本文へスキップ
介護施設 修繕の窓口 介護施設専門の営繕・修繕窓口介護施設 修繕の窓口

ご相談実績710施設

アンケート平均4.1(218件)

エリア

地域別

エリアでまとめると、
法人は全体が見え、現場は近さを手放します

1都3県のように広い範囲に施設が増えてくると、施設ごとに頼む業者も、費用も、記録の形もばらばらになります。法人の本部では、営繕をエリアでまとめたほうがよいのでは、という話が出てきます。まとめれば得るものがある一方で、現場は、近くの業者との付き合いや、自分で頼める身軽さを手放します。この記事では、法人が得るものと現場が失うものを対にして並べます。そのうえで、施設の散らばり方に合わせたエリアの決め方と、災害への備えから見た注意点を整理します。

構成:介護施設 修繕の窓口監修:鈴木貴行(介護施設営繕・修繕専門家)更新:読む時間:約19分

この記事が答える質問1都3県など広い範囲に介護施設を持つ法人は、営繕をエリアでまとめる意味がある?

1都3県など広い範囲に施設を持つ法人でも、営繕をエリアでまとめる意味はあります。法人は、業者の数を絞って単価と記録の形をそろえ、全施設の修理を同じ物差しで見られるようになります。いっぽう現場は、近くの業者との直接の付き合いと、急ぎの修理を自分で頼む身軽さの一部を手放します。エリアは県の境ではなく、日常の修理を受け持つ業者が、どの施設にも車で1時間ほどで着ける範囲で区切ります。急ぎの修理は施設ごとに近くの頼み先を残し、災害に備えて、エリアの業者が動けないときの別の頼み先も1つ持っておきます。

この記事の結論

  1. エリアでまとめる意味はあるが、法人が得るものと現場が失うものは対になる
  2. 法人は、単価・記録・計画と発注・事務の4つで得る
  3. 現場は、近くの業者との付き合いと、自分で頼める身軽さを手放す
  4. エリアは県の境ではなく、業者が車で1時間ほどで着ける範囲で区切る
  5. 急ぎの頼み先と、災害のときの2番目の頼み先は、施設ごとに残す

エリアでまとめる意味はあります。得るものと失うものは対になります

1都3県のように広い範囲に施設を持つ法人でも、営繕をエリアでまとめる意味はあります。近い施設どうしを1つのまとまりにして、日常の修理を同じ業者に頼むと、法人は単価と記録をそろえやすくなるからです。

ただ、得るものがあれば、現場が手放すものもあります。法人が得るのは、全体が見えることです。現場が手放すのは、近くの業者に自分で頼める身軽さです。この2つは、同じことの両面です。

法人の得と現場の手放すものは対になる。対ごとに手当てを決める。エリアでまとめると、得るもの・手放すもの法人が得るもの現場が手放すもの単価と記録がそろう計画と発注がまとまる契約と請求が減る顔なじみの業者電話1本の身軽さ自分で頼める範囲手放すものは、決まりを作れば一部を残せます
図1 法人の得と現場の手放すものは対になる。対ごとに手当てを決める。

まとめるかどうかは、施設の散らばり方で決まります。目安として、近い施設が3つ以上集まっている所は、まとめる効き目が出やすくなります。1つだけ離れた施設は、無理にまとめず、地元の業者に法人の様式で頼むほうが早く直ります。

この記事では、まとめるか・まとめないかの二択ではなく、何をエリアでまとめ、何を施設に残すかを決める考え方を整理します。

法人が得られる4つのことは、記録が集まるところから効いてきます

エリアでまとめると、法人は4つのことを得られます。どれも、施設ごとにばらばらに頼んでいたときには、本部から見えにくかったことです。

  1. 単価がそろう同じエリアの施設は、同じ業者に同じ単価で頼めます。施設ごとの費用の差を、本部が説明しやすくなります。
  2. 記録が集まるエリアの業者が同じ形で報告を出すので、全施設の件数と費用を毎月1枚で見られます。
  3. 計画と発注がまとまる同じ時期に入れた空調や給湯器の更新を、エリアで1回の見積に出せます。
  4. 事務が減る契約と請求の相手が減り、支払いの手続きと業者の名簿の管理が軽くなります。

