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費用の目安

仮設・養生・割増の割合は、
施設が渡す条件で変わります

工事の見積を開くと、工事そのものの金額のほかに、仮設費や養生費、夜間の割増といった行が並んでいます。合わせると思った以上の金額になり、削れないのかと迷う方も多いはずです。けれども、これらは入居者の方の暮らしを守りながら工事をするための費用でもあります。この記事では、3つの行が総額の何割になるか、その中身、割合を下げる条件と確かめ方をまとめました。

構成:介護施設 修繕の窓口監修:鈴木貴行(介護施設営繕・修繕専門家)更新:読む時間:約18分

この記事が答える質問介護施設の工事の見積で、仮設費・養生費の割合は総額の何割くらい?時間帯の割増も含めると、どれくらいになる?

介護施設のように入居者の方がいる中の工事では、仮設費・養生費・時間帯の割増を合わせて、総額の2割〜4割になることがあります。総額1,000万円の工事なら、200万〜400万円にあたります。仮設費は、足場・仮設の電気や水道・仮囲い・仮設トイレ・仮設の空調や給湯など、工事のために一時的に設けるものの費用です。養生費は床や壁を守る費用で、入居者の方が通る場所を毎日張って毎日はがす条件だと、日数に比例して増えます。割合は、工事の場所を閉められるか、1日に何時間作業できるか、夜間や休日の作業があるかで決まります。

この記事の結論

  1. 入居者がいる中の工事では、仮設・養生・時間帯の割増が総額の2割〜4割になることがある
  2. 仮設費は、足場・電気や水道・仮囲い・トイレ・空調や給湯の代わりなど
  3. 養生を毎日張ってはがす条件だと、養生費は日数に比例して増える
  4. 作業できる時間が短いと工期が延び、仮設と養生の日数も延びる
  5. 足場の共用と、見積を頼むときに渡す条件で、割合を下げられる

仮設・養生・時間帯の割増は、総額の2割〜4割になることがあります

入居者の方がいる中で工事をすると、仮設費・養生費・時間帯の割増を合わせて、総額の2割〜4割になることがあります。総額1,000万円の工事なら、200万〜400万円にあたります。工事そのものではなく、暮らしを守りながら工事をするための費用です。

見積を読むときは、まず右側の割合を出す。入居者がいる中の工事の、総額の中身工事そのもの暮らしを守る費用材料と職人の手間撤去と処分・諸経費総額の6〜8割仮設と養生時間帯の割増総額の2〜4割割合は、施設が渡す条件で動く
図1 見積を読むときは、まず右側の割合を出す。
3つの行の中身と、金額を左右するもの
行中身金額を左右するもの
仮設費足場、仮設の電気や水道、仮囲い、仮設トイレ、仮設の空調や給湯工事の期間、場所の数、施設が貸せる設備
養生費床・壁・建具・家具の保護、ほこりの仕切り、毎日の清掃守る範囲、毎日はがすかどうか、日数
時間帯の割増夜間・早朝・休日の作業と、作業できる時間が短い分その時間帯の作業の量、1日に作業できる時間

ふつうの建物の工事でも、仮設や養生の費用はかかります。介護施設で割合が大きくなりやすいのは、入居者の方が日中も過ごしているからです。通路や避難の経路を空けておくこと、食事や入浴の時間を避けて作業することが求められます。

割合を出すと、見積の読み方が変わります。総額だけを見ると高く感じる見積でも、3つの行が3割で、施設の条件から説明がつくことがあります。その場合、工事そのものの金額は相場どおりかもしれません。反対に、条件の割に割合が高ければ、どこを聞けばよいかが分かります。

割合は、場所を閉められるかと作業できる時間で決まります

2割に近づくか4割に近づくかは、主に2つの条件で決まります。工事の場所を工事中ずっと閉めておけるかと、1日に何時間作業できるかです。ほかに、工事の大きさ、場所の数、感染症への備えも割合を動かします。

