長く頼んでいた地元の工務店が廃業や代替わりをしても修繕が止まらないよう、介護施設がしておく備えは3つです。1つ目は、図面・修理の履歴・部品の型番・鍵の一覧などの記録を、工務店の事務所や社長の記憶ではなく、施設の側に残すことです。2つ目は、急がない小さな修理を年に1〜2回頼んで、建具・水まわり・電気などの分野ごとに2社目を作っておくことです。3つ目は、2社目の出張の範囲と、施設まで着く時間を確かめることです。廃業を告げられたら、残りの期間で記録の受け渡しと次の業者の紹介を書面で頼みます。
この記事の結論
- 備えは、記録を施設に残す・2社目を作る・出張の範囲を確かめるの3つ
- 図面・修理の履歴・部品の型番・鍵の一覧を、施設の側に置く
- 2社目は、小さな修理を年に1〜2回頼んで、分野ごとに作っておく
- 廃業を告げられたら、記録の受け渡しと次の業者の紹介を書面で頼む
- 代替わりのときは、許可・担当・単価・請求の名義を確かめ直す
工務店がいなくなる日への備えは、記録・2社目・出張の範囲の3つです
地元の工務店は、介護施設にとって頼りになる相手です。建物の癖を知り、鍵の置き場所を知り、電話1本で来てくれます。けれども、頼りにしているぶん、その工務店がいなくなったときに止まるものも多くなります。止まるのは修理そのものより、「どこに何があるか」「次に誰に頼むか」という情報と関係です。
| 備え | すること | 施設の手間の目安 |
|---|---|---|
| 記録を施設の側に残す | 図面、修理の履歴、部品の型番、鍵の一覧を、施設のファイルにまとめる | 最初に半日〜1日。そのあとは修理のたびに数分 |
| 2社目を作る | 分野ごとに、2社目の候補へ急がない小さな修理を年1〜2回頼む | 1回の修理の立ち会いと、結果の記録 |
| 出張の範囲を確かめる | 2社目が施設まで来られるか、平日と夜間で何分かかるかを聞く | 電話1本と、聞いた答えの記録 |
3つとも、工務店がいなくなってからでは、手間が大きく増えます。廃業のあとに図面を探そうとしても、工務店の事務所はもう片付いていることがあります。2社目も、急ぎの修理が出てから探すと、施設の事情を知らない会社に、いきなり急ぎの仕事を頼むことになります。
日ごろの工務店との付き合い方(1年を通した頼み方や、大きな工事での比べ方)は日常は工務店と年間で付き合い、大きな工事は入札などで比べて選びますにまとめています。この記事は、その工務店がいなくなる日への備えに絞って書きます。
廃業や代替わりには、前ぶれが出ることがあります
工務店の廃業や代替わりは、ある日突然に聞かされるように見えて、前ぶれが出ていることがあります。来てくれるまでの日数、見積の出る速さ、受けてくれる仕事の大きさに、変化が出てきます。
背景には、建設業で働く人の減少と高齢化があります。建設業で働く人は、2024年で477万人です。1997年の685万人から大きく減りました。55歳以上が36.7%を占めるいっぽう、29歳以下は11.7%です(総務省「労働力調査」をもとにした国土交通省の集計)。地元の小さな工務店ほど、社長と少ない職人で回していることが多く、1人が引退すると続けられなくなることがあります。
- 来てくれるまでの日数が延びた職人の数が減っているか、ほかの現場で手が回っていないことがあります。
- 見積や請求書が遅くなった事務を担っていた家族が引退したなど、会社の中が変わっていることがあります。
- 「そろそろ息子に」と話が出た代替わりが近い合図です。担当や単価が変わるかを、早めに聞きます。
- 大きな工事を断られるようになった人手や体力の事情で、受ける仕事を絞り始めていることがあります。
| 変わり方 | 施設に起きること | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 廃業 | 修理を頼む先がなくなる。工務店の手元にある記録や鍵が戻らないことがある | 記録と鍵の受け渡し、次の業者の紹介、保証の扱い |
| 代替わり(親から子へ) | 会社は続くが、担当・職人・単価・来られる範囲が変わることがある | 許可の扱い、新しい担当、単価と出張の範囲 |
