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費用の目安

大規模修繕の費用は㎡単価で桁をつかみ、
量・単価・時期の3つで抑えます

大規模修繕の見積を前にして、この金額は高いのか安いのか、そもそも相場はいくらなのか、と迷う方は少なくありません。介護施設の大規模修繕は、建物の大きさと築年数、工事の範囲でまったく違う金額になるので、1つの数字で相場を示すことはできません。それでも、公開されている㎡あたりの単価を使えば、自分の施設のおおよその桁はつかめます。この記事では、その桁のつかみ方と、修繕費を抑えるときに考える3つの層、そして削ってはいけない部分を示します。

構成:介護施設 修繕の窓口監修:鈴木貴行(介護施設営繕・修繕専門家)更新:読む時間:約18分

この記事が答える質問介護施設の大規模修繕の費用相場は?介護施設の修繕費を抑える方法を教えて

介護施設の大規模修繕の費用相場は、延床面積1㎡あたりの単価で桁をつかみます。社会福祉法人の施設を調べた日本医療福祉建築協会の調査では、竣工から行った大規模修繕の累積額は、築30年前後で1㎡あたり約5万円でした。築40年以上では約6.3万円です(2016年時点の実績)。公共施設の更新費用の試算では、保健・福祉系の施設は築30年で1㎡あたり20万円の大規模改修を見込みます。延床3,000㎡なら、実績で累積約1.5億〜1.9億円、試算で1回約6億円が桁の目安です。修繕費を抑える方法は、工事の量を減らす、単価を下げる、時期をずらすの3つの層で考え、防水の下地・電気・防災は削りません。

この記事の結論

  1. 大規模修繕の相場は、延床面積1㎡あたりの単価で桁をつかむ
  2. 実績の累積は築40年以上で約6.3万円/㎡、試算の単価は築30年で20万円/㎡
  3. 2つの数字は数えたものが違うので、下と上の目安として幅で使う
  4. 修繕費は、量を減らす・単価を下げる・時期をずらすの3つの層で抑える
  5. 防水の下地・電気・防災は削らず、補助と積立で1年の負担を分ける

大規模修繕の費用相場は、延床面積あたりの単価で桁をつかみます

介護施設の大規模修繕の費用は、建物の大きさと築年数、工事の範囲で大きく変わります。総額の相場を1つの数字で示すことはできないので、延床面積1㎡あたりの単価を使って、自分の施設のおおよその桁をつかみます。公開されている数字には、実際に使われた額の実績と、将来の費用を見込む試算の単価の2種類があります。

公開されている、大規模修繕の㎡あたりの単価
数字何を数えたか使い方
約6.3万円/㎡(築40年以上)社会福祉法人の施設が、竣工から2016年までに行った大規模修繕などの累積額を、延床面積で割った実績(日本医療福祉建築協会の調査)これまでに実際に使われてきた額の目安
約5万円/㎡(築30年前後)同じ調査の、築30年前後の施設の累積額築30年までに使う額の目安
20万円/㎡(築30年に1回)自治体が公共施設の将来の更新費用を見込む試算の単価。保健・福祉系の施設の大規模改修で、2年かけて行うと置く建物全体を一度に大きく改修するときの上の目安
36万円/㎡(築60年で建替え)同じ試算の、保健・福祉系の施設の建替えの単価改修と建替えを比べるときの目安

2つの数字には大きな開きがあります。実績の累積は、部分的な工事や先送りも含めて実際に使った額で、物価も2016年の時点のものです。試算の単価は、築30年で建物全体を一度に改修すると置いた、見込みの額です。実績を下の目安、試算を上の目安として、幅で使います。

社会福祉法人の施設の、竣工からの累積額(延床面積あたり・2016年時点の実績)。築年数ごとの、累積の大規模修繕費築10年程度約1.5万円/㎡築15年ごろ約2.3万円/㎡築20年超約3.0万円/㎡築30年前後約5万円/㎡築40年以上約6.3万円/㎡
図1 社会福祉法人の施設の、竣工からの累積額(延床面積あたり・2016年時点の実績)。

