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電気代と太陽光

太陽光と防水を同時にするなら、
先に責任の分け方を決めます

屋上に太陽光を載せる話が出ると、「どうせなら防水もやり直したほうがよいのでは」という声が出ます。同時にすれば屋上の工事は1回で済みます。ただ、防水の業者と太陽光の業者が同じ屋上で働くので、雨漏りが出たときに、どちらの責任かが分かりにくくなります。この記事では、防水の残りの年数で決める3つのパターンと、責任の分け方を契約に書く方法、工程の組み方をまとめました。パネルを外して戻す費用の考え方も書いています。

構成:介護施設 修繕の窓口監修:鈴木貴行(介護施設営繕・修繕専門家)更新:読む時間:約18分

この記事が答える質問介護施設で屋上に太陽光を載せるとき、屋上防水も同時にやり直すべき?雨漏りしたら誰の責任になる?

太陽光と屋上防水を同時にするかは、防水の残りの年数と、パネルを使う年数(20年ほど)を比べて決めます。防水が新しいならそのまま載せ、改修の時期が近い、または傷みが出ているなら、防水の改修を先にするか同時にします。同時にする場合は、雨漏りが出たときに、防水の層、架台の足元、配線を通した穴のどれを誰が受け持つかを、契約の前に表にして決めます。決めずに載せると、原因の調べ方と費用の負担でもめやすくなります。

この記事の結論

  1. 同時にするかは、防水の残りの年数とパネルを使う年数を比べて決める
  2. 防水が新しければそのまま載せ、改修が近ければ先か同時に行う
  3. 雨漏りの責任は、防水の層・架台の足元・配線の穴に分けて決める
  4. 責任の表を、防水と太陽光の2つの契約と保証書に同じ形で付ける
  5. 載せたあとの防水の改修では、パネルを外して戻す費用がかかる

同時にするかは、防水の残りの年数で3つに分かれます

屋上に太陽光を載せるとき、防水を同時にやり直すかどうかは、防水があと何年持つかで決まります。パネルは20年ほど使う設備です。その間に防水の改修が来ると、パネルと架台をいったん外し、工事のあとで戻すことになります。

太陽光と屋上防水の3つのパターン
パターン防水の状態の目安すること気をつけること
A そのまま載せる前回の改修から年数が浅く、傷みも出ていない防水の今の状態を写真と報告書で残してから載せる架台を載せても防水の保証が続くかを、施工した会社に確かめる
B 同時に行う改修の時期が近い、またはふくれや水たまりが出ている防水の改修と太陽光を、1つの工程にまとめる2つの業者の受け持ちの分け方を、契約の前に決める
C 防水を先に、太陽光はあとで防水は傷んでいるが、太陽光の計画がまだ固まっていない防水を先に改修し、あとで載せるときの架台の載せ方だけ決めておくあとで載せるときに、新しい防水を傷めない載せ方にする

防水の持つ年数は、工法によっておおむね10〜20年です。パネルを使う20年ほどのほうが長いことが多いので、どのパターンでも、20年のうちに1回は外して戻すことになりやすいと考えておきます。違いは、その時期と回数です。

防水が15〜20年持つとしたときの目安。持つ年数が短い工法では、改修の回数が増える。パネルを使う20年の間に、防水の改修が来る時期の目安防水の残り5年5年目に1回、終わりごろにもう1回防水の残り10年10年目ごろに1回防水の残り15年15年目ごろに1回同時に新しくする20年目ごろに1回、またはなし
図1 防水が15〜20年持つとしたときの目安。持つ年数が短い工法では、改修の回数が増える。

同時に新しくすると、次の防水の改修は、パネルを使い終わるころになります。パネルの入れ替えと防水の改修を同じ時期に合わせられれば、外して戻す手間は実質なくなります。防水の工法ごとの持つ年数と費用の目安は屋上防水と外壁塗装は、総額より年あたりの費用で比べますにまとめています。

防水のほかにも、屋根に載せられる重さ、発電した電気を使い切れるか、停電のときに使える範囲など、載せる前に確かめることがあります。それらは太陽光は、補助金より先に屋根と電気の使い道を確かめますで書いています。

防水の残りの年数は、記録と調査で見当をつけます

防水があと何年持つかは、前回の工事の記録と、今の傷みの両方から見当をつけます。記録だけでは、日当たりや施工の出来による差が分かりません。傷みを見るだけでは、どの工法の何年目かが分かりません。