| ほかの会社への譲渡・合併 | 名前や窓口が変わり、小さな修理を受けなくなることがある | 小さな修理を続けて受けるか、連絡先と請求の名義 |
前ぶれに気づいたら、3つの備えを急ぎます。工務店に直接「これからのご予定は」と聞いてもかまいません。長く付き合っている相手ほど、施設のことを気にかけて、早めに話してくれることがあります。
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備え①:記録は、工務店の事務所ではなく施設に置きます
長く頼んでいる工務店ほど、施設の記録を工務店の側で持っています。前に替えた水栓の型番、天井裏の配管の通り道、合鍵の本数。施設の担当者は「聞けば分かる」と思っていて、自分では持っていないことがよくあります。工務店がいなくなると、この「聞けば分かる」が一度に消えます。
| 記録 | 今あることが多い場所 | 施設に残す形 |
|---|---|---|
| 竣工図・改修の図面 | 工務店の事務所、法人本部の倉庫 | 原本の場所を決め、よく使う図面は写しを手元に置く |
| 修理の履歴 | 工務店の帳簿、担当者の記憶 | 日付・場所・中身・費用・業者を1行ずつ書いた一覧 |
| 部品と機器の型番 | 工務店の見積書、職人のメモ | 水栓・便器・ドアの金物・照明などの型番と写真 |
| 配管や配線の通り道 | 職人の記憶 | 天井や壁を開けたときの写真と、図面への書き込み |
| 鍵と合鍵 | 工務店が預かっていることがある | 何の鍵を何本、誰が持っているかの一覧 |
| 保証書と取扱説明書 | 工務店が受け取ったままのことがある | 機器ごとに1つのファイルにまとめる |
| 見積書と請求書 | 経理の綴り | 工事ごとに、見積と請求を並べて残す |
一度に全部をそろえなくてかまいません。次に工務店が来たときから、「直した所の写真と、使った部品の型番を書いて渡してください」と頼むだけで、記録は少しずつ施設にたまっていきます。過去の分は、経理に残る見積書と請求書から、日付と中身を書き出せば、残っている年数の分は追えます。
頼んだ業者と連絡先を1枚にまとめる業者台帳の作り方は修理業者を毎回探す手間は、業者台帳で消せますにあります。機器の型番や設置の年をまとめる機器台帳の作り方は機器台帳は、竣工図と現地と保守の会社の3つで作りますにまとめています。工務店がいなくなったときにとくに困るのは、鍵、配管の通り道、保証書の3つです。この3つは、ほかの記録より先に集めておきます。
備え②:2社目は、小さな修理を頼んで作っておきます
2社目は、名前と電話番号を控えておくだけでは、いざというときに動いてくれません。初めての施設から急ぎの依頼が来ても、業者は施設の場所も建物の事情も知らないからです。2社目にしたい会社には、急がない小さな修理を年に1〜2回頼み、一度は施設に来てもらっておきます。
| 分野 | 今の工務店がしていること | 2社目の候補 | 試しに頼む修理の例 |
|---|---|---|---|
| 建具・内装 | 扉の調整、床や壁の補修 | ほかの工務店、建具店、内装の業者 | 扉の戸車の交換、壁紙の部分の張り替え |
| 水まわり | 水栓やトイレの修理(協力業者が来ることも) | 水道局の指定工事店、設備会社 | 水栓のパッキンの交換、トイレの部品の交換 |
| 電気 | 照明の交換、コンセントの修理(協力業者が来ることも) | 電気工事店 | 照明器具の交換、コンセントの点検 |
| 外回り・屋根 | 雨どいの掃除、小さな雨漏りの手当て | 屋根や防水の業者、ほかの工務店 | 雨どいの掃除と点検 |
試しに頼むのは、2社目の腕を見るためだけではありません。施設までの道順、駐車する場所、入居者の方への気配り、見積と請求の出し方を、施設と2社目の両方が知る機会になります。1回来てもらっていれば、急ぎのときに「前に来ていただいた〇〇ホームです」と言うだけで話が通ります。