実績の数字は2016年の時点のもので、そのあと工事の費用は上がっています。今の見積と比べるときは、実績の数字より高めに出るものと考えて読みます。

延床面積を掛けると、自分の施設の総額の桁が出ます

自分の施設の総額の桁は、延床面積に㎡あたりの単価を掛けて出します。延床面積は、確認済証や竣工図の面積表で確かめられます。実績の累積の単価(約5万〜6.3万円/㎡)と、試算の単価(20万円/㎡)の両方を掛けると、下と上の目安がそろいます。

延床面積ごとの、大規模修繕の総額の桁
延床面積実績の累積(約5万〜6.3万円/㎡)試算の1回分(20万円/㎡)
1,000㎡約5,000万〜6,300万円約2億円
2,000㎡約1億〜1.3億円約4億円
3,000㎡約1.5億〜1.9億円約6億円
5,000㎡約2.5億〜3.2億円約10億円

実績の累積は、竣工から築30年〜40年までの合計です。1回の大規模修繕の見積は、この累積の一部に当たります。これまでに使った修繕費に今回の見積を足し、累積の目安から大きく外れていないかを見ます。

工事ごとの目安も、あわせて使います。当窓口の目安では、屋上防水の改修は500万〜3,000万円、外壁の塗装・補修は800万〜3,000万円です。業務用の給湯器の交換は1台80万〜400万円、エアコンの交換は1台20万〜60万円、特殊浴槽の入替は350万〜1,100万円です。入居者の方が暮らす中の工事では、仮設・養生・時間帯の割増が、総額の2割〜4割になることがあります。屋上防水と外壁の工法ごとの単価は屋上防水と外壁塗装は、総額より年あたりの費用で比べますにまとめています。

相談・見積は無料|お断り可・理由は不要

総額のうち、どの工事がいつ来るかを先に並べます

大規模修繕の総額は、1回の工事ではなく、部位ごとの工事の積み重ねです。日本医療福祉建築協会の同じ調査には、部位ごとの傾向も出ています。外壁・屋根は築15年まで、空調・電気・給排水などの設備は築20年まで、エレベーターなどは築25年までに行われる割合が高くなっています。どの工事がいつ来るかを並べると、支出の山が見えます。

部位ごとの、大規模修繕が行われやすい時期と費用の目安
部位行われやすい時期(調査の傾向)費用の目安
外壁・屋根(屋上防水を含む)築15年までに行われる割合が高い屋上防水 500万〜3,000万円、外壁 800万〜3,000万円
空調・電気・給排水などの設備築20年までに行われる割合が高いエアコン1台 20万〜60万円、業務用給湯器1台 80万〜400万円
エレベーターなど築25年までに行われる割合が高い台数と仕様で変わる。保守の会社の更新の見積で確かめる
特殊浴槽機器の状態と、部品が手に入るかで決まる入替 350万〜1,100万円

築20年から30年のあいだは、設備の更新とエレベーター、2回目の外壁や防水が重なりやすい時期です。この山の年を先に知っておくと、積立と補助の準備が間に合います。大規模修繕をいつ・何から始めるかの進め方は大規模修繕は着工の2年前に動き出し、石綿の調査は設計の段階で済ませますにまとめています。

修繕費を抑える方法は、量・単価・時期の3つの層に分かれます

介護施設の修繕費を抑える方法は、工事の量を減らす、単価を下げる、時期をずらす、の3つの層に分けて考えます。効き目が大きいのは量で、次が単価です。時期をずらすのは1年あたりの支出をならす方法で、総額を減らすものではありません。上の層から順に手をつけると、削ってはいけない所を削らずに済みます。

修繕費を抑える3つの層
層すること効き方気をつけること
1. 量を減らす劣化の調査で直す所を絞る。足場を使う工事をまとめる総額が大きく変わる傷んだ所を残すと、あとで高くつく
2. 単価を下げる同じ仕様書で見積を比べる。材料と機器の型をそろえる同じ工事でも、業者と時期で差が出る安さの理由が、養生や下地を省いたことでないか確かめる
3. 時期をずらす急がない工事を先に送り、補助の年度やほかの工事と合わせる1年あたりの支出をならせる先送りで傷みが進むと、量が増える
上の層から順に手をつけると、削ってはいけない所を削らずに済む。3つの層と、手をつける順番1. 量を減らす効き目が大きい2. 単価を下げる比べ方で変わる3. 時期をずらす支出をならす
図2 上の層から順に手をつけると、削ってはいけない所を削らずに済む。