防水の残りの年数を見当づける材料
材料分かることどこで確かめるか
前回の防水工事の年と工法工法ごとの持つ年数から見た、残りの年数工事の記録、契約書、竣工図
保証書保証の残りの年数と、太陽光を載せたときの扱い保証書、施工した会社
今の傷みふくれ、継ぎ目の浮き、水たまり、ひびの広がり防水の業者の調査、職員が撮った写真
下地の水分下に水が回っていないか。重ねる改修ができるか防水の業者の調査(水分の測定など)
雨漏りの記録最上階の天井の染みが出た場所と時期雨漏りの記録、修理の履歴

調査は、太陽光の業者ではなく、防水の業者か建設会社に頼みます。太陽光の業者は架台と電気が専門で、防水の残りの年数の見立ては、防水の業者のほうが確かです。調べた結果は太陽光の業者にも渡し、架台の載せ方を決める材料にします。

最上階で雨漏りが出たことがある施設は、その原因が直っているかも確かめます。原因が残ったまま載せると、あとで太陽光の工事のせいにされたり、逆に疑ったりすることになります。雨漏りの原因の調べ方は雨漏りは、原因を見つけるまでが工事の半分ですにまとめています。

相談・見積は無料|お断り可・理由は不要

同時に行う利点は、架台の足元を防水と一続きに作れることです

防水と太陽光を同時に行うと、仮設や資材の揚げ降ろし、入居者の方へのお知らせが1回で済みます。工事中の写真や保証書も、一続きのものとしてそろえられます。何より、架台の足元の防水を、防水の層と一続きに作れるのが大きな利点です。

あとから載せる場合は、できあがった防水の上に架台を置くので、足元の処理があとから付け足す形になります。同時なら、架台の基礎を先に据え、その立ち上がりまで防水を巻き上げる、という作り方ができます。継ぎ目が少ないぶん、雨水が入る所が減ります。

国の手引きでも、防水の層を傷めたときの責任の境目をはっきりさせるために、パネルを載せる前に事業者が防水の工事を行った例が紹介されています。防水と太陽光を1つの流れで組むことは、責任を分けやすくする方法でもあります。

一方で、工期は長くなり、費用も一度に大きくなります。2つの業者が同じ屋上で働くので、作業の順番と、誰がどこを受け持つかの調整が要ります。太陽光の補助金を使う場合は、防水の工事まで補助の対象になるとは限らないので、募集の要項で範囲を確かめます。補助金を使う工事では、業者の選び方にも条件がつきます(補助を使う工事では、相見積か入札かを交付の条件で確かめます)。

雨漏りの責任は、場所ごとに分けて決めます

太陽光を載せた屋上で雨漏りが出ると、防水の傷みなのか、架台や配線の工事のせいなのかが分かりにくくなります。ただ、原因になりやすい場所は、ほぼ決まっています。場所ごとに誰が受け持つかを先に決めておけば、もめずに済みます。

雨漏りの原因になりやすい場所と、受け持ちの例
場所起きやすいこと受け持ちの例
防水の層(平らな部分)年月による傷み、ふくれ、継ぎ目の浮き防水の業者(防水の保証)
架台の基礎と足元基礎のまわりのすき間、重さやずれによる防水の傷足元の防水は防水の業者、基礎を据えるのは太陽光の業者
配線を通した穴配線を屋内へ引き込む穴やすき間からの雨水止水の処理をどちらがするか、1社に決める
排水口のまわり架台や配線が水の流れをさまたげ、水がたまる並べ方を決めた側。配置の図で排水口との距離を確かめる
工事中についた傷工具の落下、資材の引きずり、踏んだ跡傷をつけた側。作業の前と後の写真で確かめる
場所ごとに受け持ちを決め、境目に空きが出ないようにする。受け持ちの境目の例防水の層防水の業者架台の足元の防水防水の業者が処理配線の穴の止水1社に決めて処理架台・パネル・配線太陽光の業者
図2 場所ごとに受け持ちを決め、境目に空きが出ないようにする。