2社目を作ることは、今の工務店を疑うことではありません。「お宅に何かあったときのために、ほかにも頼める先を作っておきたい」と正直に伝えれば、関係を損ねずに進められます。工務店のほうから、信頼できる仲間を教えてくれることもあります。
近くに2社目の候補が見つからない地域では、探す範囲を広げるか、分野をまたいで手配をまとめる窓口を2社目の代わりにする方法もあります。候補が少ない地域での判断の仕方は相見積が3社取れない地域でも、判断の材料はそろえられますにまとめています。
備え③:2社目が来られる範囲と、着くまでの時間を確かめます
2社目を決めるときは、その会社が施設まで来られるかを確かめます。地元の工務店は施設のすぐ近くにあることが多く、呼べば30分で来てくれた、という施設もあります。2社目が隣の市の会社なら、同じようには来られません。
| 確かめること | 聞き方の例 | 記録しておくこと |
|---|---|---|
| 出張の範囲 | 〇〇町の施設ですが、ふだん来ていただける範囲ですか | 範囲の内か外か。外なら出張費の扱い |
| 平日の日中の到着 | 午前中に連絡したら、何時ごろ来られますか | 連絡から着くまでの時間の目安 |
| 夜間・休日 | 夜や休日に水が止まらないときは、来ていただけますか | 受けるか受けないか。受けるなら連絡先と割増 |
| 職人が来る場所 | 職人の方は、どちらから来られますか | 会社の住所と違う場所から来るか |
| 雪や台風の時期 | 雪や台風のときも、こちらまで来られますか | 道路が止まるときの扱い |
出張の範囲は、代替わりで変わることもあります。新しい代になって遠くの大きな現場を中心にするようになり、施設のある町が範囲から外れる、ということもあります。代替わりを聞いたら、今の工務店にも同じことを聞き直します。
夜間や休日の急ぎは、2社目とは別の先に決めておく方法もあります。近い会社に夜間を、遠い会社に計画できる修理を、と分ければ、遠い2社目でも役に立ちます。着くまでの時間の聞き方と、近さの考え方は近くの業者は、市区町村の名前より着くまでの時間で選びますにまとめています。
廃業を告げられたら、残りの期間で引き継ぎを書面で頼みます
工務店から廃業を告げられたら、まずお礼を伝え、そのうえで残りの期間に頼みたいことを書面で渡します。口頭で「いろいろ教えてください」と頼むだけでは、相手も何を渡せばよいか分からず、片付けの忙しさの中で後回しになります。頼むことを1枚に書き、いつまでにお願いしたいかを添えます。
| 頼むこと | 頼み方の例 | いつまでに |
|---|---|---|
| 図面と書類の返却 | 預けている図面や取扱説明書を、お返しいただけますか | 最初の1か月のうちに |
| 修理の履歴 | これまでの修理の記録があれば、写しをいただけますか | 最初の1か月のうちに |
| 途中の工事と保証 | 残っている工事と、保証の扱いを教えてください | 最初の1か月のうちに |
| 次の業者の紹介 | 同じように頼める方をご存じでしたら、ご紹介ください | 廃業の日の2か月前までに |
| 建物の癖の聞き取り | 天井裏の配管の通り道や、気をつける所を教えてください | 1〜2時間の聞き取りの日を決める |
| 鍵と合鍵の返却 | お預けしている鍵の本数を確かめて、お返しください | 最後の訪問の日までに |
引き継ぎを頼む書面の書き出し(例)
- 長いあいだ、当ホームの修理を支えていただき、ありがとうございました。
- 廃業までのあいだに、次のことをお願いできますでしょうか。
- 1. お預けしている図面と書類のご返却(〇月〇日まで)
- 2. これまでの修理の記録の写し(〇月〇日まで)
- 3. 次にお願いできる方のご紹介(〇月〇日まで)
建物の癖の聞き取りは、施設の担当者と、できれば次の業者が一緒に聞くと、その場で質問ができます。聞いた話は、写真と一緒に記録に書き足します。天井裏や床下の配管の通り道、止水栓の場所、前に雨漏りした所は、図面に書かれていないことが多い話です。
代替わりのときは、許可・担当・単価・請求を確かめ直します