介護施設の修繕では、どの層でも、入居者の方の暮らしを守る費用は削らないことが前提です。養生や工事の時間帯の決まりを削ると、見積は安くなっても、転倒や体調の悪化、ご家族からの苦情という形で、別の負担が出ます。

工事の量は、劣化の調査で直す所を絞って減らします

工事の量を減らすいちばんの方法は、劣化の調査で、本当に直す所を絞ることです。外壁なら打診で浮きのある所を、屋上なら防水のふくれや下地の傷みを、設備なら動き方と部品の状態を調べて、直す範囲を決めます。調べずに全面で見積を取ると、傷みの軽い所まで同じ工事が入ります。

調べてから範囲を決め、最後に見積の数量を図面と照らす。工事の量を決める順番1. 劣化を調べる(打診・目視・写真)2. 直す範囲を決める(全面か、部分か)3. 足場の要る工事をまとめる4. 数量を図面で確かめる
図3 調べてから範囲を決め、最後に見積の数量を図面と照らす。

足場を使う工事は、まとめると量が減ります。外壁の補修、窓まわりの目地の打ち替え、雨どいや外部の配管の更新を同じ足場で行えば、足場を組むのは1回で済みます。入居者の方が暮らす中の工事では、仮設・養生・時間帯の割増が総額の2割〜4割になることがあり、足場の回数を減らす効き目は小さくありません。仮設費と養生費の中身と、足場を共用する考え方は仮設・養生・割増の割合は、施設が渡す条件で変わりますにまとめています。

使っていない部屋や倉庫、職員だけが使う場所は、仕上げのグレードを入居者の方の居室と分けて決めると、量を変えずに費用を下げられます。ただ、防水や電気のように建物全体に関わる部分は、場所で分けずにそろえます。

単価は、条件をそろえた見積で下げます

単価を下げるには、条件をそろえた見積で比べることが出発点です。工事の範囲、工法、数量、時間帯、養生の決まり、保証の年数をそろえます。そろっていないと、金額の差が単価の差なのか、範囲の差なのかが分かりません。見積の「一式」を分けてもらい、内訳の行ごとに比べます。

単価を下げる方法と、引き換えになること
方法下がるもの引き換えになること
同じ仕様書で相見積を取る業者ごとの単価の差仕様書をつくる手間と費用
設備の工事を専門の業者に直接頼む元請の管理の費用業者どうしの日程の調整を施設がする
材料と機器の型をそろえる部品と手間の単価選べる製品が少なくなる
工事の時期を、混み合う時期から外す急ぎの割増や、人手を集める費用工期の希望が通りにくい時期がある

社会福祉法人は、見積合わせの社数が決まっています。令和8年4月から、工事の請負で2社の見積で足りるのは400万円以下で、それを超えると3社以上です。社数の決まりと金額ごとの取り方は社会福祉法人の相見積は、400万円を境に2社と3社に分かれますに、1社の見積でも妥当かを判断する方法は「一式」を分けてもらえば、1社の見積でも判断できますにまとめています。

大規模修繕では、設計と施工を分けて頼むと、全社に同じ仕様書を渡せるので、単価の差が見えやすくなります。設計と監理の費用は別にかかるので、工事の種類と金額で選びます。2つの頼み方の違いは設計監理か責任施工かは、工事の大きさと施設の人手で選びますで比べています。

値引きの交渉だけで単価を下げようとすると、見えにくい所で手間が省かれることがあります。安い見積が出たら、まず範囲と数量、養生の決まりが他社と同じかを確かめます。

時期をずらすときは、先送りしてよい工事を線で分けます

時期をずらす方法は、工事をまとめる、年度で分ける、先送りする、補助の年度に合わせる、の4つです。時期をずらしても総額は減りませんが、1年の支出の山を低くできます。ただし、雨や安全、法令に関わる工事を先送りすると、傷みが進んで量が増え、かえって高くつきます。