建設業の許可の区分では、太陽光の設置の工事は電気の工事に入ります。パネルを屋根に載せるときの屋根の止水の処理も、その工事に含まれるとされています。何も決めなければ、架台の足元や配線の穴の止水は、太陽光の業者の仕事と受け取られることがあります。いっぽう防水の業者は、自分が作った防水の層に、ほかの業者があけた穴までは保証しないのがふつうです。

ですから、穴の止水をどちらが処理し、どちらの保証に入れるかを、はっきり決めます。防水の層と一続きに処理できる防水の業者に任せ、防水の保証に含めてもらう形にすると、境目が空きにくくなります。

責任の分け方は、契約と保証書にこう書きます

責任の分け方は、口約束ではなく、契約書と保証書に書きます。防水と太陽光を2社に分けて頼む場合は、2つの契約の書き方がつながっているかを、施設が確かめます。同じ責任の表を、両方の契約書に付けておくのが確かです。

契約と保証書に書いておくことと、書き方の例
書くこと書き方の例
受け持ちの範囲防水の層と架台の足元の防水は防水の業者、架台・パネル・配線は太陽光の業者が受け持つ
穴をあける所の止水配線を通す穴と、架台を固定する所の止水を、どちらの業者が行い、どちらの保証に入れるか
保証の範囲防水の保証書の対象に、架台の足元を含める。太陽光の業者は、固定と配線の処理の保証をつける
雨漏りしたときの調べ方施設が両方の業者に連絡し、両者が立ち会って原因を調べる
調べる費用原因が分かるまでの調査の費用の持ち方と、原因が分かったあとの精算の仕方
屋上での作業の決まり防水の上を歩く所や物を置く所は養生する。作業のあとは防水の業者が見て確かめる
外して戻すとき次の防水の改修のとき、パネルを外して戻す費用と手配を誰が持つか
原因が分かる前に、どちらか一方だけに直させない。雨漏りが出たときの流れ1. 施設が両方の業者に書面で連絡2. 両者の立ち会いで原因を調べる3. 原因の場所と写真を記録する4. 原因の側が直す5. 調べた費用を精算する
図3 原因が分かる前に、どちらか一方だけに直させない。

雨漏りに気づいたら、すぐに書面で両方の業者に知らせます。民法には、工事の不具合(契約の内容に合わないこと)を知らせる期限の決まりがあります。施設がそれを知った時から1年以内に業者に知らせないと、直すことや損害の請求ができなくなります。契約書の約款には、不具合を直してもらえる期間も書かれているので、あわせて確かめます。

工事の契約書で、変更や事故の扱いとあわせて確かめる点は工事の契約書は、追加と事故の扱いから読みますにまとめています。施工の保証、メーカーの保証、契約の責任の違いと、保証書の管理の仕方は工事の保証は、3つに分けて部位ごとに控えますで書いています。

1社にまとめて頼むか、2社に分けて頼むか

防水と太陽光の頼み方は、大きく3つあります。どれを選ぶかで、雨漏りしたときの窓口が変わります。施設に、2社の間に立って調整する人の手があるかどうかも、選ぶときの目安になります。

防水と太陽光の頼み方
頼み方雨漏りのときの窓口向いている場面気をつけること
1社を元請けにする元請けの1社施設に調整する人の手が足りない下で入る業者の保証も、元請けの保証にまとめてもらう
2社に分けて頼む施設が間に立つ防水と太陽光の業者を、それぞれ選びたい2つの契約の受け持ちの境目が空かないようにする
太陽光の事業者が防水も行う太陽光の事業者電気を買う契約(PPA)で、屋根を長く貸す防水の仕様と保証の年数を、施設が確かめる
雨漏りのときの窓口が1つになるのは、1社にまとめる形。2社に分けて頼む場合と、1社にまとめる場合2社に分けて頼む1社を元請けにする業者をそれぞれ選べる施設が間に立つ受け持ちの境目に注意窓口が1つで済む保証をまとめやすい下の業者が見えにくいどちらでも、受け持ちの表は同じ形で作る
図4 雨漏りのときの窓口が1つになるのは、1社にまとめる形。

許可も確かめます。1件500万円以上の工事では、防水の工事には防水工事業、太陽光の設置の工事には電気工事業の建設業の許可が要ります。建物の工事と設備の工事が同じ現場でぶつかるときの考え方は建物と設備を一括で頼むと、境目の押し付け合いがなくなりますで書いています。