工事の場所を閉められるかが、養生の手間を大きく左右する。養生と仮設の割合は、どちらに寄るか工事の場所をずっと閉めておけるか閉めておける養生を置いたまま進める割合は下がりやすい閉められない毎日張って毎日はがす割合は上がりやすい
図2 工事の場所を閉められるかが、養生の手間を大きく左右する。
割合を動かす条件
条件割合が下がる側割合が上がる側
場所空き部屋や倉庫など、閉めておける廊下や食堂など、入居者の方が通る
時間日中に続けて作業できる食事・入浴・お昼寝の時間を避ける
時間帯平日の日中だけで終わる夜間・早朝・休日の作業がある
工事の大きさ工事費が大きく、仮設の費用が薄まる工事費が小さく、仮設の費用が目立つ
場所の数1か所にまとまっている各階や各ユニットに分かれている
感染症への備えふだんの養生と清掃で足りる仕切りや清掃を強める期間がある

工事費が小さい工事では、割合が高く出やすいことも知っておきます。仮設や養生には、工事の大きさにかかわらずかかる手間があるからです。数十万円の工事で3つの行が4割近くでも、それだけで高すぎるとは言えません。

認知症のある入居者の方がいる施設では、工事の場所に入り込まない工夫も要ります。仕切りを高くする、出入口に職員の目が届くようにするなど、仮設と養生の中身が変わります。入居者の方への配慮の仕方は認知症のある方への配慮は、工事の段取りで変化を小さくすることですにまとめています。

相談・見積は無料|お断り可・理由は不要

仮設費は、工事のための設備と、止まる設備の代わりです

仮設費は、工事のために一時的に設けて、工事が終われば外すものの費用です。介護施設では、工事のための設備に加えて、工事中に止まる設備の代わりを用意する費用が入ることがあります。何が入っているかを、項目ごとに確かめます。

仮設費の中身
項目中身介護施設で出やすい場面
足場高い所で作業するための足場と、落下を防ぐネット外壁・屋上・窓まわりの工事
仮設の電気・水道工事用の電源と水、その使用料施設の設備を使わせてもらえないとき
仮囲い・仕切り工事の場所と生活の場所を分ける囲い廊下や共用部の工事
仮設トイレ職人用、または工事で使えないトイレの代わりトイレや配管の工事
仮設の空調・給湯工事中に止まる空調や給湯の代わりの機器空調や給湯器の入替
資材置き場・詰所材料を置く場所と、職人が休む場所工事が長く、施設に空き部屋がないとき

国の公共建築の積算には、公共建築工事共通費積算基準という決まりがあります。そこでは、仮囲い、工事用の電気や給排水と、その料金などを「共通仮設費」として扱います。民間の見積でも、「共通仮設」と書かれた行に、こうした費用が入っていることがあります。足場や養生は、工事の部分ごとの仮設として、別の行に書かれることもあります。

仮設の空調や給湯は、介護施設ならではの行です。たとえば業務用の給湯器を入れ替える間、お湯を止めないために仮設の給湯器を置くことがあります。入替そのものの費用の目安は業務用給湯器の交換は、どこまで替えるかで頼み先が決まりますにまとめています。施設の空き部屋や電気・水を貸せるなら、仮設の行を減らせることがあります。

養生費は、守る範囲と日数で決まります

養生費は、工事で床や壁、建具、家具を汚したり傷つけたりしないように守る費用です。介護施設では、ほこりを生活の場所に広げないための仕切りと、毎日の清掃も養生に含まれることがあります。金額は、守る範囲の広さと、養生を置いておく日数で決まります。

養生の種類と、金額を左右するもの
養生の種類中身金額を左右するもの
床の養生通路や作業場所の床に、シートや板を敷く敷く面積、毎日はがすかどうか
壁・角・エレベーター搬入の経路の壁や角、エレベーターの中を守る搬入の回数と経路の長さ
ほこりの仕切りシートや仮の壁で、工事の場所を囲う囲う長さと高さ、空気の流れの対策
家具・設備の養生居室のベッドや家具、手すりを覆う居室の数、動かせる家具の量
毎日の清掃作業のあとに、通路や手すりを拭く清掃する範囲と日数

ほこりや音、においは、養生のしかたで減らせます。ただし、仕切りを厚くするほど、養生費は上がります。どこまで減らすかは、工事の場所と入居者の方の過ごし方で決めます。騒音と粉じんを、工法・機械・養生で減らす考え方は騒音と粉じんは、時間帯だけでなく工法と区画でも減らせますにまとめています。