4つのうち、本部がいちばん効き目を感じやすいのは、記録が集まることです。どの施設でどの分野の修理が多いかが、月ごとに並びます。施設ごとの費用の差も、単価の違いなのか、修理の数の違いなのかを分けて見られます。

計画と発注がまとまるのは、エリアならではの得です。同じ時期に建てた施設が同じエリアにあれば、設備の更新の時期も近くなります。比べる手間が1回で済み、工事の時期を施設どうしでずらせば、立ち会いや入居者の方の移動も重なりません。設備の更新の周期の目安は設備の年数は、3種類を並べてから更新の時期を決めますにまとめています。

相談・見積は無料|お断り可・理由は不要

現場が失うのは、近さと、自分で頼める身軽さです

得るものの裏で、現場が失うものもあります。エリアの業者は、施設から見ると、前より少し遠い相手になります。法人が得るものと失うものを対にして、手当てまで並べておくと、現場への説明もしやすくなります。

法人が得るものと、現場が失うもの
法人が得るものその裏で現場が失うもの失わないための手当て
単価がそろう近所の業者に、顔なじみの値段で気軽に頼めること小さな修理は、エリアの巡回の日にまとめて頼めるようにする
記録が集まる電話1本で頼める身軽さ(様式を書く手間が増える)様式の欄を絞り、写真と場所だけでも送れる形にする
計画と発注がまとまる施設長が、自分の判断で頼める範囲急ぎの修理で施設長が頼める上限額を、本部と書面で決める
事務が減る建物の癖を知る地元の業者との付き合い急ぎの修理と相談の枠を、地元の業者に残す

いちばん気をつけたいのは、建物の癖を知る地元の業者との付き合いです。建てたときの工務店や、何年も同じ施設に来ている設備の業者がいます。こうした業者は、図面にない配管の位置や、大雨のたびに水がたまる場所を知っています。エリアの業者に切り替えても、この付き合いは、急ぎの修理や相談の枠として残します。

もう1つは、小さな修理がたまりやすくなることです。エリアの業者を呼ぶほどではないと職員が遠慮すると、扉のきしみや水栓のゆるみが、巡回の日まで放っておかれます。小さな修理の一覧を施設で持ち、巡回の日にまとめて渡す形にしておきます。地元の工務店との年間の付き合い方は日常は工務店と年間で付き合い、大きな工事は入札などで比べて選びますにまとめています。

エリアで受け持つものと、法人・施設に残すものを分けます

エリアでまとめるときは、何もかもをエリアに寄せるわけではありません。法人全体でそろえるもの、エリアでまとめるもの、施設に残すものの3つに分けます。

3つの単位で受け持つもの
単位受け持つもの例
法人全体頼み方と記録の形、単価の考え方、承認の線、修繕の計画全施設で、同じ依頼の様式と記録の表を使う
エリア日常の修理を頼む業者、定期の巡回、法定の点検の日程エリアの業者が、月に1回、エリアの施設を順に回る
施設不具合に気づくこと、急ぎの修理の第一報、立ち会い、入居者の方への声かけ夜中の水漏れは、施設が近くの業者に直接頼む
エリアは法人と施設のあいだの単位で、業者のまとまりを受け持つ。3つの単位で持つもの法人全体様式・単価・計画をそろえるエリア日常の修理の業者をまとめる施設気づき・急ぎ・立ち会いを持つ
図2 エリアは法人と施設のあいだの単位で、業者のまとまりを受け持つ。

エリアでまとめるのは、おもに日常の修理を頼む業者です。業者の移動の時間は、費用と待ち時間にそのまま乗ります。近い施設どうしを同じ業者に寄せると、1回の訪問で2つの施設を回るような組み方もできます。

法人全体でそろえる様式や単価の考え方は、エリアをまたいでも同じにします。エリアごとに業者が違っても、本部は全施設を同じ物差しで見られます。全国どこでも1社で受けると言う会社の形と見分け方は「全国対応」の営繕業者は、誰が来るかで3つに分かれますにまとめています。

施設の散らばり方で、エリアの決め方が変わります

エリアの決め方は、施設の散らばり方で変わります。同じ1都3県でも、ある沿線に施設が並ぶ法人と、県のあちこちに点在する法人とでは、線の引き方が違います。まず全施設を地図に置いて、どの形に近いかを見ます。