載せたあとに防水を直すときは、外して戻す費用がかかります

太陽光を載せたあとに防水を改修するときは、パネルと架台をいったん外し、防水の工事のあとで戻します。国の手引きでも、施設の改修のときには、設備の一時的な撤去、保管、再設置の費用がかかると書かれています。

外して戻すときにかかる費用の中身
中身例
電気を止めて配線を外すパワコンを止め、配線を安全に外す電気の工事
パネルと架台を外して下ろす屋上での取り外しと、クレーンなどでの揚げ降ろし
保管外したパネルの置き場所と、傷めないための保管
戻して配線をつなぐ架台とパネルを戻し、配線をつないで試運転する
止まっている間の電気発電が止まる間は、電力会社から買う電気が増える
足元の防水の作り直し新しい防水に合わせて、架台の足元の防水をやり直す

費用は、パネルの枚数、架台の形、置き場所があるか、揚げ降ろしの方法で大きく変わります。載せる時点で、将来の改修のときに外して戻す費用の見積も出してもらい、長期の修繕計画に入れておきます。計画の年数の持ち方は長期修繕計画は、30年・5年・単年の3つで持ちますにまとめています。

電気を買う契約(PPA)では、外して戻す費用を誰が持つかを契約で決めます。国の手引きでは、事業者の負担にすると電気の単価が上がることにつながる、と書かれています。自治体の屋根貸しの募集では、事業の期間が終わったら、事業者の負担で設備を撤去し、屋上を元に戻すと決めている例もあります。

載せる場所を選ぶ、一部だけ載せるという方法もあります

屋上の全面に載せず、一部だけに載せる方法もあります。棟ごとに防水の年数が違う施設や、屋上に設備が多い施設では、載せる場所を選ぶだけで、外して戻す手間を減らせます。

  1. 防水を改修したばかりの棟に載せるほかの棟は、防水の改修に合わせて載せるかを決めます。
  2. 排水口のまわりを空ける排水口と雨水の通り道をふさがないよう、まわりを空けて並べます。
  3. 設備の通り道を残す室外機、受変電設備、受水槽の点検と更新のための通り道を残します。
  4. 穴をあけない載せ方を選ぶ重しの基礎を置く方法なら、防水を貫かずに済みます。

自治体の案内でも、屋根に穴をあけると防水の保証が切れることや、漏水のおそれがあることから、穴はあけないほうが望ましいとされています。重しの基礎を防水の上に置いて接着し、アンカーを打たない方法を条件にしている自治体の屋根貸しの例もあります。

ただし、重しの基礎は重くなるので、屋根に載せられる重さとの兼ね合いで決めます。架台を載せても防水の保証が続くための条件は、工法や防水の業者によって違うので、設計の段階で、防水を施工した会社に確かめます。

同時に行うときは、防水を仕上げてからパネルを載せます

防水と太陽光を同時に行うときは、防水と架台の順番で工程を組みます。基本は、架台の基礎を据え、防水を仕上げて、水をかけて漏れないことを確かめてから、パネルを載せる順番です。パネルを載せてからでは、防水の不具合を見つけにくくなるからです。

防水を仕上げて漏れを確かめてから、パネルを載せる。同時に行うときの工程の流れ1. 仕様と責任の表を決める2. 今の防水の処理と下地の補修3. 架台の基礎を据える4. 防水をつくり、足元まで巻き上げる5. 水をかけて漏れを確かめる6. 架台・パネル・配線7. 立ち会って引き渡し
図5 防水を仕上げて漏れを確かめてから、パネルを載せる。
同時に行う工事で、介護施設が決めておくこと
決めること中身
資材の揚げ降ろしの時間クレーンを使う日は、送迎や散歩の時間を外す
火を使う工法の日バーナーを使う日は、火気の見張りと消火器の置き場所を決める
においの出る日換気口や窓が近い居室の入居者の方に、前もって知らせる
最上階の音機械で穴をあける作業や、重いものを置く作業の時間帯
雨の日の予備防水は雨の日に作業できないので、予備の日を工程に入れる
写真の撮り方足元の防水、配線の穴の止水、水をかけた確かめを、誰が撮るか

2つの業者の作業が重なる日は、屋上の使い方を決めます。防水ができあがった所の上を歩くときや、パネルを置くときは、防水を傷めないように養生してもらいます。入居者が暮らしたまま進める工事の工程表の組み方は居ながら工事の工程表は、工事と暮らしの予定を重ねて作りますにまとめています。