代替わりは、廃業と違って会社が続きます。そのぶん、何が変わったかに気づきにくくなります。社長が替わったと聞いたら、次のことを一度確かめ直します。
| 確かめること | 確かめ方 | 変わっていたら |
|---|---|---|
| 建設業の許可 | 許可番号・業種・有効期間を、国土交通省の検索システムで見る | 大きな工事を頼む前に、許可の扱いを聞く |
| 担当者と職人 | 誰が来るのか、前の職人は残るのかを聞く | 建物の癖を、新しい担当にも伝え直す |
| 単価と出張費 | 1時間や1日の単価、出張費、最低料金を書面でもらう | 2社目の単価と並べて見直す |
| 出張の範囲と夜間の対応 | 前と同じ範囲に来られるか、夜間や休日は受けるか | 夜間の頼み先を、別に決める |
| 請求書の名義と登録番号 | 請求書の発行元の名前と、適格請求書発行事業者の登録番号 | 経理に伝え、支払い先を改める |
建設業の許可は、会社(法人)に出ているか、個人に出ているかで、代替わりの扱いが変わります。個人で営む工務店を子が継ぐときなどは、令和2年10月から、事前に認可を受けて許可を引き継げる制度ができました。相続のときは、亡くなってから30日以内に申請すれば引き継げます。認可を受けずに代わると許可は引き継がれず、新しく許可を取るまでのあいだ、500万円以上の工事は受けられません。
許可を公的な記録で調べる方法は老人ホームの営繕業者は、公的な記録で確かめられますにまとめています。代替わりのあとも、前の社長のころの付き合いをそのまま続けられることは多くあります。確かめ直すのは、変わった点に早く気づくためです。
代替わりのあとに、どうしても合わなくなった場合は、頼み先を替えることも考えます。長く付き合った業者に、関係を損ねずに伝える方法は断り方で、次に頼める関係が残るかが決まりますで書いています。
保証と途中の工事は、廃業の前に扱いを決めます
工務店が廃業すると、その工務店が出した工事の保証は、求める相手がいなくなります。いっぽう、取り付けた機器のメーカーの保証は、メーカーに求められます。保証書がどちらのものかで、廃業のあとの扱いが変わります。
| もの | 廃業したら | 施設がしておくこと |
|---|---|---|
| 工務店が出した工事の保証 | 求める相手がいなくなる | 保証の期間が残る工事を一覧にし、気になる所は廃業の前に見てもらう |
| メーカーの機器の保証 | メーカーに求められる | 保証書と、購入日や設置日の分かる書類を施設で持つ |
| 途中の工事 | 終えられないまま止まることがある | 廃業の日までに終えられるかを聞き、無理なら次の業者に引き継ぐ範囲を決める |
| 前払いした代金 | 工事が終わらないと、戻らないことがある | 廃業が近い工務店には、大きな前払いをしない |
保証の期間が残っている工事があれば、廃業の前に一度見てもらい、気になる所を直してもらいます。防水や外壁など、保証の年数が長い工事ほど、廃業のあとに困ります。工事の保証の種類と管理の仕方は工事の保証は、3つに分けて部位ごとに控えますにまとめています。
廃業が決まった工務店に、新しい工事を頼むかどうかも考えます。廃業の日までに終わり、保証の期間が短い小さな修理なら、頼んでかまいません。保証の年数が長い工事や、終わるのが廃業の日の近くになる工事は、次の業者に頼むほうが、あとで困りません。
次の業者は、今の工務店の紹介から見つかることがあります
廃業する工務店には、長く一緒に仕事をしてきた職人や、仕入れ先、同業の仲間がいます。次の業者を探すとき、早い方法の1つは、今の工務店に紹介を頼むことです。施設の建物を知っている職人が、別の会社で仕事を続けている、ということもあります。
紹介された会社にも、許可や保険は自分で確かめます。とくに、職人が独立して個人で続ける場合は、受けられる工事の金額や、事故に備える保険が、会社にいたころと違うことがあります。紹介をもらう経路と、紹介のあとに確かめることは修繕業者の紹介は、団体と同業の施設の2つの経路で集めますにまとめています。