地図に施設を置くと、4つのどれに近いかが分かる。施設の散らばり方の4つの形集まっている1つのエリアにする線に並んでいる沿線で区切る点在している拠点の施設から区切る1つだけ遠い地元の業者を残す
図3 地図に施設を置くと、4つのどれに近いかが分かる。
施設の散らばり方と、エリアの決め方
散らばり方例エリアの決め方業者の持ち方
集まっている1つの市と隣の市に、施設が5つある全体を1つのエリアにする分野ごとに1社。急ぎは施設ごとに近くの業者
線に並んでいる1つの鉄道の沿線や幹線道路に沿って、施設が並ぶ線の上で、車で1時間ほどの区間ごとに区切る区間ごとに業者を決め、端の施設は隣の区間の業者も候補にする
点在している県の中に、施設が数十キロずつ離れて散らばる施設の多い所を拠点にして、まわりの施設を寄せる拠点のまわりは共通の業者、拠点から遠い施設は地元の業者
1つだけ遠いほかの施設から車で2時間ほど離れた施設が1つあるエリアに入れず、その施設だけで扱う地元の業者に、法人の様式と単価表で頼む

線を引くときの物差しは、県や市の境ではなく、業者が着くまでの時間です。日常の修理を受け持つ業者が、エリアのどの施設にも車で1時間ほどで着けるかを見ます。急ぎの修理は、それより狭い範囲で、施設ごとに近くの頼み先を持ちます。

1つのエリアに入れる施設の数は、目安として3つ以上です。2つでは業者が回る日を組む効き目が小さく、多すぎると1社の手が回らなくなります。近くの業者を、着くまでの時間で探す考え方は近くの業者は、市区町村の名前より着くまでの時間で選びますにまとめています。

1都3県は、県の境より移動の時間で区切ります

1都3県は、地図の上では1つのまとまりに見えます。けれども、業者が車で動くときの近さは、県の境と一致しません。県の名前でエリアを分けると、近い施設が別のエリアに分かれ、遠い施設が同じエリアに入ることがあります。

1都3県で、エリアを区切るときに見ること
見ること起きやすいこと区切り方の例
東京湾をはさんだ移動神奈川と千葉の施設は、地図では近く見えても、湾を回ると時間がかかる湾をはさむ施設は、別のエリアにする
都心を通る移動埼玉から神奈川へ、千葉から多摩へなど、都心を通る移動は時間が読みにくい都心をまたがないように区切る
都心の駐車作業の車を止める場所が少なく、駐車の費用や時間がかかる都心の施設は、近くに拠点のある業者を選ぶ
水道と下水の指定給水や排水の工事は、水道事業者や市町村ごとの指定が要るエリアの業者が、施設ごとの指定を持つかを確かめる
届け出の相手介護保険の届け出の相手が、県・政令市・中核市などで違う届け出の要る工事に備え、施設ごとに相手を控えておく

県の境をまたいでエリアを作ってもかまいません。埼玉の南部と東京の北部の施設が、同じ業者から車で30分ほどの範囲にあるなら、1つのエリアにするほうが自然です。反対に、同じ東京でも、23区の東の端と多摩の西の端は、別のエリアにするほうが早く来てもらえます。

県ごとに、業者の探し方の迷いどころも違います。東京や神奈川の都市部は業者が多い分、選び方に迷いやすくなります。埼玉や千葉では、都心の業者を呼ぶか、地元の業者にするかで迷いやすくなります。東京・神奈川での探し方は東京・神奈川は業者が多いぶん、3つの基準で絞ると決まりますにまとめています。埼玉・千葉での探し方は埼玉・千葉の営繕は、頻度と移動の時間で頼み先を分けますにあります。

BCPの面では、業者を1つのエリアに寄せすぎないようにします

介護施設では、令和6年(2024年)4月から、感染症と災害の業務継続計画(BCP)を作ることが義務になっています。営繕をエリアでまとめるときは、この計画との関係も見ておきます。エリアでまとめるほど、業者とのつながりが1か所に寄るからです。

