画と養生・空調と換気の扱いで減らす方法を監修しています。

経験した施設
特別養護老人ホーム有料老人ホームグループホームデイサービスサービス付き高齢者向け住宅
専門分野
給排水空調電気・照明トイレ・浴室床・壁扉・建具ナースコール

制度や基準、費用の目安は変わることがあります。手続きや工事の前に、最新の資料と、現地を確かめた見積でご確認ください。

関連

あわせて読まれています

お問い合わせフォーム

  • 1回の依頼で最大3社
  • 相談・見積は無料
  • お断り可

施設名、お困りの箇所、いつからどんな状況かをご記入ください。担当より折り返しご連絡します。ご相談とお見積りは無料です。お急ぎの場合は、その旨をお書き添えいただければ優先してご連絡します。このお問い合わせ1本で、最大3社の見積を取得できます。

お電話での受付は行っていません。このフォームかLINEで、24時間受け付けています。

    1お困りの内容

    お困りの箇所任意・複数可

    いつから・どんな症状か・今どう対応しているかが分かると、手配が早くなります。分からないことは、そのままお書きください。

    お急ぎの度合い任意
    見積の取り方任意

    2施設について

    所在地が分かると、対応できる施工会社と時期をすぐにお答えできます。

    3ご担当者について

    ご返信はこのアドレスにお送りします。送信後すぐに受付完了メールが届きます。

    4写真を添付任意

    写真があると、その場で判断できることがあります。1枚10MBまで。LINEからも送れます。

    相談と見積は無料です。見積の後にお断りいただいても構いません。お電話での受付は行っていません。

    お急ぎの方は LINE からもご相談いただけます(24時間受付)。

    LINEで写真を送って相談する24時間受付

    必須は、施設名・ご担当者名・メールアドレス・お困りの内容の4項目です。分からないことは、そのままお書きください。何を確認すればよいかからご案内します。

    まずは写真1枚から、ご相談ください。相談・見積は無料|LINE・フォームで24時間受付(お電話での受付はありません)

    LINEで相談24時間受付 無料で一括見積最大3社・お断り可