雨・安全・法令に関わる工事は、先送りしない。先送りしてよい工事・しない工事先送りできる先送りしない見た目の塗り替え使っていない部屋の内装動いている機器の予防の交換雨漏りと防水の下地外壁の浮き・はがれ法定点検の指摘
図4 雨・安全・法令に関わる工事は、先送りしない。
時期のずらし方と、そのときの注意
ずらし方例注意
まとめる外壁と屋上の工事を同じ年に行い、足場を1回にするその年の支出が大きくなる
年度で分ける設備の更新を2〜3年に分け、毎年の予算に収める同じ系統の機器は、分けると割高になることがある
先送りする傷みが軽い所を、次の計画に回す毎年、同じ場所の写真で傷みの進み方を見る
補助の年度に合わせる補助の対象になる工事を、交付の年度に入れる交付の決定の前に、契約も着工もしない

動いている機器の予防の交換を先送りするときは、部品がいつまで手に入るかを確かめておきます。業務用エアコンのように、同じ系統・同じ年式の機器が多い設備は、年度で分けるより、まとめて更新したほうが工事費が下がることがあります。何台からまとめるかの目安はR22のエアコンは、冷媒に関わる故障なら更新を考えますにあります。

防水の下地と電気と防災は、安くしてはいけません

修繕費を抑えるときでも、防水の下地、電気、防災の3つは削りません。どれも工事のあとに隠れて見えなくなるか、止まったときの影響が入居者の方の安全に直結するからです。ここを削った見積は、数年後のやり直しや事故の費用で、差額以上に高くつきます。

安くしてはいけない部分と、見積で確かめる行
部分削ると起きること見積で確かめる行
屋上防水の下地の補修新しい防水がはがれ、数年で雨漏りが戻る下地の補修の数量と、古い防水をはがすか重ねるか
電気の幹線と分電盤容量が足りず、更新した空調や機器が使えない幹線の太さと、分電盤を更新するかどうか
防災の設備(火災報知・非常照明・防火戸)工事で動かしたあとの戻しが足りず、点検で指摘される工事で外す感知器や配線を、元に戻す費用
外壁の浮きの補修はがれ落ちて、下を通る人に当たる打診の範囲と、補修の数量
入居者の方を守る養生と区画転倒や粉じん、音で体調を崩す方が出る養生の範囲と、工事の時間帯の決まり

下地や配線は、工事が終わると見えなくなります。工事の段階ごとに途中の写真を出してもらう決まりを契約に入れておくと、削られていないかをあとから確かめられます。

補助と積立で、1年あたりの負担を分けます

大規模修繕の費用は、補助と積立で、1年あたりの負担を分けます。補助には、都道府県の基金を使うものや、国の防災・減災の交付金などがあり、年度と都道府県で対象と上限が変わります。補助は交付の決定より前に契約や着工をすると対象から外れるので、使うなら工事の前の年から準備します。申請から完了までの流れと月数は補助を使う工事は、交付決定の通知が届くまで契約しませんにまとめています。

待つ間に傷みが広がるかどうかで、補助を待つかを決める。補助を待つか、先に進めるか工事を1年待つ間に、傷みが広がるか広がる自己資金で先に進める補助は次の工事で使う広がらない補助の年度に合わせる交付の決定を待って着工
図5 待つ間に傷みが広がるかどうかで、補助を待つかを決める。

積立の目安は、30年の修繕の総額を年数で割って出します。延床3,000㎡の施設で、公開されている単価を使うと、次のようになります。

修繕の積立の目安の出し方(延床3,000㎡の例)
出し方計算1年あたりの目安
実績の累積から約6.3万円/㎡×3,000㎡=約1.9億円を40年で割る約470万円
試算の単価から20万円/㎡×3,000㎡=6億円を30年で割る約2,000万円
自分の施設の計画から30年の修繕の計画の合計を30年で割る計画の合計÷30

2つの単価の差が、そのまま積立の目安の幅になります。どこに置くかは、自分の施設の30年の修繕の計画で決まります。計画がないまま積立の額を決めると、山の年に足りなくなるか、使い道の決まらない積立が残ります。社会福祉法人では、修繕のための積立金を、法人の決まりに沿って積み立て、取り崩します。