首都直下地震のような大きな地震では、1都3県の施設と業者が、同時に被害を受けることがあります。エリアの業者が自社の復旧で手一杯になると、そのエリアの施設は、まとめて頼み先を失います。施設ごとにばらばらに頼んでいたときは、どこかの業者が動けるという分散が、知らないうちに効いていました。

業者の拠点と施設が近いほど、ふだんは早く来て、災害のときは一緒に止まる。エリアの業者は、災害のときに動けるか業者の拠点が、施設と同じ被害の範囲にあるか同じ範囲にある別の範囲の頼み先を施設ごとに1つ足す離れている道路と燃料の事情で遅れる日数を見込む
図4 業者の拠点と施設が近いほど、ふだんは早く来て、災害のときは一緒に止まる。
災害に備えて、エリアの体制で決めておくこと
決めておくこと中身BCPの計画への書き方の例
2番目の頼み先エリアの業者が動けないときに頼む、別の範囲の業者設備ごとに、1番目と2番目の頼み先を並べて書く
地元の業者との付き合い施設の近くにいて、道が混んでも来やすい業者連絡先と、頼めることを書く
先に直す設備の順番業者の手が足りないときに、どの設備から直すか給水・電気・トイレ・空調など、暮らしに直結する順に並べる
法人の中での応援被害の小さいエリアから、職員や資材を回す応援を出す施設と、運ぶものの一覧を書く
連絡の手段電話がつながりにくいときの、業者との連絡の方法業者と使う連絡の手段を、2つ書いておく

BCPの訓練のときには、業者への連絡も一緒に試しておきます。計画に書いた番号がつながるか、担当者が替わっていないかは、試してみないと分かりません。停電への備えと、非常用の電源や受水槽に使える補助は停電への備えは、何を何時間動かすかから決めますにまとめています。

エリアの修理を束ねる役は、3つの形から選びます

エリアでまとめると、エリアの施設の修理を取りまとめる役が要ります。施設から上がった話を受け、業者に回し、エリアの記録を本部に届ける役です。取りまとめ役の形は、大きく3つです。

エリアの取りまとめ役の3つの形
形中身向いている法人気をつけること
法人の職員エリアの営繕担当を置き、施設を回って修理を取りまとめるエリアに施設が多く、修理の件数も多い法人1人に集まり、休みや退職のときに止まる
エリアの業者日常の修理を受ける業者が、受付と記録も受け持つエリアの修理の多くを、1社で受けられる法人業者が受け持たない分野の話が、宙に浮きやすい
外の窓口相談を受けて分野ごとに業者を手配し、記録をまとめる分野がばらばらで、エリアに1社で受けられる業者がいない法人急ぎの修理は、施設の近くの頼み先と分けておく

どの形でも、エリアの記録は、法人の様式で本部に届くようにします。取りまとめ役が替わっても、記録の形が同じなら、引き継ぎで困りません。

法人の職員を置く場合は、1人で見られる施設の数に限りがあります。エリアの施設を月に何回回るか、急ぎのときに誰が代わるかを、先に決めておきます。定期の巡回を業者に頼むときの、頻度と範囲の決め方は定期の営繕契約は、頻度・範囲・費用の順に決めますにまとめています。

年に1回、エリアごとに並べて見ます

エリアでまとめたあとは、年に1回、エリアごとの修理を並べて見ます。エリアの線が合っているか、業者の手が回っているかは、1年分の記録を並べると分かります。

年に1回、エリアごとに並べて見ること
見ること見方次の年に生かすこと
直るまでの日数エリアごと、施設ごとに、頼んでから直るまでの日数を並べる遅い施設があれば、線を引き直すか、近くの頼み先を足す
分野ごとの件数と費用どのエリアで、どの分野の修理が多いか件数の多い分野は、定期の巡回に入れるかを考える
急ぎの枠の使われ方施設長が自分で頼んだ修理の件数と中身急ぎの枠が多すぎるなら、エリアの業者の着く時間を見直す
更新が近い機器エリアの中で、年式の近い機器翌年度からの更新を、エリアの中で時期をずらして組む

並べるときは、エリアどうしを比べるだけでなく、同じエリアの中の施設どうしも比べます。エリアの端の施設だけが遅れているなら、線の引き方の問題です。エリア全体が遅れているなら、業者の手が足りていません。