モデルケース:防水と太陽光を同時に行い、責任の表を作った有料老人ホーム

モデルケース:定員60名の介護付き有料老人ホーム

責任の表があったので、台風のあとの雨漏りが10日で片づいた

変わったこと(結果)

太陽光を載せた翌年の台風のあと、最上階の居室の天井に小さな染みが出ました。施設は、引き渡しのときに受け取った責任の表に沿って、その日のうちに防水の業者と太陽光の事業者の両方に書面で連絡しました。3日後に両者の立ち会いで水をかけて調べ、原因は配線を屋内に引き込む穴の止水と分かりました。その処理を受け持っていた防水の業者が保証で直し、連絡から補修まで10日で終わりました。施設の費用の負担はなく、入居者の方のお部屋の移動も1回で済みました。

背景と、困っていたこと

このホームは、鉄筋コンクリート造の5階建てで、築17年です。屋上の防水は、築5年目に部分の補修をしたきりで、ふくれが目立ち始めていました。そこへ、電気を買う契約(PPA)で太陽光を載せる提案が届きました。防水の業者に調べてもらうと、あと数年で改修が要るという見立てでした。

決めたこと

施設は、防水の改修と太陽光を同時に行うことにし、防水の業者と太陽光の事業者に別々に頼みました。2社との打ち合わせを2回開き、A4の1枚の責任の表を作りました。防水の層と架台の足元、配線の穴の止水は防水の業者が行い、防水の保証に含める。架台の固定と配線は太陽光の事業者の保証とする。雨漏りのときは、施設が両方に連絡し、立ち会いで原因を調べる。この表を、2つの契約書に同じ形で付けました。

進めてみて分かったこと

最初の打ち合わせで、太陽光の事業者は、配線の穴の止水は自分たちの工事に含まれると考えていました。防水の業者も同じ所を受け持つつもりで、受け持ちが重なっていました。表にして初めて分かった食い違いです。1社に決めたことで、雨漏りのときに、どちらの保証かで迷わずに済みました。

このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。

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引き渡しのときに、施設が受け取るもの

工事が終わったら、引き渡しのときに、次のものを受け取ります。雨漏りが出たとき、誰に連絡し、何を見せればよいかが、これでそろいます。

引き渡しのときに受け取るもの
受け取るもの使い道
防水の保証書対象に、架台の足元と配線の穴が含まれているかを確かめる
太陽光の保証書架台の固定、配線、機器の保証の年数を確かめる
責任の表の控え雨漏りしたときに、誰に連絡するかがすぐ分かる
工事中の写真足元の防水、配線の穴の止水、水をかけて確かめたときの写真
配置の図パネル、架台、配線の穴、排水口の位置が分かる
点検の予定防水と太陽光の、それぞれの点検の時期と受け持ち

受け取ったものは1つのファイルにまとめ、事務所に置きます。担当者が替わっても、雨漏りのときに誰に連絡するかがすぐ分かるようにしておきます。保証の期間が終わる前には、防水と太陽光の両方に点検を頼み、気になる所を保証のうちに直してもらいます。

載せたあとの毎年の見回りで、しておくこと

毎年の見回りでしておくこと

  • 大雨や台風のあと、最上階の天井と窓まわりに染みがないかを見る
  • 手すりのある範囲で、屋上の排水口のまわりのごみや落ち葉を見る
  • 発電量を毎月記録し、急に落ちた月がないかを見る
  • 保証の期間が終わる前に、防水と太陽光の点検を頼む
  • 責任の表と連絡先を、担当者が替わるたびに引き継ぐ

太陽光を載せる前に防水を直すべきか、同時に行うときの責任の表をどう作ればよいか分からない、というときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。どちらも24時間受け付けています(お電話での受付はしていません)。屋上の写真と前回の防水工事の年をお送りいただければ、防水の調査や改修の見積を、1回のご依頼で最大3社そろえます。相談と見積は無料で、お断りいただいてもかまいません。

よくある質問

太陽光を載せるとき、屋上防水も同時にやり直すべきですか

防水の残りの年数で決めます。改修の時期が近い、またはふくれや水たまりが出ているなら、同時か、防水を先にします。前回の改修から年数が浅く傷みもないなら、今の状態を記録してそのまま載せます。