居室の中の工事では、家具の移動も養生の一部になります。ベッドやたんすを動かす手間を、業者が見るか、職員が手伝うかで、見積の行が変わります。どちらにするかを、見積を頼む前に決めておきます。

毎日張って毎日はがす条件では、養生費が日数に比例します

入居者の方が通る廊下や食堂で工事をするときは、作業が終わるたびに養生をはがし、元の通路に戻す条件がつくことがあります。毎日張って毎日はがすと、そのたびに手間がかかり、養生費は工事の日数に比例して増えます。1日に作業できる時間も、張ってはがす分だけ短くなります。

張る・はがす・清掃の手間が、工事の日数だけくり返される。毎日はがす養生の、1日の流れ作業の前養生を張り、仕切りを立てる作業張り替えや取り付けを進める作業のあと片付け・清掃、養生をはがす夜と翌朝通路として入居者の方が使う
図3 張る・はがす・清掃の手間が、工事の日数だけくり返される。

毎日はがす条件は、入居者の方の安全のために要ることが多い条件です。夜間に通路を使う方がいる、避難の経路になっている、といった理由があるからです。そのうえで、はがす範囲を絞る、区画を分けて閉める、といった工夫で手間を減らせます。

  1. 区画を分けて閉める廊下を3〜4区画に分け、1区画ずつ閉めて工事します。閉めた区画の養生は置いたままにできます。
  2. 通路の幅だけ空ける通路として使う幅だけ養生をはがし、残りは置いたままにします。
  3. 迂回の経路を決める別の廊下や部屋を通る経路を決め、工事の場所を通らずに済むようにします。
  4. 作業日をまとめる同じ区画の作業を続けた日にまとめ、張ってはがす回数を減らします。

どの工夫が使えるかは、施設の間取りと、夜間の入居者の方の動きで決まります。工夫によって養生を置いたままにできる日が増えれば、そのぶん割合は下がります。

夜間・早朝・休日の割増は、作業の量と時間帯で決まります

夜間・早朝・休日に作業をすると、見積に割増の行がつきます。職人を雇う会社には、時間外や深夜、休日の労働に、割増の賃金を払う決まりがあるからです(労働基準法第37条)。割増の額は、その時間帯に行う作業の量で決まります。

時間帯と、割増が出る理由
時間帯割増が出る理由施設の側にかかること
深夜(午後10時〜午前5時)深夜の労働には、賃金の25%以上の割増が要る夜勤の職員の立ち会い、音とにおいへの配慮
早朝・夕方法定の労働時間を超えると、25%以上の割増が要る朝食や夕食の時間との重なり
休日法定の休日の労働には、賃金の35%以上の割増が要る休日の職員の体制、ご家族の面会との重なり
作業時間が短い日半日しか作業できなくても、1日分の手間がかかる工期が延び、仮設と養生の日数も延びる

この率は、労働基準法で決まっている最低の率です。見積の割増には、照明や移動の手間なども含まれ、会社ごとの決め方で変わります。割増の行は、どの作業を、どの時間帯に、何日行うかを書いてもらうと読めます。

夜間の工事は、施設にとっても負担になります。夜勤の職員の手が取られ、眠っている入居者の方への音の配慮も要ります。夜間に工事をするかどうかの判断と、日中で済ませる工夫は夜間工事はできますが、夜にしかできない工程だけに絞りますにまとめています。

作業できる時間が短いと、工期が延びて仮設も延びます

時間帯の制限は、割増の行だけでなく、工期にも響きます。1日に6時間作業できる工事が、食事や入浴を避けて3時間しかできなければ、日数はおよそ2倍になります。日数が延びれば、仮設を借りる期間も、養生を張ってはがす回数も増えます。

作業時間の制限は、割増だけでなく日数を通じて費用に広がる。作業時間の制限が、費用に広がる流れ1. 1日の作業時間が短い2. 工事の日数が延びる3. 養生の張り替えが増える4. 仮設を借りる期間が延びる5. 3つの行の割合が上がる
図4 作業時間の制限は、割増だけでなく日数を通じて費用に広がる。