モデルケース:見積が年度の予算を超えた介護付有料老人ホーム

モデルケース:定員54名の介護付有料老人ホーム

防水の下地を削らずに、今年度の工事費を1,500万円下げた

変わったこと(結果)

外壁と屋上、窓まわりの改修の見積が、6,800万円から5,300万円になりました。このうち1,000万円は、工事の量と単価の見直しで減った分です。残りの500万円は、共用部の内装の一部を翌年度に回した分です。防水の下地の補修と、工事の時間帯の決まりは削っていません。足場は1回で済み、工事の期間も当初の5か月から4か月に縮みました。

背景と、困っていたこと

このホームは3階建てで、延床2,600㎡、築24年です。運営する会社の本社が決めた今年度の修繕の枠は5,500万円でした。調査を頼んだ1社から出た見積は6,800万円で、「一式」の行が多く、本社から相場と比べて高いのかと聞かれても答えられませんでした。窓まわりの目地の打ち替えは、翌年に別の足場で行う前提になっていました。

決めたこと

事務長は、まず延床面積に公開されている累積の単価を掛けました。これまでの修繕費に今回の見積を足すと約1億円で、築20年超から築30年前後の累積の目安(約7,800万〜1.3億円)の間に収まりました。桁は外れていないと分かったので、中身を3つの層で見直しました。外壁は打診の結果で補修の範囲を絞り、窓まわりは外壁と同じ足場に入れ、同じ仕様書で3社の見積を比べました。共用部の内装は、入居者の方の移動が少なくて済む翌年度に回しました。

進めてみて分かったこと

打診で浮きが見つかったのは、西側と北側の面に集中していました。いちばん安い見積は養生の範囲が他社より狭かったので、範囲をそろえて出し直してもらってから比べました。

このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。

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費用を抑えたつもりで、あとで高くつく例があります

修繕費を抑えたつもりが、数年後に高くつくことがあります。多くは、調べずに範囲を決めた、隠れる部分を削った、条件をそろえずに安い見積を選んだ、のどれかです。

費用を抑えたつもりで、あとで高くつく例
起きたこと原因防ぎ方
2〜3年で同じ所をまた直すことになった下地を直さず、表面だけを直した下地の補修の数量を見積に入れる
工事の途中で追加の費用が出た劣化の調査をせずに範囲を決めた打診や点検口からの調査をしてから範囲を決める
足場を2年続けて組んだ足場の要る工事の年がばらばらだった足場の要る工事の時期をそろえる
安い見積の業者で、苦情が増えた養生と時間帯の条件を、見積の前に渡さなかった居ながら工事の条件を、全社に同じ形で渡す

大規模修繕のあと、年ごとの修繕費が前の年より増えることもあります。増えたこと自体が問題とは限らないので、理由を分けて読みます。読み方は介護施設の修繕費は、相場より5年分の実績で読みますにまとめています。

費用に備えて、平常時にしておくこと

費用の桁と山を、先に押さえておく

  • 延床面積に公開の単価を掛けて、総額の桁を出しておく
  • 外壁・屋上・設備の次の工事の年を、1枚の表にする
  • 足場の要る工事の時期を、できるだけそろえる
  • 見積の内訳を行ごとに残し、次の単価の元にする
  • 補助の調査の時期を、法人の年間の予定に入れる

修繕の予算の組み方と積立の考え方は修繕の予算は、前の年の秋から3つの区分で組みますにまとめています。

大規模修繕の見積を同じ条件で比べたい、出てきた金額の桁が合っているかを確かめたい、というときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。1回のご依頼で最大3社の見積をそろえられ、相談と見積は無料で、お断りもできます。建物全体の設計と監理が要る規模の工事では、設計事務所に頼むほうが向いていることもあります。

よくある質問

介護施設の大規模修繕は、全部でいくらくらいかかりますか

建物の大きさと築年数で大きく変わるので、延床面積あたりの単価で桁をつかみます。社会福祉法人の施設の実績では、竣工からの累積が築40年以上で約6.3万円/㎡でした。延床3,000㎡なら、累積で約1.9億円が目安になります。

大規模修繕の費用を見込むとき、1㎡あたりいくらで計算すればよいですか

実績の累積の約5万〜6.3万円/㎡を下の目安、公共施設の試算の20万円/㎡を上の目安として、幅で計算します。どこに置くかは、工事の範囲と自分の施設の修繕の計画で決めます。