くわしく:屋上防水と外壁塗装は、総額より年あたりの費用で比べます

防水と太陽光を同時にすると、費用は安くなりますか

仮設や資材の揚げ降ろし、入居者の方へのお知らせが1回で済み、将来パネルを外して戻す回数も減らせます。ただ、費用は一度に大きくなり、工期も長くなります。年ごとの費用で比べて決めます。

太陽光を載せたあとに雨漏りしたら、誰の責任ですか

原因の場所で決まります。防水の層の傷みなら防水の業者、架台の足元や配線の穴なら、その止水を受け持った業者です。どこを誰が受け持つかを、工事の前に表にして契約に書いておくと、もめずに済みます。

くわしく:雨漏りは、原因を見つけるまでが工事の半分です

架台の足元の防水は、どちらの業者がするものですか

決まった答えはないので、契約で決めます。許可の区分では、太陽光の設置の工事に屋根の止水の処理も含まれるとされています。ただ、防水の層と一続きに処理できる防水の業者に任せ、防水の保証に含めてもらうほうが、境目が空きにくくなります。

屋上に穴をあけて架台を固定してもよいですか

できるだけ避けます。穴をあけると防水の保証が切れることや、漏水のおそれがあることから、自治体の案内でも穴をあけないほうが望ましいとされています。重しの基礎を置く方法を、屋根に載せられる重さと合わせて考えます。

太陽光を載せると、防水の保証はなくなりますか

なくなることがあります。保証が続くための載せ方の条件は、工法や防水の業者によって違います。設計の段階で、防水を施工した会社に条件を確かめ、保証書の対象に架台の足元を含めてもらいます。

くわしく:工事の保証は、3つに分けて部位ごとに控えます

雨漏りに気づいたら、いつまでに業者に知らせればよいですか

すぐに書面で知らせます。民法では、工事の不具合は、知った時から1年以内に業者に知らせないと、直すことなどを求められなくなるとされています。契約書の約款にある期間もあわせて確かめます。

くわしく:工事の契約書は、追加と事故の扱いから読みます

パネルを外して戻す費用は、誰が払うのですか

施設が持つ太陽光なら施設が払います。電気を買う契約(PPA)では契約で決め、事業者の負担にすると電気の単価に上乗せされやすくなります。載せる時点で、外して戻す費用の見積も出してもらいます。

防水の業者と太陽光の業者を、1社にまとめて頼めますか

頼めます。1社を元請けにすると、雨漏りのときの窓口が1つになり、保証もまとめやすくなります。2社に分ける場合は施設が間に立ち、受け持ちの境目が空かないよう、同じ責任の表を両方の契約に付けます。

防水と太陽光を同時に行うと、工期はどれくらいですか

屋上防水の改修の工期(1〜3か月が目安)に、架台とパネル、配線の日数が加わります。防水は雨の日に作業できないので、予備の日も工程に入れます。

くわしく:居ながら工事の工程表は、工事と暮らしの予定を重ねて作ります

屋上の一部だけに太陽光を載せることはできますか

できます。防水を改修したばかりの棟に載せる、排水口のまわりや設備の点検の通り道を空ける、といった選び方で、外して戻す手間を減らせます。

工事中の写真は、何を撮っておいてもらえばよいですか

架台の足元の防水の処理、配線の穴の止水、水をかけて漏れを確かめたときの写真です。仕上がってからは見えなくなる所なので、雨漏りのときの原因の手がかりになります。

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電気代と太陽光の考え方は電気代と太陽光、頼み先の一覧は設備別の頼み先、ご相談の流れはご相談の流れにまとめています。

監修者

鈴木貴行|介護施設営繕・修繕専門家

  • 30年以上営繕・設備管理の経験
  • 1,000施設超関わった介護・高齢者施設
  • 3,000件超修繕・設備改善の案件

介護施設の営繕・設備管理に30年以上携わり、1,000施設を超える介護・高齢者施設の現場に関わってきました。介護施設の屋上で太陽光と防水を同時に行うかの判断と、雨漏りしたときの責任の分け方、工程の組み方を監修しています。

経験した施設
特別養護老人ホーム有料老人ホームグループホームデイサービスサービス付き高齢者向け住宅
専門分野
給排水空調電気・照明トイレ・浴室床・壁扉・建具ナースコール

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