この流れを止めるには、作業できる時間をまとまりで作ります。たとえば、入浴のない日に作業を集める、食事の場所を一時的に別の部屋に移す、といった方法です。居室の工事なら、日中だけ別の部屋で過ごしていただく方法もあります。どれも職員の手間がかかるので、費用の差と職員の負担を並べて決めます。

工事の順番と生活の予定を重ねて工程表を作ると、作業できる時間のまとまりが見つけやすくなります。居ながら工事の工程表の組み方は居ながら工事の工程表は、工事と暮らしの予定を重ねて作りますにまとめています。

足場は、複数の工事で共用すると1回分で済みます

外壁や屋上、窓まわりの工事では、足場が仮設費の大きな部分を占めます。足場は組むたびに、組み立てと解体、運搬の費用がかかります。足場が要る工事を同じ時期にまとめれば、組むのは1回で済みます。

足場が要る工事を同じ時期に集めると、組み立てと解体は1回で済む。1つの足場でまとめやすい工事外壁の塗装・補修屋上防水の改修シーリングの打ち替え窓・サッシの補修雨どいの交換太陽光の設置
図5 足場が要る工事を同じ時期に集めると、組み立てと解体は1回で済む。
足場を共用するときに、確かめること
確かめること中身
工事の時期まとめる工事を同じ時期に行えるか。防水や塗装は、季節と天気も見る
足場を借りる期間まとめると期間が延びる。延びた分の費用と、組み立てと解体1回分の費用を比べる
頼み方1社にまとめて頼むか、分けて頼んで足場だけ共用するか
足場の費用の持ち方分けて頼むときは、どの会社の見積に足場を入れるかを決める
入居者の方への影響窓の外に足場がある期間、居室の明るさと防犯をどうするか

足場が要る工事を別々の年に予定していると、足場の費用を2回払うことになります。長期修繕計画で外壁と屋上防水の時期が近いなら、まとめられないかを考えます。屋上防水と外壁塗装の費用と、年あたりで比べる方法は屋上防水と外壁塗装は、総額より年あたりの費用で比べますにまとめています。

屋上に太陽光を載せる予定があるなら、防水の工事と時期を合わせるかも考えます。防水の残りの年数との関係と、雨漏りしたときの責任の決め方は太陽光と防水を同時にするなら、先に責任の分け方を決めますで書いています。

見積を頼むときは、施設の条件を先に渡します

仮設・養生・割増の行は、施設の条件が分からないと、業者は多めに見積もるか、少なく見積もってあとで追加にするしかありません。見積を頼むときに条件を先に渡すと、各社の見積がそろい、金額の幅が小さくなります。

見積を頼むときに渡す条件
渡す条件書き方の例
作業できる時間帯平日の10時〜11時半と14時〜16時。入浴日の火曜と金曜は、浴室の近くは不可
閉められる場所東側の廊下は1区画ずつなら閉められる。食堂は閉められない
養生の条件通路の部分は毎日はがして元に戻す。閉めた区画は置いたままでよい
施設が貸せるもの工事用の電気と水、1階の空き部屋を資材置き場として貸せる
搬入の経路搬入は裏口から。エレベーターは10時〜11時だけ使える
夜間・休日の作業音の出る作業は不可。点検や調整だけなら相談に応じる

書き方の例の時間や曜日は、施設ごとに違います。業者が現地を見る前に、紙で同じ条件を渡します。現地の下見のときに口で伝えるだけだと、聞き取りの差が、そのまま見積の差になります。

入居者の方がいる中の工事に慣れた業者は、こうした条件を、聞かれる前に確かめてきます。工事の実績を、居ながら工事の段取りで確かめる方法は実績は、居ながら工事の段取りを見せてもらって確かめますにまとめています。

モデルケース:廊下と食堂の床を張り替えた介護老人保健施設

モデルケース:定員100名の介護老人保健施設

仮設・養生・割増の割合が、約4割から約2割5分に下がった

変わったこと(結果)

2階の廊下と食堂の床の張り替えで、最初の見積では、仮設・養生・時間帯の割増が総額の約4割でした。施設が条件を見直して見積を取り直すと、その割合は約2割5分に下がりました。総額は約2割下がり、工事の日数も、予定の24日から16日に縮みました。