年に1回の見直しは、修繕の計画を見直す時期と合わせると、手間が1回で済みます。長期修繕計画の作り方は長期修繕計画は、30年・5年・単年の3つで持ちますにまとめています。

エリアに分けたあとに起きやすいことと、防ぎ方

エリアでまとめ始めると、起きやすいことがいくつかあります。どれも、先に決まりを作っておくと防げます。

エリアに分けた法人で起きやすいことと、防ぎ方
起きやすいこと理由防ぎ方
エリアの端の施設が後回しになる業者が、拠点に近い施設から回る施設ごとに、頼んでから来るまでの日数の目安を決めておく
小さな修理がたまるエリアの業者を呼ぶほどではない、と遠慮する小さな修理の一覧を施設で持ち、巡回の日にまとめて渡す
施設長が、修理を本部任せにする自分で決められる範囲が見えない施設長に任せる修理の範囲を、例を挙げて示す
取りまとめ役に話が集まりすぎるエリアの話が、1人に集まる副の担当を決め、記録を共有の場所に置く
地元の業者との付き合いが切れるエリアの業者に、仕事がすべて移る急ぎや相談の枠を、地元の業者に残す

とくに起きやすいのが、エリアの端の施設の後回しです。業者にとっては、拠点に近い施設から回るほうが自然だからです。どの施設も同じ日数の目安で来てもらえるように、エリアの業者と先に話しておきます。

取りまとめ役に話が集まりすぎると、営繕が特定の人に集まる形に戻ってしまいます。属人化が起きる4つの経路は営繕の属人化は、4つの経路を決まった順にほどきますにまとめています。

モデルケース:1都3県に16施設を持つ法人が、4つのエリアに分けた

モデルケース:1都3県で16施設(有料老人ホーム・グループホームなど)を運営する法人

頼み先が約40社から14社に。本部が毎月、全施設の修理を見られるように

変わったこと(結果)

施設ごとにばらばらだった日常の修理の頼み先を、4つのエリアで14社にまとめました。本部は、16施設の修理の件数と費用を、毎月1枚の表で見られるようになりました。はじめの半年は、エリアの端の2施設で、小さな修理が巡回の日までたまる困りごとが出ました。施設ごとの急ぎの枠を足してからは、どの施設も、頼んでから直るまでが平均1週間以内に収まっています。

背景と、困っていたこと

この法人は、東京・神奈川・埼玉・千葉に、有料老人ホームとグループホームを合わせて16施設運営しています。施設を開くたびに、その地域の業者に修理を頼んできたため、頼み先は全体で約40社になっていました。どの施設が何にいくら使っているかは、決算の時期まで本部から見えませんでした。本部の営繕の担当者は1人だけで、施設からの電話を受けるだけで手一杯でした。

決めたこと

本部は全施設を地図に置き、業者が車で1時間ほどで着ける範囲で、4つのエリアに分けました。神奈川の施設と千葉の施設は、東京湾をはさむので別のエリアにしました。埼玉の南部の施設は、東京の北部の施設と同じエリアにしました。エリアごとに日常の修理の業者を決め、月に1回の巡回と、同じ様式の報告を頼みました。施設長は、急ぎの修理なら10万円まで、近くの業者に自分で頼んでよいことにしました。BCPの計画には、エリアの業者のほかに、施設ごとの2番目の頼み先を書き加えました。決め手は、県の境で分けた案と比べて、どの施設にも1時間ほどで着けることでした。

進めてみて分かったこと

エリアに分けてみて、建てたときの工務店が近くにいる施設ほど、修理が早く直っていたことが分かりました。その工務店には、急ぎと相談の枠を残しています。

このモデルケースは、介護施設でよく起きる流れをもとに組み立てた例です。実在の施設のお話ではありません。

相談・見積は無料|同じ条件で最大3社

このお問い合わせ1本で、
最大3社の見積がそろいます。

エリア分けは、地図に施設を置くところから始めます

エリアでまとめ始めるときは、業者を探すより先に、地図に施設を置くところから始めます。線を引いてから業者を探すほうが、エリアに合う業者を選べます。

線を引いてから業者を選ぶ。業者に合わせて線を引かない。エリアでまとめ始める5つの段階1. 全施設を地図に置く2. 業者が1時間ほどで着く範囲で線を引く3. エリアごとに修理を数える4. エリアの業者と、施設の例外を決める5. 1年後に、日数と困りごとで見直す
図5 線を引いてから業者を選ぶ。業者に合わせて線を引かない。