紹介された会社とは、最後の訪問の前に、今の工務店と一緒に施設を回ってもらうと、引き継ぎが進みます。現場で「ここは前にこう直した」と話してもらえれば、記録に書ききれない細かいことまで伝わります。
モデルケース:工務店の廃業を半年前に告げられたグループホーム
モデルケース:2ユニット(定員18名)のグループホーム
廃業の日までに、記録の受け渡しと次の2社との顔合わせを終えた
変わったこと(結果)
開設のときから頼んでいた工務店から、廃業の半年前にそのことを告げられました。廃業の日までに、図面・修理の履歴・鍵の受け渡しと、次に頼む2社との顔合わせを終えました。廃業のあとの冬に浴室の水栓から水が止まらなくなったときは、2社目の設備会社が、連絡から1時間ほどで来てくれました。施設の担当者は、業者を探す電話を1本もかけずに済みました。
背景と、困っていたこと
このグループホームは、町の中心から少し離れた場所にあります。開設から15年、修理はすべて、車で10分の工務店に頼んできました。社長は70代で、職人は社長の弟と2人だけでした。秋に社長から「来年の3月で店を閉める」と告げられたとき、施設には図面の写しもありませんでした。天井裏の配管がどこを通っているかも、社長しか知りませんでした。
決めたこと
管理者は翌週、頼みたいことを書いた1枚の書面を社長に渡しました。図面と取扱説明書の返却、修理の記録の写し、鍵の返却、建物の癖の聞き取り、次の業者の紹介の5つです。1月には、社長の紹介で、隣の市の工務店と、水道の指定工事店の設備会社に来てもらい、社長と一緒に建物を回りました。聞き取りは2時間かかり、写真を撮りながら、止水栓の場所と配管の通り道を図面に書き込みました。
進めてみて分かったこと
鍵を数えると、工務店が預かっていた合鍵が、施設の一覧より2本多くありました。2年前に直した屋根の板金に工事の保証が残っていたため、廃業の前に一度見てもらいました。隣の市の工務店は施設まで車で30分かかるため、夜間の水漏れは設備会社、建具や内装は工務店と、分野で頼み先を分けました。
このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。
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工務店がいなくなったあとに起きやすいことと、防ぎ方
備えをしていても、工務店がいなくなったあとに、思わぬところで困ることがあります。多いのは、次の5つです。どれも、元気なうちの小さな手当てで防げます。
| 起きやすいこと | なぜ起きるか | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 急ぎの修理で、頼む先が見つからない | 2社目を名前だけで控えていた | 小さな修理を頼み、一度は来てもらっておく |
| 同じ部品が手に入らない | 前の部品の型番が分からない | 直すたびに型番と写真を残す |
| 合鍵の行方が分からない | 工務店に預けた鍵の一覧がない | 預けた鍵の本数と種類を一覧にする |
| 天井や床を、要る以上に開けてしまう | 配管の通り道が分からない | 開けたときの写真と、聞き取りを図面に書き込む |
| 次の業者の単価が高く見える | 前の工務店の単価が、長い付き合いで据え置かれていた | 単価と出張費を書面でもらい、2社目どうしで比べる |
最後の「単価が高く見える」は、気づきにくい点です。長い付き合いの工務店は、細かな修理を出張費なしで直してくれていたり、単価を何年も据え置いていたりすることがあります。次の業者の単価が高く見えても、それが今の相場であることもあります。2社目の候補を2社以上持っておくと、単価を並べて判断できます。
1つの業者や1人の担当者に頼りきりになる仕組みは、施設の中の営繕の担当でも、外の業者との関係でも同じように起きます。その仕組みと解き方は営繕の属人化は、4つの経路を決まった順にほどきますにまとめています。
平常時にしておくこと
平常時にしておくこと
- 工務店に頼んでいる修理を、分野ごとに年間の件数で書き出す