背景と、困っていたこと

この施設では、入居者の方が日中の多くを2階の食堂と廊下で過ごします。床のシートがはがれて段差ができ、つまずきが心配でした。最初の見積は、廊下の全体を毎日張ってはがす条件で、食堂の工事は夜間に行う形でした。事務長は、工事そのものより、仮設・養生・割増の行が大きいことに驚きました。

決めたこと

施設は、廊下を4つの区画に分け、1区画ずつ閉めて工事することにしました。閉めた区画の養生は置いたままにし、毎日はがすのは通路として使う幅だけにしました。食堂は、2日間だけ1階の多目的室で食事をとる形にして、夜間の作業をなくしました。工事用の電気と水、空き部屋の資材置き場も、施設から貸しました。

進めてみて分かったこと

食堂を移した2日間は、配膳の動線が長くなり、職員の手間が増えました。それでも、夜間の工事で夜勤の職員が立ち会うよりは、負担が小さいと判断しました。条件を紙にまとめて渡したことで、取り直した見積は2社とも同じ条件になり、比べやすくなりました。

このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。

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見積の仮設・養生・割増の行は、4つの点で確かめます

見積が届いたら、仮設・養生・時間帯の割増の行を4つの点で確かめます。範囲、日数、数え方の単位、施設が貸せるもので減らせるかの4つです。総額の何割かを出したうえで、条件に照らして説明がつくかを見ます。

仮設・養生・割増の行を確かめる4つの点
点見るところ聞き方の例
範囲養生や仕切りが、どこからどこまでか養生の範囲を、図面に書いていただけますか
日数仮設を借りる日数、養生を張ってはがす回数何日分、何回分で計算していますか
数え方の単位㎡・日・回・式のどれで数えているか「一式」の行を、㎡や日数で分けられますか
減らせるもの施設の電気・水・空き部屋で代えられるか施設が貸せば、どの行がいくら下がりますか

割合が4割を超えるときは、とくに理由を聞きます。条件の割に高い場合もあれば、工事費が小さいために仮設の費用が目立っているだけの場合もあります。見積の全体が妥当かを、一式の分け方や数量の割り戻しで確かめる方法は「一式」を分けてもらえば、1社の見積でも判断できますにまとめています。

何社かの見積を比べるときも、3つの行だけを抜き出して並べると、差の理由が見えます。ある会社は養生を置いたまま、別の会社は毎日はがす前提で見積もっていた、ということもあります。前提が違えば、条件をそろえて出し直してもらいます。

工事の予定がないうちに、しておくこと

工事の前に整えておくこと

  • 工事のときに閉められる場所と、迂回の経路を間取り図に書いておく
  • 作業できる時間帯と、入浴・食事の予定を1枚にしておく
  • 工事用に貸せる電気・水・空き部屋を決めておく
  • 足場が要る工事の時期を、長期修繕計画で近づけておく
  • 過去の見積から、3つの行の割合を書き残しておく

大規模修繕をいつ・何から始めるかの進め方は大規模修繕は着工の2年前に動き出し、石綿の調査は設計の段階で済ませますにまとめています。

仮設・養生の条件をそろえた見積を取りたいときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。24時間受け付けています(お電話の受付はありません)。1回のご依頼で最大3社から、同じ条件で見積を取り寄せられます。相談と見積は無料で、お断りもできます。工事の場所を閉める段取りや、入居者の方への説明は施設の側で決めることです。窓口は、その条件を見積の依頼に正しく載せるところをお手伝いします。

よくある質問

介護施設の工事で、仮設費と養生費は総額の何割くらいになりますか

入居者の方がいる中の工事では、仮設費・養生費・時間帯の割増を合わせて、総額の2割〜4割になることがあります。総額1,000万円の工事なら200万〜400万円です。工事の場所を閉められるか、1日に何時間作業できるかで、割合が変わります。

仮設費と養生費は、どう違うのですか

仮設費は、足場や工事用の電気・水道、仮設トイレなど、工事のために一時的に設けるものの費用です。養生費は、床や壁、家具を汚れや傷から守り、ほこりを仕切る費用です。介護施設では、どちらも入居者の方の暮らしを守るために大きくなりやすい行です。