3つめの、エリアごとに修理を数えるところからは、業者を統一する進め方と同じです。分野ごとに統一しやすいものから決め、1つの施設で試してから広げます。業者を統一する3か月の進め方は修繕業者の統一は、分野ごとに3か月で進めますにまとめています。

4つめの例外は、急ぎの修理の近くの頼み先と、施設長が自分で頼んでよい範囲です。エリアの業者を決める前に施設長たちと話しておくと、始めてからの不満が少なくなります。

平常時にしておくこと

平常時にしておくこと

  • 全施設を地図に置き、業者が着くまでの時間を書き込む
  • エリアの業者とは別に、施設の近くの急ぎの頼み先を書いておく
  • BCPの計画に、エリアの業者と2番目の頼み先を書く
  • 急ぎの修理で施設長が頼める上限額を、本部と決めておく
  • 年に1回、エリアごとに直るまでの日数と件数を並べる

地元の工務店が廃業や代替わりをしたときの備えは工務店がいなくなる日は、記録と2社目で備えますにまとめています。

エリアの線の引き方に迷うときや、エリアの端の施設の近くで頼める先を探すときは、窓口にフォームかLINEでご相談ください。当窓口は、決まったエリアの業者を持つ形ではありません。ご依頼ごとに施設の近くの業者に声をかけ、1回の依頼で最大3社の見積をそろえます。受付は24時間で、お電話での受付はしていません。相談と見積は無料で、お断りいただくこともできます。

よくある質問

1都3県に施設がある法人は、営繕をエリアでまとめたほうがよいですか

近い施設が集まっている所は、まとめる意味があります。法人は単価と記録をそろえやすくなり、全施設の修理を同じ物差しで見られます。ただ、現場は近くの業者に自分で頼める身軽さを手放すので、急ぎの頼み先と施設長が頼める範囲は残します。

営繕のエリアは、県ごとに分ければよいですか

県の境より、業者が着くまでの時間で分けます。日常の修理を受ける業者が、どの施設にも車で1時間ほどで着ける範囲が目安です。県をまたいでも近ければ同じエリアにし、同じ県でも遠ければ分けます。

くわしく:近くの業者は、市区町村の名前より着くまでの時間で選びます

1つのエリアに、施設がいくつあればまとめる意味がありますか

目安は3つ以上です。2つでは業者が回る日を組む効き目が小さく、多すぎると1社の手が回らなくなります。施設ごとの修理の件数も見て決めます。

エリアの業者に頼むようになると、小さな修理がたまりませんか

たまりやすくなります。エリアの業者を呼ぶほどではないと、職員が遠慮するからです。小さな修理の一覧を施設で持ち、巡回の日にまとめて渡す形にしておくと、ためずに片付けられます。

エリアの業者が、遠い施設を後回しにしないか心配です

施設ごとに、頼んでから来るまでの日数の目安を決めて、業者と先に話しておきます。年に1回、施設ごとの日数を並べ、端の施設だけが遅れていれば、エリアの線を引き直します。

ほかの施設から遠く離れた施設が1つだけあります。どう扱えばよいですか

エリアに入れず、その施設の近くの業者に、法人の様式と単価表で頼みます。業者が違っても、記録の形が同じなら、本部はほかの施設と並べて見られます。

くわしく:修繕業者の統一は、分野ごとに3か月で進めます

エリアで業者をまとめると、災害のときに困りませんか

困ることがあります。業者の拠点が施設と同じ被害の範囲にあると、施設と業者が一緒に止まるからです。BCPの計画に、別の範囲の2番目の頼み先と、地元の業者の連絡先を書いておきます。

くわしく:停電への備えは、何を何時間動かすかから決めます

水道の工事も、エリアの業者1社にすべて任せられますか

給水の配管の工事は、水道事業者ごとの指定を受けた工事店が行います。エリアに水道事業者がいくつも入るときは、エリアの業者が、施設ごとの指定を持っているかを確かめます。