- 図面・修理の履歴・型番・鍵の一覧を、施設のファイルにまとめる
- 分野ごとの2社目に、年1〜2回は小さな修理を頼む
- 2社目の出張の範囲と、着くまでの時間を記録する
- 工務店の後継ぎやこれからの予定を、折にふれて聞いておく
2社目の候補が近くに見つからない、分野ごとに探す時間がない、というときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。受付は24時間で、お電話の受付はありません。全国47都道府県で、分野をまたいで業者を手配し、1回のご依頼で最大3社の見積をそろえられます。相談と見積は無料で、お断りもできます。ただ、建物の癖を長年知っている地元の工務店の代わりに、すぐなれるわけではありません。記録を施設に残すことは、窓口を使う場合でも同じように要ります。
よくある質問
長く頼んでいた地元の工務店が廃業するとき、施設は何をすればよいですか
残りの期間で、図面と書類の返却、修理の記録の写し、鍵の返却、建物の癖の聞き取り、次の業者の紹介を書面で頼みます。頼むことと期限を1枚にまとめて渡すと、片付けの忙しさの中でも進みます。
工務店がいなくなる前に、何を備えておけばよいですか
記録を施設の側に残す、分野ごとに2社目を作る、2社目の出張の範囲と着くまでの時間を確かめる、の3つです。どれも、工務店が元気なうちにしておくと手間が小さく済みます。
いざというときの2社目の業者は、どうやって作ればよいですか
急がない小さな修理を年に1〜2回頼み、一度は施設に来てもらいます。道順や建物の事情を知ってもらえるので、急ぎのときに話が早く通ります。
今の工務店に、ほかの業者も作ることを伝えてよいですか
伝えてかまいません。「何かあったときのために、ほかにも頼める先を作っておきたい」と正直に話すと、関係を損ねにくくなります。信頼できる仲間を教えてもらえることもあります。
工務店に預けている図面や鍵は、返してもらえますか
施設のものなので、返してもらうよう書面で頼みます。鍵は、何の鍵が何本あるかの一覧と照らし合わせて受け取ります。
工務店が代替わりしたら、何を確かめればよいですか
建設業の許可の扱い、担当者と職人、単価と出張費、出張の範囲と夜間の対応、請求書の名義と登録番号を確かめます。変わった点が分かれば、前と同じように頼めるかを判断できます。
個人の工務店を息子さんが継いだら、建設業の許可はどうなりますか
令和2年10月から、事前に認可を受ければ、事業の譲渡などで許可を引き継げます。相続のときは、亡くなってから30日以内に申請します。認可を受けずに代わると許可は引き継がれず、新しく取るまで500万円以上の工事は受けられません。
廃業した工務店がした工事の保証は、どうなりますか
工務店が出した工事の保証は、求める相手がいなくなります。機器のメーカーの保証はメーカーに求められるので、保証書と設置日の分かる書類を施設で持っておきます。保証の残る工事は、廃業の前に一度見てもらいます。
廃業する工務店の代わりの業者は、どこで探せばよいですか
まず、廃業する工務店に紹介を頼みます。ほかに、同業の施設からの紹介、水道局の指定工事店の一覧、自治体の名簿などがあります。紹介された会社でも、許可と保険は自分で確かめます。
近くに代わりの業者が見つからない地域では、どうすればよいですか
探す範囲を広げるか、分野ごとに手配をまとめる窓口を2社目の代わりに使う方法があります。遠い会社は着くまでに時間がかかるので、夜間の急ぎは別の先を決めておきます。
新しい業者の単価が、前の工務店より高く感じます
長い付き合いの工務店は、細かな修理を出張費なしで直していたり、単価を据え置いていたりすることがあります。2社以上から単価と出張費を書面でもらい、並べて判断します。
工務店まかせだった記録を、今から施設に集めるにはどうすればよいですか
次の修理から、直した所の写真と使った部品の型番を書いて渡してもらうよう頼みます。過去の分は、経理に残る見積書と請求書から、日付と中身を書き出します。
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