養生を毎日はがす条件にすると、費用はどう変わりますか

張る・はがす・清掃の手間が毎日かかるため、養生費は工事の日数に比例して増えます。1日に作業できる時間も短くなり、工期が延びます。区画を分けて閉めるなど、置いたままにできる日を増やすと下げられます。

夜間や休日に工事をすると、なぜ割増になるのですか

職人を雇う会社には、割増の賃金を払う決まりがあるからです(労働基準法第37条)。深夜(原則午後10時〜午前5時)の労働は25%以上、法定の休日の労働は35%以上です。見積の割増は、その時間帯に行う作業の量で決まります。

くわしく:夜間工事はできますが、夜にしかできない工程だけに絞ります

足場の費用を抑える方法はありますか

足場が要る工事を同じ時期にまとめ、1つの足場を共用すると、組み立てと解体が1回で済みます。外壁の補修、屋上防水、シーリング、窓まわり、雨どいなどがまとめやすい工事です。借りる期間が延びる分の費用と比べて決めます。

くわしく:屋上防水と外壁塗装は、総額より年あたりの費用で比べます

入居者がいない場所の工事でも、仮設費や養生費はかかりますか

かかりますが、割合は小さくなりやすいです。閉めておける場所なら養生を置いたまま進められ、時間帯の制限も少なくなるからです。足場や、搬入の経路の養生など、工事そのものに要る仮設は残ります。

見積の「共通仮設費」には、何が入っていますか

国の公共建築の積算では、仮囲い、工事用の電気・給排水とその料金、現場の事務所、安全の対策などが共通仮設費に入ります。民間の見積でも似た中身が入ることがありますが、会社で違うため、項目を書き出してもらいます。

工事の見積に、仮設の給湯器や空調が入っているのはなぜですか

給湯器や空調を入れ替える間も、お湯や冷暖房を止めないために、代わりの機器を置くことがあるからです。介護施設では入浴や体調に関わるため、入替の工事で使われることがあります。止めても困らない時期なら、外せることもあります。

くわしく:業務用給湯器の交換は、どこまで替えるかで頼み先が決まります

仮設費や養生費が高いと感じたら、どこを聞けばいいですか

範囲、日数、数え方の単位、施設が貸せるもので減らせるかの4つを聞きます。「一式」の行は、㎡や日数で分けてもらいます。条件の割に割合が高いときは、ほかの会社の見積とも並べます。

くわしく:「一式」を分けてもらえば、1社の見積でも判断できます

工事用の電気や水を施設から貸すと、見積は下がりますか

下がることがあります。仮設の電気や水道の設備と、その料金の行が減るからです。貸す場合は、使える場所と量、料金の扱いを、見積を頼むときに伝えておきます。

入浴や食事の時間を避けて工事すると、費用はどう変わりますか

1日に作業できる時間が短くなるため、工期が延び、仮設を借りる期間と養生の張り替えが増えます。作業時間が半分なら、日数はおよそ2倍です。入浴のない日に作業を集めるなど、時間のまとまりを作ると抑えられます。

くわしく:居ながら工事の工程表は、工事と暮らしの予定を重ねて作ります

仮設や養生の条件をそろえた見積を、何社かから取れますか

取れます。当窓口では、1回のご依頼で最大3社から、同じ条件で見積を取り寄せられます。相談と見積は無料で、フォームとLINEで24時間受け付けています。

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工事の種類ごとの費用の目安は費用の目安、頼み先の一覧は設備別の頼み先、ご相談の流れはご相談の流れにまとめています。

監修者

鈴木貴行|介護施設営繕・修繕専門家

  • 30年以上営繕・設備管理の経験
  • 1,000施設超関わった介護・高齢者施設
  • 3,000件超修繕・設備改善の案件

介護施設の営繕・設備管理に30年以上携わり、1,000施設を超える介護・高齢者施設の現場に関わってきました。介護施設の工事の見積で、仮設費・養生費・時間帯の割増の中身と割合を読み解く方法を監修しています。

経験した施設
特別養護老人ホーム有料老人ホームグループホームデイサービスサービス付き高齢者向け住宅
専門分野
給排水空調電気・照明トイレ・浴室床・壁扉・建具ナースコール

制度や基準、費用の目安は変わることがあります。手続きや工事の前に、最新の資料と、現地を確かめた見積でご確認ください。

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