エリアの取りまとめは、法人の職員と業者のどちらに任せればよいですか

エリアに施設が多く修理も多いなら、法人の職員が向いています。修理の多くを1社で受けられるならエリアの業者、分野がばらばらなら外の窓口です。どの形でも、記録は法人の様式で本部に届くようにします。

くわしく:定期の営繕契約は、頻度・範囲・費用の順に決めます

エリアでまとめたあと、何を見て見直せばよいですか

年に1回、エリアごと・施設ごとに、直るまでの日数、分野ごとの件数と費用、急ぎの枠の使われ方、更新が近い機器を並べます。端の施設だけが遅いなら線の引き方を、全体が遅いなら業者の手の足りなさを疑います。

都心の施設と郊外の施設を、同じエリアにしてもよいですか

業者が両方に車で1時間ほどで着けるなら、同じエリアにできます。ただ、都心は作業の車を止める場所が少ないので、都心の施設は、近くに拠点のある業者を選ぶほうが来てもらいやすくなります。

くわしく:東京・神奈川は業者が多いぶん、3つの基準で絞ると決まります

営繕をエリアでまとめると、法人の本部の仕事は増えますか

始めるまでは、地図に施設を置き、修理を数え、業者を選ぶ仕事が増えます。始めたあとは、施設ごとに業者とやり取りしていた仕事がエリアに移り、本部は毎月の記録を読むことが中心になります。

あわせて読みたい記事

地域ごとの頼み先の考え方は対応エリア、頼み先の一覧は設備別の頼み先、ご相談の流れはご相談の流れにまとめています。

監修者

鈴木貴行|介護施設営繕・修繕専門家

  • 30年以上営繕・設備管理の経験
  • 1,000施設超関わった介護・高齢者施設
  • 3,000件超修繕・設備改善の案件

介護施設の営繕・設備管理に30年以上携わり、1,000施設を超える介護・高齢者施設の現場に関わってきました。広い範囲に施設を持つ法人が、営繕をエリアでまとめるときの線の引き方と、現場に残すものの決め方を監修しています。

経験した施設
特別養護老人ホーム有料老人ホームグループホームデイサービスサービス付き高齢者向け住宅
専門分野
給排水空調電気・照明トイレ・浴室床・壁扉・建具ナースコール

制度や基準、費用の目安は変わることがあります。手続きや工事の前に、最新の資料と、現地を確かめた見積でご確認ください。

関連

あわせて読まれています

お問い合わせフォーム

  • 1回の依頼で最大3社
  • 相談・見積は無料
  • お断り可

施設名、お困りの箇所、いつからどんな状況かをご記入ください。担当より折り返しご連絡します。ご相談とお見積りは無料です。お急ぎの場合は、その旨をお書き添えいただければ優先してご連絡します。このお問い合わせ1本で、最大3社の見積を取得できます。

お電話での受付は行っていません。このフォームかLINEで、24時間受け付けています。

    1お困りの内容

    お困りの箇所任意・複数可

    いつから・どんな症状か・今どう対応しているかが分かると、手配が早くなります。分からないことは、そのままお書きください。

    お急ぎの度合い任意
    見積の取り方任意

    2施設について

    所在地が分かると、対応できる施工会社と時期をすぐにお答えできます。

    3ご担当者について

    ご返信はこのアドレスにお送りします。送信後すぐに受付完了メールが届きます。

    4写真を添付任意

    写真があると、その場で判断できることがあります。1枚10MBまで。LINEからも送れます。

    相談と見積は無料です。見積の後にお断りいただいても構いません。お電話での受付は行っていません。

    お急ぎの方は LINE からもご相談いただけます(24時間受付)。

    LINEで写真を送って相談する24時間受付

    必須は、施設名・ご担当者名・メールアドレス・お困りの内容の4項目です。分からないことは、そのままお書きください。何を確認すればよいかからご案内します。

    まずは写真1枚から、ご相談ください。相談・見積は無料|LINE・フォームで24時間受付(お電話での受付はありません)

    LINEで相談24時間受付 無料で一括見積最大3社・お断り可