公開されている㎡単価に、大きな差があるのはなぜですか

数えているものが違うからです。実績は部分的な工事や先送りも含めて実際に使った額で、物価は2016年の時点です。試算は、築30年で建物全体を一度に改修すると置いた見込みの額です。

築20年の施設では、どのくらいの修繕費を見込めばよいですか

社会福祉法人の施設の実績では、築20年を超えた施設の累積が約3.0万円/㎡でした。築20年から30年のあいだは設備の更新や2回目の外壁が重なりやすく、累積は約5万円/㎡まで増えていきます。

くわしく:大規模修繕は着工の2年前に動き出し、石綿の調査は設計の段階で済ませます

修繕費を抑えるには、どこから手をつければよいですか

工事の量から見直します。劣化の調査で直す所を絞り、足場の要る工事をまとめると、総額が大きく変わります。次に、条件をそろえた見積で単価を比べます。

大規模修繕の見積は、値引きの交渉で下げてもよいですか

交渉だけに頼るのは避けます。養生や下地の補修など、見えにくい所が省かれることがあるからです。範囲と数量、養生の決まりを全社でそろえてから、内訳の行ごとに比べるほうが確かです。

足場を使う工事を同じ年に集めると、費用は下がりますか

足場を共用できる工事なら、下がることが多くあります。外壁の補修、窓まわりの目地、雨どいの更新を同じ足場で行えば、足場を組むのは1回で済みます。その年の支出は大きくなるので、予算と合わせて決めます。

くわしく:仮設・養生・割増の割合は、施設が渡す条件で変わります

修繕を先送りすると、費用は増えますか

雨・安全・法令に関わる工事は、先送りすると増えることが多くあります。防水の傷みが下地まで進むと、下地の補修が加わり、雨漏りの復旧の費用も出ます。見た目の塗り替えなどは、先送りしても費用が増えにくい工事です。

屋上防水の見積で、削ってはいけない項目はどれですか

下地の補修の数量と、古い防水をはがすか重ねるかの行です。ここを削ると、新しい防水がはがれて、数年で雨漏りが戻ることがあります。

くわしく:屋上防水と外壁塗装は、総額より年あたりの費用で比べます

介護施設の大規模修繕に使える補助金はありますか

あります。都道府県の基金を使う補助や、国の防災・減災の交付金などで、年度と都道府県で対象と上限が変わります。交付の決定より前に契約や着工をすると、対象から外れます。

くわしく:補助を使う工事は、交付決定の通知が届くまで契約しません

大規模修繕のために、毎年いくら積み立てればよいですか

30年の修繕の計画の合計を、年数で割って出します。延床3,000㎡の例では、実績の単価で年約470万円、試算の単価で年約2,000万円と幅があり、どこに置くかは自分の施設の計画で決まります。

くわしく:修繕の予算は、前の年の秋から3つの区分で組みます

物価が上がった今でも、2016年の調査の数字は使えますか

桁をつかむ目安としては使えますが、今の見積は高めに出るものとして読みます。工事の費用は、2016年より上がっているからです。今の単価は、条件をそろえた見積で確かめます。

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工事の種類ごとの費用の目安は費用の目安、頼み先の一覧は設備別の頼み先、ご相談の流れはご相談の流れにまとめています。

監修者

鈴木貴行|介護施設営繕・修繕専門家

  • 30年以上営繕・設備管理の経験
  • 1,000施設超関わった介護・高齢者施設
  • 3,000件超修繕・設備改善の案件

介護施設の営繕・設備管理に30年以上携わり、1,000施設を超える介護・高齢者施設の現場に関わってきました。介護施設の大規模修繕の費用を、公開されている㎡単価で見込み、工事の量・単価・時期の3つの層で抑える考え方を監修しています。

経験した施設
特別養護老人ホーム有料老人ホームグループホームデイサービスサービス付き高齢者向け住宅
専門分野
給排水空調電気・照明トイレ・浴室床・壁扉・建具ナースコール

制度や基準、費用の目安は変わることがあります。手続きや工事の前に、最新の資料と、現地を確かめた見積でご確認ください。

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